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トワイライト・ドラゴン 頭のおかしい王子様に心臓を人質にとられながら働かされてます  作者: リィズ・ブランディシュカ
第7章 最後のまとめ

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08 トワイライト村決戦(前編)



 ついに作戦決行の日がやってきた。


 あたしは、トワイライト村の頭上を子供ドラゴンのムースと共にめぐる。


 夜の闇に紛れてできるだけ静かに。


 そうできるのは、タバサから翼をもらったムースだけだ。


 消音装置?


 とかいうのを付けているからできるらしい。


 それにムースは子供だからな。


 軽いからあまり音がしない。


 眼下には悪魔教の者達が大勢いた。


 タバサからもらった暗視スコープで見ると、どれくらいの数なのかバッチリ見えていた。


 十人で一塊になって行動しているが、その集団が五つほど確認できる。


 ざっと五十人ほどだ。予想よりちょっと多い。


 それを見たあたしは、別の場所に向けて特殊な笛でサインを送った。


 その音は、鷹であるチャイにしか聞こえない音だ。


 チャイはどこかへ行って、数分後にまた帰って来た。


 足に括り付けられた紙には、準備完了と書かれていた。


 なら、作戦決行あるのみだ。


 あたしはムースをあやつって、その場から急降下した。


 音が消えているといっても、さすがにドラゴンの気配は消せなかったらしい。


 地面まであと少しと言った所で、気づかれた。


「何だ?」

「何かくるぞ!」

「上だ! 上にドラゴンがいるぞ!」


 異変をさとった者達が頭上を見上げるが遅い。


 先制攻撃はアタシ達がとった。


「やっちまえ!」

「きゅいいいいい!」


 ムースがそこにいた悪魔教の人間達に突進。


 何人かをひいてふっ飛ばしていった。


 それと同時に離れた所から、光が届いた。


 おそらくシェフィだ。

 カイゼルのおっさんといっしょに行動しながら、魔法を使っているのだろう。


 閃光が収まった後、真っ赤な炎が上がっている。


 あたしが相手取っている連中の意識が一瞬だけそちらに向いた。


 炎がすぐに消えてしまうが、敵は苦しげな声をあげて目を覆っている。


 暗闇の中、急に強い光を見た人間は、視界がまんぞくに聞かなくなる。


 それを利用したのだ。


 あたしは暗視モードから切り替えた光除去モードのスコープをつけているから平気だった。


 今のうちに、うろたえる連中の隙をつく。


 ムースから飛び降りて、剣をひらめかせる。


「ーーっ!」


 一人、二人。


 敵が血だまりに倒れていった。


 ムースも自在に飛び回って連中をなぎ倒してく。


 順調だ。


 やっと暗殺者らしい仕事が役に立った。


 こうして長い間体をはって戦うのは、何だか久しぶりな気がする。


 戦闘自体はちょくちょく今まであったっていうのにな。


 一人でだから、余計そう思うのかもしれない。


 竜騎士部隊では、背中を預けられる者達がいたから。


 そんな中、ようやく連中が立ち直り始めた。


 攻撃されている事を察知した者達が動き始める。


「敵だ! 敵が来ているぞ!」


 だが遅い。


「アメリアさんだけではありません。こちらもいますよ!」


 別の方面から奇襲をかけてきたヒューズが合流してきた。

 早いな。


 そっちは人数少なかったのかもしれない。


 次いでやってきたタバサが光線銃で連中をひっかきまわした。


「あたしもいるよー。それそれーっ」


 そして、


「僕もいる事を忘れずに。君たちを根こそぎ倒しに来た悪魔だ」


 クランもだ。


 けど少し削いだといっても敵は五十人近いから、すぐに乱戦になった。





 


 敵味方。入り乱れての戦い。


 その最中、あたしは一人の人間が遠く離脱していくのを見た。


 一人だけ、扱いが違う。


 そいつは明らかに他の人間から守られていた。

 

 重要人物待遇、というやつだ。

 おそらく親玉なのだろう。


「待て!」


 あたしは、見失わないようにしながら、そいつを追いかける。


 たまに他の人間と交ざって、見分けがつかなくなりそうになった。


 けれど夜目や小回りの利くチャイに上空から見はらせているから、かろうじて行方を見失う事はなかった。


 上空を旋回するチャイの誘導にしたがって、奴を追いかけていく。


 たどりついたのは、大きな鉄の板の前。

 何十メートルもの高さがあった。

 これがクランの言ってた、門ってやつか。


 悪魔教は、この門から悪魔を呼び出すために、この村を占拠して、封印石を集めているんだっけか。


「これ以上、悪あがきはやめるんだな。残りの石はあたし達が回収してる!」


 しかし、門の前に立ったそいつはにやりと笑う。


 不安がよぎった。


「ふははは、封印石を回収した? 何のことだ? 偽物をつかまされたとも知らずに!」


 男の背後で、音が立つ。

 扉にいくつかの窪みがあるのが見えたが、そこに四つの意思がはまっていた。


 扉は少しずつ動いて開こうとしていた。


 まさか、とっくのむかしにすりかえられていたのかよ。


(あたし達のやった事は無駄だったっていうのか!?)


 しかし、今ならまだ間に合うかもしれない。


(これ、たぶん本物なんだよな。開くって事は。クランは冗談だとか言ってたけど、だとしたら今の状況めちゃくちゃやばいじゃねーか!なんで、今ここにいるのがあたしだけなんだよ!)


 とにかく、なんとかして扉が開くのを止めないといけない。


 あたしは扉の前へ行こうとした。


 しかし、足元に弓矢がささって立ち止まらざるをえなくなった。


「カイゼル、お前!」


 その弓を言った正体は仲間だった。


 カイゼルが邪魔をしてきたのだ。




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