第4話
「いやー。笑ったわ!麗、あれはないわー。原田が怒りすぎて世にも奇妙な顔になってたじゃねーか。」
智也が背もたれによりかかりながらおれの席の前に座る。武もおれの席のとなりの席に少し体重を預けながらクスクスしている。おのれこいつらはなにをやっても様になってやがる。
「ちょっと教科書出し忘れててテンパった。その後は売り言葉に買い言葉というか・・・。」
「ふふ。おもしろかったね。でも高城くんのこと変に思った人もいるかもね。」
「だよなー。さすがにあれだけでおれの体質は気づかないだろうけど。でも完全に国語オタクだとは思われたよなー。」
「教科書開かなくても言えちゃうんだもん。しかも行数で聞かれて言えるってことは丸暗記してるってことだもんね。」
「活字好きキモオタってとこだな。きめぇ。笑」
むかついたので智也の脛にケリをいれておいた。
サッカーのファウルされた選手並みに過剰に痛がる智也、それにノる武をしり目に窓の外に目をむけようとしたところでこちらに近づく人に気付く。
「高城くんって現国好きなんだね!」
そこには天使・・・もとい愛徳結衣がいた。
「・・・お、おう。」
「おー。愛徳さん。さっきは麗を助けてくれてありがとなー。」
「もう少しで高城くんの耳が使いものにならなくなってたかもしれないからね。ありがとう、愛徳さん。」
「いーえ!ジュースでいいよ!」
「りょーかい!麗に買わせておくわ!」
固まるおれと談笑する三人。
おい、おまえら愛徳はおれに話しかけにきてくれたんだぞ。
「結衣―!いくよー!」
「あー、ごめん紗季。今いくー!それじゃね!三人も早く移動した方がいいよ!」
手をふり、佐中紗季のもとへ小走りしていった。
「かわいいよなー。愛徳さん。」
「そーだね。」
「だな。」
「つーか、麗。なに固まってんだよ。おれらがフォローしなきゃ変な空気になってたぞ。」
「うるせ。そのおかげで愛徳と話せてんだから感謝しろっ。」
「愛徳さん以外とはここまでじゃないよね。やっぱり好きな人だから緊張しちゃうのかな?」
気付けば教室にはおれたち三人しかいない中、武と智也にいじられながら理科室へと向かうのであった。
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