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海賊島の娘  作者: たつたろう
フレイの見る夢
2/14

奪われた日

 冒険者となり、依頼をこなして経験を積んでいき、Ⅾランクとなったフレイたちは、初めての船団護衛任務を受けることにした。


 船旅は、日数はかかるものの、大して危険もなく、昇格祝い代わりに先輩パーティーに誘われ、連れて行ってもらえることになったのだった。


 先輩パーティーたちにくっついていくだけの、人数合わせの簡単な依頼。

 その筈だったのだ。



 出港して3日間は、何事もなく過ぎた。


 そして4日目。

 引き返すには遠すぎ、目的地にもさらに遠い、その日。

 襲撃は起きた。


 勝敗は、あっという間に決まった。

 どこにも逃げ場はない。

 戦力差がはっきりと判明した時点で、実にあっさりと、船団は降伏した。


 海賊たちも、本腰を入れて討伐隊を組まれたくはないので、わけもなく虐殺をしたり、船を沈めたりはしない。

 無闇に抵抗をせず、降伏をした場合、積み荷を奪われるだけで済む可能性は、極めて高い。

 妥当な判断であった。


 フレイたちのパーティーも、粛々と従った。

 フレイが、海賊の頭の目に留まり、連れ去られることになるまでは。


 商人たちも、先輩パーティーの誰も、そしてフレイ自身も、逆らうことはなかった。


 ただ一人、フレイの恋人、マルティスは、黙っていることはできなかった。



 雄叫びをあげ、マルティスは、頭に殴りかかった。

 武器は取り上げられていた。


 軽々とかわした海賊の頭は、左手を掲げて、手下の報復を制した。


 そして、約束をする。

 海賊の頭と、マルティスとの、一対一。


 マルティスが勝てば、フレイは返される。

 海賊の頭が勝てば、フレイは連れていかれる。


 要するに、ノーペナルティだった。


 マルティスは、武器を返された。

 誰からも文句のつけようがない、一騎打ちであった。


 結果は、敗北。

 そうして、フレイは連れ去られ、海賊島で過ごすこととなった。


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