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特殊文書群  作者: 検閲された文書の蒐集家
魔王討伐から2500年後の文書
4/7

異文書 其之三 魔法について

『魔法そのものについて教えよう

 多分君のいるこの世界の「現代」では、魔力は一般に「マナ」とか発音されているはずだ。

 そういう風に流行らせておいた。

 ちなみにもっと学術的に魔法を勉強したいならば「エーテル」という発音も聞くようになるぞ。

 それも俺が流行らせておいた、感謝しろ。

 (何にとか言わないでくれ、聞きなれた発音だけでも嬉しいと思ってのことだ。

  つまり完全自己満足。)



 魔法とはマナを体外に放出し、エーテルに還元される際に生じる現象。


 これがこちらの辞書に載ってる概ねの説明だ。

 まあちんぷんかんぷんだろうし、概要だけ説明する。

 具体的技術は、使えるようになれば勝手に覚えるだろう?



 エーテル、というのはよく分からない何かだ。

 空気みたいなもので、それを俺たちは吸って吐いて、つまり呼吸して生きている。

 具体的に口で吸って、吐いてじゃないからな?

 いわゆる「概念的に」ってやつだ。

 まあ多分そんな実感ないだろうが、一つ目の印を得た時に何となく分かるようになる。

 正確に言えば、一つ目の印を得なければエーテルを吸って吐くことが出来ない、

 という訳ではなく、エーテルを呼吸していることを実感し、

 それが生み出すマナの流れを実感することが出来るようになるのが、一つ目の印って事になる。



 原理的には(おそらくだが)エーテルは体内で何かを消費し、マナが体内で生み出される。

 つまりマナとはただの老廃物なんだな。

 だが、そのマナの流れを印を得ていない人間は実感しない、ただそれだけだ。

 


 話を戻して、魔法とは?となると、そのマナを「どう吐き出すか?」、

 で起きる現象が変化する事を体系化したもの、ということになる。

 野球で投手が投げた球種の違い、で例えると分かりやすいかな?

 球をどこをどう握って投げるかだけで、軌道が随分変わるだろう?

 もっと普遍的で簡単な説明をするならば――例えが思い浮かばないな。

 まあ君が今この本を読んでいる場所に「流れ着いて」いる、

 向こうの世界の球種説明の本だかも添えるようにしておこう。

 視覚的に分かってくれればそれでいい。


 

 魔法の具体的種類に関してはちょっと悩んでいる。

 そもそもそれを必要とするのが二つ以上の印を獲得した人間だからだ。

 ともなれば、実用的な使い方、覚え方は外で存分に教えてもらえる。

 まあ、代表的なモノだけ、記しておこう。


 ・身体の中に一時的にものをつくり出す

  意外に思えるかもしれないがこれが最も基本な魔法技術だ。

  ただし殆ど「感覚的に」使えるようになるので、知る意味はないかもしれない。

  これによって運動で消費される「エネルギー」を生み出す物質を一時的に魔力が肩代わりしたりする。

  継続的にただ運動するだけならば、これが使えるだけで「稼働時間」が全く変わる。


 ・身体を構成するものを一次的に変える

  これも基本的な魔法技術で感覚的に使えるようになる。

  これによって運動に変換されるエネルギーが変わる。

  つまり、体重が重くなったり軽くなったりで、身体が硬くなったりする。

  それどころか筋肉を構成する物質と、消費するエネルギー源が変わる。

  そして変換後の運動エネルギーの大きさも。

  運動エネルギーへの変換の機序に関してはまだ不完全なところがあるんだが、  

  まあ概ねそんなところだ。

  何でこんなことが言えるかと言うと、大きな身体的な力を出した時に、

  劇的に体重が増えるからだ。

  

  読んでておかしいとか感じるならそれは正解。

  俺も完全にはまだ身体の強化の機序は分かっていない。

  その内ちゃんとした説明をしてくれる人が現れると思うよ、多分。

  

  言ってることが分からない? それは知らない、読み飛ばしていい。



 これ以降は概ね二つ持ち以上の話だ。

 技術的な事にしか興味がないならば、この辺は飛ばしていいぞ。


 ・無意識で身体の周囲に(まと)う膜







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