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海賊島の娘  作者: たつたろう
フレイの見る夢
3/14

決別した日

 フレイが連れ去られてから、2年の月日が流れた。


 フレイは、子どもを産んでいた。


 フレイフレイと名付けられた子どもが乳離れし、フレイは海賊の一員として、海賊船に乗っていた。


 フレイが逃げ出すとは、誰も思っていなかった。

 人質として、海賊島には、フレイフレイが残っていたからである。



 フレイは、奪った。

 人も、殺した。


 フレイは、強かった。



 さらに数年の時が流れ、何度目の襲撃か、数えきれないほどになった時。


 その船には、マルティスが乗り込んでいた。


 マルティスは、その後も冒険者を続けながら、特に船団護衛の依頼を選んで受け続け、フレイ奪還を目指していた。


 そして、ついに今、巡り会えたということだった。



 海賊の頭は、マルティスとの一騎打ちを、再び受けた。


 今度は、勝てば船ごともらう。

 負ければ、フレイを含め、手下はそれぞれの判断に任せる、ということになった。



 結果は、マルティスの勝利に終わった。

 激しい剣の応酬の果て、マルティスは片目を失い、頭はその命を失った。


 手を差し伸べ、帰ろうと誘うマルティスに対し、フレイはその手を取ることはなかった。


 娘がいたし、人も殺した。

 もう、冒険者フレイに戻ることなど、できるわけがなかった。


 フレイは、手を取る代わりに、剣を突きつけ、宣言をする。


「あたしは、海賊フレイ。これからも殺し、奪い続ける」



 その日の襲撃は、これで幕引きだった。



 海賊たちは頭を失い、新たな頭、フレイを得た。


 一方、マルティスは。



 片目を失い、冒険者フレイを永遠に失い。

 頭を討ち取り、海賊を撃退した功績をもって、Bランクへの昇格と、『海賊殺し』の異名を得た。

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