第2話
「高城くんは本当によく入るよねー。パスの出しがいがあるよ。」
「武のパスが絶妙だからだよ。ノーマークなら外すわけにいかないって。」
「いや麗の確立はやばいって!普通プロでも2本に1本は外すんだぜ?それをノーマークとはいえ、あんなに決めるなんてすげーよ。」
学校からの帰り道、アイス片手に3人で今日の練習を振り返る。
「おれは体の動かし方を記憶しているからな。ノーマークならまぁ基本外さないよ。」
「絶対記憶能力って体の動かし方も記憶できるもんなんだ?」
「いや、ネットで調べてもあまりそういう例はないけどな。なんかできるんだよなー。」
「まぁそうはいっても麗が必死こいて練習して体に理想的なフォームを記憶させた結果だからな。すげーよ、やっぱ。」
たしかに智也が言うように体に記憶させるのは文字等を記憶するよりとても大変だった。
一度記憶させたら上書きするのが大変なのだ。何万本もシュート練習をした結果、今のフォームにたどり着いた。
また、中学と高校ではボールの重さが違うので、中学で部活を引退してからは高校のボールでシュート練習をしていた。
「つーか、白石先輩はやっぱバケモンだよなー。身長ならおれが勝ってんだけどなー。あのドリブルセンスにあのスピードじゃ止めらんねぇよなー。」
「先輩はU―18にも選ばれてる人だからね。得点をとるということに関しては天性のものをもっているよね。」
「今日の1年対2・3年の試合は白石先輩一人にやられたようなもんだからな。」
白石先輩とは本名は白石昇という1年先輩のフォワード。
黒髪のショートウルフで180cmの身長に寡黙だが、練習中もちょくちょくこう動いたら良いとアドバイスをくれる優しい先輩だ。
18歳以下の日本代表選手にも選ばれているすごい人で、そんな人だからファンクラブなんてものもあるらしい。なんでも他校の子も多く在籍しているとかいないとか。
「途中から麗にフェイスガードついてから厳しくなったよなー。おれも白石先輩にマークされてから全然動けなくなっちまったし。」
「ラスト2分は武しか得点できなかったしな。おれたちもまだまだってことだ。」
「そうだね。あ、僕こっちだから!じゃあまた明日ね。」
「おー、気を付けてなー。」
「また明日。」
「そーいや麗、聞いたか?あの愛徳結衣が白石先輩と付き合っているって噂。」
「耳には入ってくるけど、まぁお似合いカップルだろ。」
「それを言われたらその通りなんだけどなー、くそー!バスケもできてあんな美少女と付き合えるなんてー!!リア充爆発しろ。」
「なんだそれ。バスケがあれだけできてイケメンだから美少女とも付き合えるんだろ。というか智也だってよく告白されてるじゃん。」
智也は金髪ピアスで一見近寄りがたいが、ルックスは整っているし、その明るい性格から今ではよく呼び出されている。うらやまけしからん。
「うーん、なんかピンとこないっていうかー。告白してきてくれるのってギャルっぽい子が多いんだよなー。おれの好みじゃない!」
「うるさい贅沢者。豆腐の角に頭ぶつけてしね。」
「ひどくね!?てかその表現古くね!?」
モテるやつはみんな敵だ。ちなみに武も敵。白石先輩はさながら魔王のようなクラスの敵。
バスケ用語解説
ノーマーク・・・ディフェンスが自分にいない時
フェイスガード・・・オフェンスにボールを持たせないようにがっちりディフェンスをすることを言う。
大体、3Pシュートがよく入ったり、得点源の人間がやられたりする
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