01 王子という身分
二度目の仕事から帰った後、なれない報告書については部隊の連中総出で教えてもらった。
(タバサもヒューズもシェフィも、新人かまいたい欲を隠しもしねーんだもんな)
おかげで助かったが。
そんなに珍しいんだろうか。
(まあ、心臓抜きとって人質にするくらいだしな。上の人間が)
きっとしばらく新しいメンバーが入っていなかったに違いない。
その後は、お決まりのクランのおしおきタイム?
だった。
(今回(いや、前回もおもったけど)おしおきされるような事してねーだろ)
だけど、クランは人の話をまったく聞かないので、弁明の余地などない。
それは必然だったようだ。
ヒューズが、お相撲さんのきぐるみ?みたいなのを着て、城の中を一周させられていた。
タバサは、うさ耳を頭に着けて餅つきやらされてたな。
意味が分かない。
シェフィは、皆にお肉を焼く係。
もっと意味が分からなくなった。
おっさんはクランの椅子にされていた。
「なんでおっさんだけこんなきつい仕打ちなのよぉ! 今回なにも仕事してないでしょうが!」
涙目になって、体力の限界でぷるぷる震えている中年男性の姿は、哀れみをさそった。
(おっさんだけ、扱い悪くねーか?)
で、あたしはというと。
「君にはこれを着てもらおうかな」
「げっ、それ。本気で言ってんのかよ」
お姫様みたいなドレスを着せられて、専属の画家に肖像画をかかされるという罰だ。
何の拷問だよ。
そんな証拠が残るようなもん、なんであたしにだけ。
できあがった肖像画はクランの私室に飾られる事になった。
出来栄えは悪くなかった。
現実の景色をそのままうつしとったみたいだった。
けど、その対象が暗殺者って。
しかも飾る場所が、暗殺対象の部屋。
真相を知る者として、これをどんな心持ちで眺めればいいんだ。
お仕置の後、部隊の部屋の隅で黄昏てたらおっさんに話しかけれた。
腰を痛めたらしいので、シェフィにシップを貼ってもらった後、じっとしていたようだ。
けど、いつもはあんま話しかけてこないのに、めずらしい。
「この間の任務はどうよ」
出だしは当たり障りのない内容だ。
「別に、どうってこたねーよ。上司が一人でなんでもかんでもやろうとすること意外はな」
思い出して少し憤慨してると、おっさんは予想していた様子で呆れた声を出す。
「あらら、またあの王子様は」
そういうのは、皆の共通意識なんだろうか。
おっさんが、またやったか、みたいな表情になっている。
お手上げ、みたいな感じで手を挙げておっさんが言う。
「王子様は、見た目は飄々としているけど、意外にストレス溜まってるのよ。こりずにつきあってあげてちょうだいね」
「へいへい。っていっても、玩具にされるのはたまったもんじゃねーけどな」
そりゃ、ある程度はつきあうけど、
あんなお姫様扱いされるような事はもう二度とごめんだからな。




