第五十一話 魔法使い
~***・アクセル~
「今日はこの辺にで終わりだな」目の前で沸騰している緑の薬品が入ったフラスコに目をやり進捗を確認する。俺の予想が正しければ、この薬は俺の魔力量を莫大に引き上げてくれるだろう。乾燥させるのに時間が掛かるのが仕方が無い。
「本もこれくらいにしておくか」片手間に読んでいた本はいつの間にか山のように積み上がり、俺の歩く場所を奪っていた。読んでいた本は魔法に関する本だ。魔力とは何というものから始まり、魔法の使い方、魔方陣の書き方、使い方。魔法の発動条件に魔力の性質。
本当に様々な本を読んだ。これも全てこの軸にいる二人を蘇らせるために必要なことだ。禁断の魔法。それを使わなければ二人は帰ってこない。円環の理に入ったとしてもこの世界からは排除されてしまう。それだけは阻止しなければならない。
「もう夕方か」窓の外を見ると、夕焼けが空を赤く燃やしていた。それに子供の声が聞こえる。蝉が静かに鳴いていて今日はもう終わるということを知らせている。
「アクセル坊ちゃん。夕飯はどうなさいますか?」扉の向こうから執事の声が聞こえる。優しい声で、愛情を持って接しようとしてくれているのが分かる。
「今日も,,,パスで」しばらく考えた後で俺は今日の飯は抜くことにした。食事という方法は面倒くさい。それなら魔法を使って栄養を補給する方が早い。最も魔力との等価交換だから意味はない,,,って言いたいところだが、そうでもない。
俺の研究の成果の一つに魔力を倍にできる方法が見つかった。これは誰にも言っていない極秘の話だ。こんなのが世に出回れば世界中が火の海に沈むだろう。
理論は難解なものだから割愛させてもらう。説明していたら一年以上時間が掛かってしまうからな。実際に見せるのに一年は必要だからな。それくらい時間のかかる魔法ってことだ。
「さてと、町に行くか」窓を開けて空に飛び立つ。この屋敷は四階まである豪邸だ。そして俺の部屋は四階の角にある。これ以上は言う必要は無いな。
「っと。これくらいできなきゃ駄目だよな」風魔法でクッションを作って落下のダメージを無くす。これは本当に便利だからお前らも使っていいぞ。
「掘り出し物、あるといいな」黒のフードを深く被って雑踏の中に足を踏み入れる。俺の今の服装は黒いライトアーマーとそれに縫い付けられた皮。それと龍の皮で出来た黒いズボンにフードと一体化した黒のマント。これらは俺が自分で狩り取ってきた素材で作ったものだ。
頑丈だからちょっとやそっとのことじゃ傷つかない。それどころか相手を傷つけてしまうくらいだ。
「兄ちゃん、ちょっとどうよ?」道を適当に歩いていると、いかにもという雰囲気を醸し出しているおっさんに声をかけられた。怪しさ満点の良くないオーラが見える。
「遠慮しときます」丁寧に誘いを断る。こんな誘いは断った方がいいに決まっている。厄介なことに巻き込まれたら家名に泥を塗ることになるしな。
「聞こえないな。なんて言ったんだ?」おっさんは耳に手を当てて聞こえなかったという顔をしている。これだから低俗な人間は嫌いなんだよ。
「遠慮しておくって言ったんだ」魔法でおっさんの頬に切り傷を入れる。風魔法を超圧縮させた速攻魔法。これを回避できる奴は世界でも数えるほどしかいないだろう。
「す、すまない」男は腰を抜かし、後ずさりをしながら謝罪をしてきた。こうされると追い打ちもしにくくなるから嫌なんだよな。
「分かればいいんだ」少しだけ浮き上がったフードをもう一度被り直し、道を歩いて行く。欲しいものはたくさんあるが、この町では手に入らないだろう。それどころか王国じゃ出回ていないのかもしれない。
俺の欲しいものは三つ。黄金孔雀の羽、天馬の鬣。そして紅蓮蛇の皮。禁断の魔法の媒体に必要な素材たちだ。これらは貴重な素材故に王国の研究機関に回される。希少なモンスターだし、何よりも強い個体名が二つ名とし扱われるくらいにな。
「欲しいものは自分で手に入れるか」魔法を展開して一気に町の外に出る。加速魔法に飛翔魔法を組み合わせればこんな移動方法ができる。
「目的地は第四大陸だな」俺が狙っているモンスターの目撃情報が多いのが第四大陸だ。魔力のたまり場が多く、モンスターが変異しやすい環境になっている。
「テレポート」転移魔法を唱え目標の地点に向かう。一回行ったことのある場所であれば必ず成功する。前人未到の地は行くことができない。でも、自分が一回も行ったことの無い場所でも誰かが到達してくれていればその近くにまでなら飛ぶことができる。
非常に便利な魔法だが、欠点も多く存在する。魔力は大量に消費するし、天使に失敗することもある。地面に埋まったり、空中に放り出されたり。
「今回は上手くいったな」自分の体が何もない平原に出たことを確認して安堵する。問題はこの大陸が本当に第四大陸かということだ。これを確かめる方法は簡単だ。
「スキャン」目に魔法をかけて情報を収集する。これで第四大陸にしか自生していない植物なんかを発見すればいい。それ以外のものが見つかればまた移動すればいい。
「この草は第四大陸のもので間違いないな」寒いこの大陸で太陽光を効率よく集めるために進化したとされているスノーシャイン。見た目は霜が付いた薄緑色の平たい葉。
「よし、黄金孔雀を探すか」持ち前の盗賊スキルを活かして、痕跡が無いかを確認する。魔法だけに固執しているわけじゃない。自分の職業のスキルも伸ばしている。
「痕跡は,,,」地面に落ちている僅かな毛と足跡の行き先を目で追う。
「草原の方だな」白い草の上に微かながらも足跡が残っている。これを追えば黄金孔雀に会えるだろう。問題は勝てるかどうかなんだが,,,
しばらく痕跡を辿っていると丘が見えた。それを魔法で難なく上ると、湖が広がっていて、孔雀の群れが水浴びをしていた。その中でも一際目立つのが黄金色に輝く羽をもつ一羽の鳥だ。
「あれが黄金孔雀か」文献で何度も姿を見ているが実物がここまで美しいとは。太陽の光を反射させ煌めく大きな羽に筋肉質な体が伺える発達した足。黒い目と金の目のオッドアイはコレクターの興奮を掻き立てるだろう。
「狩らせてもらう」目標を補足して魔方陣を展開していく。その数は一。しかしそれは平面上に見たときだ。これは数百の魔方陣が重なっている超複雑で精密なものだ。少しでも位置がずれたり、魔力の量が多かったり少なかったりすると某そして使用者の俺に凄い負荷がかかる。その分、出力は強大なものになっている
「はすて・アクセル~
「今日はこの辺にで終わりだな」目の前で沸騰している緑の薬品が入ったフラスコに目をやって進捗を確認する。俺の予想が正しければ、この薬は俺の魔力量を莫大に引き上げてくれるだろう。
「本もこれくらいにしておくか」片手間に読んでいた本はいつの間にか山のように積み上がり、俺の歩く場所を奪っていた。読んでいた本は魔法に関する本だ。魔力とは何というものから始まり、魔法の使い方、魔方陣の書き方、使い方。魔法の発動条件に魔力の性質。
本当に様々な本を読んだ。これも全てこの軸にいる二人を蘇らせるために必要なことだ。禁断の魔法。それを使わなければ二人は帰ってこない。円環の理に入ったとしてもこの世界からは排除されてしまう。それだけは阻止しなければならない。
「もう夕方か」窓の外を見ると、夕焼けが空を赤く燃やしていた。それに子供の声が聞こえる。蝉が静かに鳴いていて今日はもう終わるということを知らせている。
「アクセル坊ちゃん。夕飯はどうなさいますか?」扉の向こうから執事の声が聞こえる。優しい声で、愛情を持って接しようとしてくれているのが分かる。
「今日も,,,パスで」しばらく考えた後で俺は今日の飯は抜くことにした。食事という方法は面倒くさい。それなら魔法を使って栄養を補給する方が早い。最も魔力との等価交換だから意味はない,,,って言いたいところだが、そうでもない。
俺の研究の成果の一つに魔力を倍にできる方法が見つかった。これは誰にも言っていない極秘の話だ。こんなのが世に出回れば世界中が火の海に沈むだろう。
理論は難解なものだから割愛させてもらう。説明していたら一年以上時間が掛かってしまうからな。実際に見せるのに一年は必要だからな。それくらい時間のかかる魔法ってことだ。
「さてと、町に行くか」窓を開けて空に飛び立つ。この屋敷は四階まである豪邸だ。そして俺の部屋は四階の角にある。これ以上は言う必要は無いな。
「っと。これくらいできなきゃ駄目だよな」風魔法でクッションを作って落下のダメージを無くす。これは本当に便利だからお前らも使っていいぞ。
「掘り出し物、あるといいな」黒のフードを深く被って雑踏の中に足を踏み入れる。俺の今の服装は黒いライトアーマーとそれに縫い付けられた皮。それと龍の皮で出来た黒いズボンにフードと一体化した黒のマント。これらは俺が自分で狩り取ってきた素材で作ったものだ。
頑丈だからちょっとやそっとのことじゃ傷つかない。それどころか相手を傷つけてしまうくらいだ。
「兄ちゃん、ちょっとどうよ?」道を適当に歩いていると、いかにもという雰囲気を醸し出しているおっさんに声をかけられた。怪しさ満点の良くないオーラが見える。
「遠慮しときます」丁寧に誘いを断る。こんな誘いは断った方がいいに決まっている。厄介なことに巻き込まれたら家名に泥を塗ることになるしな。
「聞こえないな。なんて言ったんだ?」おっさんは耳に手を当てて聞こえなかったという顔をしている。これだから低俗な人間は嫌いなんだよ。
「遠慮しておくって言ったんだ」魔法でおっさんの頬に切り傷を入れる。風魔法を超圧縮させた速攻魔法。これを回避できる奴は世界でも数えるほどしかいないだろう。
「す、すまない」男は腰を抜かし、後ずさりをしながら謝罪をしてきた。こうされると追い打ちもしにくくなるから嫌なんだよな。
「分かればいいんだ」少しだけ浮き上がったフードをもう一度被り直し、道を歩いて行く。欲しいものはたくさんあるが、この町では手に入らないだろう。それどころか王国じゃ出回ていないのかもしれない。
俺の欲しいものは三つ。黄金孔雀の羽、天馬の鬣。そして紅蓮蛇の皮。禁断の魔法の媒体に必要な素材たちだ。これらは貴重な素材故に王国の研究機関に回される。希少なモンスターだし、何よりも強い個体名が二つ名とし扱われるくらいにな。
「欲しいものは自分で手に入れるか」魔法を展開して一気に町の外に出る。加速魔法に飛翔魔法を組み合わせればこんな移動方法ができる。
「目的地は第四大陸だな」俺が狙っているモンスターの目撃情報が多いのが第四大陸だ。魔力のたまり場が多く、モンスターが変異しやすい環境になっている。
「テレポート」転移魔法を唱え目標の地点に向かう。一回行ったことのある場所であれば必ず成功する。前人未到の地は行くことができない。でも、自分が一回も行ったことの無い場所でも誰かが到達してくれていればその近くにまでなら飛ぶことができる。
非常に便利な魔法だが、欠点も多く存在する。魔力は大量に消費するし、天使に失敗することもある。地面に埋まったり、空中に放り出されたり。
「今回は上手くいったな」自分の体が何もない平原に出たことを確認して安堵する。問題はこの大陸が本当に第四大陸かということだ。これを確かめる方法は簡単だ。
「スキャン」目に魔法をかけて情報を収集する。これで第四大陸にしか自生していない植物なんかを発見すればいい。それ以外のものが見つかればまた移動すればいい。
「この草は第三大陸のもので間違いないな」寒いこの大陸で太陽光を効率よく集めるために進化したとされているスノーシャイン。見た目は霜が付いた薄緑色の平たい葉。
「よし、黄金孔雀を探すか」持ち前の盗賊スキルを活かして、痕跡が無いかを確認する。魔法だけに固執しているわけじゃない。自分の職業のスキルも伸ばしている。
「痕跡は,,,」地面に落ちている僅かな毛と足跡の行き先を目で追う。
「草原の方だな」白い草の上に微かながらも足跡が残っている。これを追えば黄金孔雀に会えるだろう。問題は勝てるかどうかなんだが,,,
しばらく痕跡を辿っていると丘が見えた。それを魔法で難なく上ると、湖が広がっていて、孔雀の群れが水浴びをしていた。その中でも一際目立つのが黄金色に輝く羽をもつ一羽の鳥だ。
「あれが黄金孔雀か」文献で何度も姿を見ているが実物がここまで美しいとは。太陽の光を反射させ煌めく大きな羽に筋肉質な体が伺える発達した足。黒い目と金の目のオッドアイはコレクターの興奮を掻き立てるだろう。
「狩らせてもらう」目標を補足して魔方陣を展開していく。その数は一。しかしこれは数百の魔方陣が重なっている超複雑で精密なものだ。少しでも位置がずれたり、魔力の量が多かったり少なかったりすると使用者の俺に凄い負荷がかかる。その分、出力は強大なものになっている。
「ダークネス・エクスプロージョン」魔方陣に蓄えられた魔力が解放され黄金孔雀に向かって撃ちだされる。漆黒と深緑が混じった風の塊が黄金孔雀の頭を確実に捉え、頭を吹き飛ばした。
しかしそれでは生命活動を停止させるのは難しかったのか、黄金孔雀は頭部の修復を始めた。どうやら心臓も同時に止めないといけないようだ。
「クイイィィ!!」攻撃を喰らった黄金孔雀は憤怒の炎を滾らせ俺に咆哮を浴びせながら突進をしてきた。速い、それも圧倒的に。数百メートルは離れていたはずなのにもう目の前にいる。地力を上げていたつもりだったんだが、そうでもなかったみたいだ。
「ぐふっ!!」嘴が心臓に突き刺さり口から血が噴き出る。このままじゃ死ぬ。回復魔法で早く修復しなければ。
「邪魔だ!バースト!」肺に残っている酸素を殆ど使い魔法を発動させ黄金孔雀から距離を取る。
「ヒール」残っていた酸素全てを使い、体を元に戻す。無くなった血液はあとで回収必要があるな。地面に散った血液の量を考えながら次の行動を選択する。
「スネーク・ボルト」蛇のようにうねりながら雷が黄金孔雀に向かう。その数は数十程。威力は高くないが時間を稼ぐには十分だろう。
「クイイィィ!」孔雀は雷を自慢の金の羽で受け流したり、強靭な足で追跡を振り切っている。目標を見失った雷たちは空中で霧散する。そして全てを壊した孔雀は俺に向かって再度、突進を仕掛けてきた。
「いい判断。でも俺の勝ちだ。メテオ・エクスプロージョン」爆発する隕石が空から赤く輝きながら孔雀と俺の間に迫りくる。地面に触れるとそれは地面を抉りながら爆発し、孔雀の体に大きな穴を空けていく。
「これで一体目終了だな」空中からひらひらと舞い降りてくる羽を掴む。死んでも美しさを失わないそれは貴重なものだということを教えてくれる。
「市場に出回らない理由も分かるな」魔法空間にしまい込んで一息つく。空からは雪がしんしんと降り注いでいる。この大陸は季節に関係なく雪が降る。かじかんだ手を温めるようにこすり合わせながら次の目的地にテレポートする。
場所は同じ大陸だが反対方向。灼熱の砂漠が広がる死の大地。生きていられるのは強者のみ。紅蓮蛇はこの過酷な環境で頂点に君臨する最強生物。
「ここは、どこだ?」目の前がクリアになっていく。しかし俺がいたのは目的地である砂漠ではなく、真っ白な空間だった。魔力の流れもあるし、空気も存在している。だが、それ以外何もない。静寂が耳を包み込んでいる。
「お前はウィザードか?」そんな静寂を切り裂くように一人の男が口を開いた。目や口、鼻は俺と同じだが、髪の色が違う。純血である証である赤の髪に金のメッシュではなく、金色の髪の毛。内側には緑の髪の毛が混じっている。
「誰だお前は?」魔力を集めながら距離を取る。近接戦はあまり得意ではない。貴族の生まれで多少剣を扱うことができるが、魔法の方が強い。
「俺は他の軸のお前だ。お前の薄々気が付いているだろ?他の自分がいるということを。ブレイク、そしてブランを失ったあの日、お前は一人の怪物と戦ったはずだ」男は俺しか知らないことを口に出し始めた。
思い出すだけで吐き気がする。二人を犠牲にして追い払うことができた真の怪物。どんな魔法を使っても傷一つ付かなかった強者。
「禁断の魔法を使って終わらせたんだろ?その時にあいつが言った言葉も知ってるぜ?『君が絶望するまで僕は止めない』だったか?まぁ、そんなことはどうでもいい」男は俺の心情を知っているのかいないのか、この嫌な話題からすぐに離れた。
「俺の、あーいや、俺達の目的は侍る上位者を殺すこと。そのために同じ俺に協力して貰っているということだ。俺のことはジャスティスとでも呼んでくれ。周りもそう呼んでいるからな」
「それで何故今更俺のところに来た?」過去に何度も俺とコンタクトを取ろうと思えばコンタクトを取れた。なのにこいつはしなかった。裏に何かがあるに違いない。
「お前が理性が残っていて、かつ協力的だと判断したからだ」
「ということは、俺以外にも接触したということだな?」
「そういうことだ。疑問があれば答える」ジャスティスはそういうと何もない空間に自分の空間を広げ始めた。奴を起点に草原が広がり空から剣が地面に突き刺さり、鳥が彼の周りを飛び始めた。
「他に誰と会ったんだ?」魔力を集め金属の椅子を作り上げて座る。でも警戒を解いたわけじゃない。いつでも闘えるように禁断の魔法を準備している。
「ダスト、ジェノサイド、バッド、リーパー、オリジン辺りだな。オリジン以外は理性が崩壊しかけている。他の軸にも干渉しようとしたが、安定していなかった。現状会えるのがお前だけだった」ジャスティスは剣で地面にそれぞれの特徴を掘って教えてくれた。
「そうか,,,で、なんでこんなところに呼び出した?」こいつは肝心なところを言っていない。転移場所を変更してまで伝える内容ではない。
「処刑人から守るためだ」ジャスティスはそういって懐から一つの兜を取り出して俺の足元まで蹴り飛ばした。鉄の血の匂いが混じり合っていて凄まじく臭い。
「癪に障るようだったら謝罪する。でもこれだけは言っておく。俺は全てを得るために行動する。あとお前のことは皆ウィザードと呼んでいる。気に入ったらそう呼称してくれ」笑いながら彼は時空間に切れ目を入れて消えてしまった。それと同時に俺も目的地である砂漠地帯に飛んでいた。
どこまで本当か分からないが、少しは信じてもいいかもしれない。俺しか知っていない情報を持っていたのだから。今は俺ができることをやろう。その時が来るまでに己の牙を研いでおかなければ。同じ過ちを繰り返さないためにも。




