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2話 目を開ける時

私は勇者の幼なじみだ。勇者は子供の頃から本当にかっこいい女の子だった。私が森でウルフに襲われた時も、君が前に立って「大丈夫」と声をかけてくれたから、助けてくれたから。君がいなかったら私は死んでいた。君のおかげで私は今ここにいるんだ。君がいなくなったなら、私はもう…


横からウルフが来るのがわかる。対処はできるけどもうこの世に思い残すものは無い。死の覚悟をし、目を瞑った。


目を開けると横にはウルフの首と体が別れて落ちていて、そこにはあの男の子が立っていた。

「もう一度言う。僕も連れてって」

「なんで助けたの」

「答えないってことは連れて行ってくれるってことでいいのかな?」

分からない。この子は誰なのか、なぜ私を助けてくれたのか、何も持っていないのにどうやってウルフを真っ二つにしたのか、なぜ連れて行って欲しいのか、なぜ私が行こうと迷っていたところで行くんでしょと言ったのか。

「質問なら答えるよ。もちろん連れてってくれるならだけど」男の子は冷静に答える。

「君は何」

「連れてってくれるってことでいいのね。さっきも言ったけど僕はツキカゲ チハヤ12歳の人間だよ」そういうことじゃないのだけれど。それにしても珍しい名前だ。って、そんなことはどうでもいい。

「ハァァァァ…他にも聞きたいことはあるけどめんどくさいからもういい。よろしくチハヤ?でいいのかな、わからないけどとりあえず家の人は?私に着いてくるなら家の人の許可を貰ってからにして。一応言っておくけど、普通に下手したら死ぬからね」

死ぬかもしれない旅に子供を送る親は普通いないだろう。こうすればこの子、チハヤが着いてくることは無い。

勇者リーシャ。君の見た景色、私も見てみたい。

それが済んだら君の所へ行く。そしたらまた昔みたいに色んなことを話そう。

土産話を沢山作る。死ぬ時は死ねばいい。抗う意味は無い。

待ってて。


「着いたよ。ここが僕の家」

そこには村にしては小さいが村があった。

「森をぬけた所にある村。『バーリン』聞いた事はあるでしょ。とりあえず家行こうか」

チハヤに連れられて村を歩く。

なにか雑草のようなものを沢山育てている。

「チハヤ、あれって何?」

「米。」聞いたことの無い名前が出てくる。

「まあ家で少し出すよ食べ物だから」

見たことも聞いたことも無い食べ物。この村で作ったのだろうか。


「ただいまー」「「おかえりー」」家は至って普通の家だ。部屋の真ん中にある机に親らしき2人が座っている。

「あら、お客さん?」

「うん。これからこの人…ごめん名前聞いていい?」

そーいえば言ってなかった。

「アスリア・イナ・インス。呼び方はなんでもいいよ」

「わかった。ありがと、えーっと、イナさんでいいかな。それで父さん、母さん、俺イナさんと旅行ってくる。多分長い旅になるから次会うのは何年後かわからない。だけど必ず帰ってくる。その時はまた母さんのうまい飯食いながら話そうぜ。面白い話いっぱい持ってくるからさ!」

お父さんは目を閉じ、下を向き少しの間静止する。そして、上を向き、「お前の決めたことなら俺は止めない!だから、だがらぁーぢゃんどがえっでぎでぐれよぉぉぉおおー」泣いた。まさか許可が降りるとは。

「ほい、おにぎり。沢山作ったから2人で食べな。今日はアスリアさんも泊まっていきな。体しっかり休めて行きなさい。」話の流れが早すぎて着いていくので精一杯だ。

「あ、ありがとうございます」そしてご飯を食べ、お風呂に入りゆっくりと休んだ。



この出会いがお互いを変えて行くこと、2人はまだ知らない。


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