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トワイライト・ドラゴン 頭のおかしい王子様に心臓を人質にとられながら働かされてます  作者: リィズ・ブランディシュカ
第4章 微妙なすれ違い

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05 井戸端会議中



 あれから、喧嘩腰の会話を十分ほど挟んだ。


 暑くて、嫌になりそうだったが、通すべき主義は通したはずだ。


 だから、あたしは今クランの横で流浪の民の拠点を歩いている。


 横にいるクランはやれやれと言った様子だ。


「僕一人でも十分なんだけどね」


 たまにこっちを見ては、そんなセリフをこぼしている。


(まだ言うかこいつは。暗殺者を守ろうとするなんてほんとどうかしてるよ)


 使えない奴は切り捨てるなんて冷淡は発言をしたかと思えばこれだ。


 二重人格なんじゃないかと思った。


 そんな風にしながらもあたしは、クランについていきながら、拠点のあちこちをめぐっていく。


 流浪の民はのんびり気質らしく、走って騒いだり、あせくせ働いているヤツはあんまりみかけない。


 時間を気にしてるやつがいないようだ。


 感覚が独特なのだろう。


 動いているやつはみんな、のんびり歩いてる者達ばっかりだった。


 喋り方もなんか特徴的なんだよな。

 速度はあたし達とおんなじなんだけど。


(間をおく頻度が高いっていうか、一会話ごとにいちいち時間をはさんでるっていうか)


 人生百年くらいあって当然見たいな。

 そんな感想を呟いたら、クランは「流浪の民の寿命はそれくらいあるからね」とか教えてきた。


 過酷は環境に生きているのに、意外と長生きな連中だ。


「竜の末裔だと言われているから、それが関係しているのかもしれないよ。ほら、竜は不滅の象徴。生物の頂点にいるから」

「へぇ。見かけはのんびりしてんのにな」


 クランの豆知識に耳を傾けながら、そこらの人間を観察。


 とてもそうは見えないが、人は見た目にはよらないの典型らしい。


 少し意味が違う、か?


「おや、みかけない……顔だね。旅人さんかい?」


 話ながらうろうろしていたら流浪の民のおばちゃんに話しかけられた。

 井戸端会議をしていたらしいが、何かの拍子で一人だけ離れたらしい。

 遠くに同じ年代のおばちゃん達がいる。


 その話しかけてきたおばちゃんに、クランが人当たりの良い笑みを浮かべながら言葉を返す。


「ええ、そんな所です」


 そして、「ところで」と話題にするのは、今あたしシ達が探している人間についてだ。


「皆さんとてものんびりしていて、楽しそうですが、旅人が来た時に、拒絶感はないんでしょうか。私達のような存在を毛嫌いしている人もいるんじゃないですか?」


 やんわりと、「きんちょうかんねーぞおまえら」と指摘しながら。

 すると、おばちゃんは「そうねぇ」と頬に手をあてて考え込む。


「自分達の文化は自分達だけのものだって考える人達がいるのは事実よ。孤高の存在がカッコいいとか考えてる人達がいるわねぇ」


 上の人間だけが知ってる存在、というわけではないらしい。

 一般女性にもそういった者達は、知られてるみたいだ。


「でも、大丈夫。そういった人達はほんの一握りだから。せっかく遠路はるばる遠くからきたんだから、ゆっくりしていってちょうだいね。離れた所に、旅人さん達が休憩できる天幕が用意してあるから、疲れた時は寄っていってね」

「ありがとうございます」


 一通りの情報を聞き終えた後、おばちゃんは井戸端会議の集まりへと戻っていった。


 息子が最近口を聞いてくれないとか、今日の夕飯はどうしようとか、漏れぎ超えてくる内容は平穏なものそのものだった。


 そんなおばちゃん達の様子をみながら、クランは「なるほどね」と呟く。


「とりあえず、もう少し回ってみようか」

「参考になったのか?」

「ああ、けっこうなったよ」

「ふーん」


 あたしには会話の中身そのままの内容しか、頭に入ってこなかったけどな。

 クランにはそれ以外の何かの収穫があったんだろうか。


 首を傾げていると、休んでいたチャイが飛び出して、頭上でバサバサと羽ばたき始めた。


(あの仕草って、確か仕事で火薬を見つけた時のやつだったよな)


 チャイは他の個体よりもかなり鼻がいいから、遠くからでも薬の匂いとかが分かるのだ。


(どういう事だ。近くに火薬があるのか?)



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