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特殊文書群  作者: 検閲された文書の蒐集家
魔王討伐から2500年後の文書
2/7

異文書 其之一 印について


『この文章に生きて辿り着き、そして読めた君は恐らく幸運の持ち主だと思う。

 だから一言、祝いの言葉を申し述べる、おめでとう。

 私は。君たちからすれば大分大昔にこの世界に来た一般人だ。


 ある私の弟子の権力を借りて、ここにこの世界のルールを記す。

 何故か?

 それはまあ分かりやすく言えばこの世界はゲームや漫画やラノベの中のような世界であり、

 それでいて全くもって現実の延長にある世界だからだ。

 奇妙な表現だがそう言うしかないのは、この世界には概ね都合のよさ(チート)は存在しない。

 しかし、その仕様(・・)はファンタジー(非現実)そのもので、

 もし君がそういった層の知識で行動しようとすれば、即、死を意味するからだ。


 

 この世界には「5段階の印」がある。

 印、と言われてもピンとはこないだろうが、

 分かりやすく言えば魔力とか超能力とか言われる、

 「超常的な力を得る」為の資格・素質と言えばいいか。

 特に最初の1つ、それなしではそもそも君はこの先、

 「人」としてさえ扱ってもらえないだろう。 

 またこの印は素質でもあるので、鍛えることが出来る。

 鍛えれば当然能力は高まるから、1つ目の印でも横着せずに鍛えることをお勧めする。



 さて獲得の仕方だが、

 印はそれぞれの「ダンジョン」に入ることで獲得出来て、最奥まで行けば外で使える。

 当然中で死ねばそれまでだ。

 非常に簡単な「ルール」だろう?


 

 だが君は今恐らく周囲に言葉が分かるものもなく、ただ示されるがままにこの書を読んでるに過ぎない。

 少なくとも「ダンジョン」が君たちがいた「現代」においては、

 生き残ることさえ難しい環境だということを頭にシッカリと叩き込んでおいて欲しい



 一つ目は訓練を受けた者にとってはとても簡単だ。

 命を懸ける必要はあるがね。

 ただし使えるようになる力は、身体の強化、

 共通語、魔力そのものの「感覚」だけ。

 この感覚は自分が触れている「もの」ならば同様に多少は通わせることが出来る。

 つまり「感覚」がものに「延長」されるようになる。

 これによって、魔法のこもった「道具」も使えるようになる。

 火炎の玉を出したりとかいう「魔法らしい魔法」は次以降になる。


 「共通語」これが入ってくるだけで君は孤独から解放されるだろう。

 この世界の「人間社会」「文明」で生きていけるだろう。

 そのありがたみが今の君なら分かると思うんだが。



 二つ目になると途端に難しくなる、未だにここで帰ってこなくなるものも多い。

 「魔法らしい魔法」を使えるのはここからだ。

 魔力の「感覚」が自分の身体の外の「空間」にまで延長できる。

 これによって魔力を変換した物理的現象を引き起こせる、

 つまり魔法が使えるようになる。

 さらに面白い事に身体の代謝構造が変わるらしい。

 食事の回数と「排泄」の回数が目に見えて減る。



 三つ目は人を止めた領域、と言えるかもしれない。

 個人で「兵器」並みの「出力」が出せると言われれば多少は光景が浮かぶかな?

 更に魔力を自分の身体の外に「籠めて留める」ことが出来るようになる。

 まあ、と言っても人によって得意不得意がある、出来ない人は出来ない。

 代謝構造の変化はさらに進み、殆ど食事と排泄は不要になる。

 ただし無限に動けるわけじゃあない。

 休むと何故か「回復する」とうわけだ。

 あ、それだけじゃないぞ、怪我した時の回復速度が目に見えて早くなる。

 骨が目に見えてぽっきりと折れても、ひと月も経たずに全快する。



 四つ目は創作物の領域だ。

 一つ目の印を得た後に、安易にここを目標にするのは止めた方が良い。

 二つ目で死ぬ。

 仮に二つ目を得ても三つ目はそれより死者が多い。

 四つ目ともなると君たちがいた「現代」の人口の中で、

 良い意味で歴史にその後1000年、名を残せるよりも確率が低い、と思って欲しい。

 この段階になれば完全に食事と排泄は不要になる。

 だからと言って食えない訳ではないぞ。

 必要ではなくなるだけで食えば食うだけ吸収する、ただしどこに消えてるのかは知らない。

 太りもしない。

 回復力は最早再生力、復元力とも言えるようになる。

 とは言え消耗するから致命傷と思われるような傷を負えば普通に死ぬ。

 せいぜい一度頭を完全に吹っ飛ばされても「自分」そのままに回復するくらいだ。

 そのままの消耗度合いで「二度目」に頭を吹っ飛ばされれば、

 もう回復も出来ずにただの肉の塊に直行だ。

 強さに関しても多分知りたいだろうから書いておこう。

 この先述べる、「瘴気」はこの四つ目の印を「不正取得したものが起こした」。

 これがどういう意味か、身をもって実感した時にこの印のヤバさが分かると思う。



 五つ目は……

 私の口からは何も言わない。

 言っても意味がない。

 手に入れられないものは存在しないも同然だろう?

 だから言わない。』



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