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Cafe Shelly

Cafe Shelly これもまた、運命

作者: 日向ひなた

 これもまた運命か。

 私は何か起きたときには、そう思うようにしている。そして今まさに、そのことが目の前で起きた。

「午後九時二十六分、死亡を確認いたしました」

 医者は冷酷にその事実を私に告げた。亡くなったのは私の妻。二十三年間連れ添った仲だが、乳がんを発症し、闘病のかいなく今旅立っていった。

「これもまた、運命か」

 そう受け止めるしかない。こんな風になるような相手と結婚をすることが、最初から決まっていたに違いない。

 気がつけば、私の人生はそんなことばかりだった。最初に努めた会社は、私の意志と関係なく七年目でつぶれてしまった。だが、そのおかげで今の会社に巡り合うことができた。これもまた、運命。

 妻と出会ったのは大学生時代。同じ学部で一緒に学び、仲良くなり、会社員一年目で結婚することになった。その大本のきっかけは、私の成績ではこの大学くらいしか行けなかったことにある。これもまた、運命。

 子供は二人授かった。長女は何ら問題なく、すくすくと育った。が、長男は小さい頃から病気がち。おかげで病院通いが当たり前となり、私の休日はほとんどそれに費やされた。自分の趣味の時間などない。これもまた、運命。

「さて、これからどうするかな」

 妻の葬儀も滞りなく終わり、ちょっと呆然としている。ほんのちょっと前までは、妻の介護と看護で奔走していた毎日だったから。会社と病院を往復していた生活だったものが、何もやることがなくなってしまう。

 強いて言えば、まだ次男の病院通いが残っている。とはいえ、ポッカリと穴が空いてしまったことは確かだ。

「山鹿さん、大変でしたね」

 会社に行くと、みんなが私を慰めてくれる。だが、不思議と悲しみという感情は湧いてこない。むしろ空白になった心をどう埋めるかが今の自分の課題である。

「山鹿くん、ちょっと」

 部長から呼ばれる。なんだろう。

「今まで大変だったね。君は仕事はとてもできる人間だし、それなりに人望もある。それを見込んで、一つお願いしたいことがあるのだが」

「お願い、とは?」

「今、落ち込んでいる支社があるのは知っているだろう。あそこは四星商事のお膝元であるがゆえに、我が社にとってはなかなか敷居が高い地域でもある。そこで山鹿くん、君にあそこをまかせたいのだが」

「ということは、転勤、ということですか?」

「そのとおりだ。奥さんのことがあったから今まで待っていたのだが。どうかな?」

 どうかな、と言われても会社がそう決めたことなのだから。これもまた運命として受け入れるしかない。

「はい、わかりました」

 私はその場で即答。そのあと考えた。長女は中学生で、今のうちに転校しておけば高校受験は問題ないだろう。長男の病院も、あの地域なら紹介状をもらえばそこそこ大きな病院でお世話になることができるだろう。二人共転校はしたくないだろうが、そこは言い聞かせればなんとかなるかな。

 家に帰り早速そのことを二人に伝える。

「えーっ、転校なんてやだー」

 言い出したのは長女。思えば生まれてからずっとこの土地で過ごしてきたのだから、ここを離れたくない気持ちはわかる。

「ボクはいいよ。そこ、サッカーが盛んでしょ。サッカーさえさせてくれればどこでもいいよ」

 長男は病気は持っているが、運動をやってはいけないわけではない。むしろ体力をつけるために推奨されている。ただし、度を越した運動は注意されているが。そのため、小さい頃からサッカーをさせて、目立たないながらも頑張ってきた。

 けれど、今所属しているチームはとても強いとはいえず、長男はそこが不満の一つであった。だから、新しいチームに期待を持っているようだ。

 結局、妻の四十九日の法要が終わったら転勤するということにおちついた。長女はいまだに不満のようだが、「これも運命だから受け入れなさい」となんとか説得をした。

「今日からこちらでみなさんと一緒に仕事をすることになりました、山鹿といいます。よろしくお願いします」

 所長として赴任して初日、私はそう言ってみんなに挨拶をした。みんな、といってもここはわずか五名ほどしかいない職場である。事務の四十代の女性が一人、他の四人は全員営業マン。年齢も私より年上が一人、あとは四十代、三十代、二十代と均等な年齢配置となっている。その中でも二十代の田畑くんは入社二年目で、やたらと熱いものを感じる。これは期待できる。

 逆に私よりも年齢が上の飯島さんはのっそりと動くタイプ。だが、落ち着いて行動をする人とも言える。この二人の対比がおもしろい。

「さてと、この営業所のどこが悪いのか、それを見極めなければ」

 市場としては悪くないはずなのだが、どうして売上が伸びないのか。それをリサーチするのも私の仕事だ。早速事務の佐原さんに資料を出してもらうようにお願いをする。

「えーっ、そんなに資料いるんですかー。はーい、わかりましたー」

 このとき、この営業所の業績が悪い理由がなんとなく見えてきた。佐原さん、それなりの年齢にも関わらずビジネスマナーがなっていない。さらに観察をすると、仕事に対しての取り組み姿勢もよくない。やたらとスマホをいじっているし、頼んだ書類の準備も遅い。

 その雰囲気に引っ張られて、営業のメンバーもどことなく動きが鈍いように感じる。この程度でいいや、という気持ちが感じられるのだ。

 この営業所を立て直すのか。これはちょっと大変だな。でも、これもまた運命。自分に課せられた仕事であるならば、それを全うするまでだ。

 私は早速、営業所内でのさまざまな改革に取り組み始めた。まずは朝礼のやり方から。

「来週から朝礼のやり方を変えます。この一週間、今までのやり方を見てきましたが、これでは伝達事項もうまく伝わりません。また、朝礼というのは一日の仕事の始まりであり、気持ちにスイッチを入れるものでもあります」

 そう言って私は、本社でやっていた朝礼にアレンジを加えた案を皆に伝えた。だが、事務の佐原さんから早速こんな言葉が飛び出した。

「えー、めんどくさいですよー。そんなことやっても、大して意味ないんじゃないんですかー」

 早速の抵抗勢力発生。しかも、何の権限も持っていない事務の佐原さんの雰囲気に、大の男たちがそうだと言わんばかりの顔つきをしている。これはかなり手強いという感じを受けた。

「これは本社からの通達であり、全社で取り組んでいることです。みなさんにもそれに従ってもらいます」

 メンバーは苦い顔をする。仕方ない、というあきらめの表情だ。けれど、意識改革のためにはそれもやむを得ない。

「これも運命だと思って受け入れてください。以上、よろしくお願いします」

 かつて赴任した所長でもなかなかうまくいかなかった理由が見えてきた。あの佐原さんが一番の問題点だ。だからといってクビにする訳にはいかない。さて、これからどうするべきか…。

 赴任した最初の週末、長男と一緒に地元のサッカーチームを訪れた。長男は目を輝かせてみんなのプレイを見入っている。

「ということで、激しい練習はできないんですよ。その点をご考慮いただけますか?」

 監督に長男の身体のことを伝えたところ、ちょっと険しい表情を浮かべた。

「うちのチームはこの地区でも上位を狙えるところでしてねぇ。練習はよそよりもちょっとハードなんですよ。それに耐えられますかね?」

 そうなのか。となるとこのチームに入るのは諦めないといけないかな。これも運命だと受け入れるしかない。そう思ったのだが、長男はこんなことを言い出した。

「ボク、このチームでやりたい。身体の方は大丈夫だよ。前よりも調子がいいし、今は毎日トレーニングもやっているからなんとかなるよ」

「でも、お医者さんからは無理をしてはいけないと言われているだろう。お前に何かあってからでは遅いんだよ」

「じゃぁ、お医者さんがやっていいって言ったら、ここでやってもいい?」

「う、うん。まぁ、お医者さんがそう言えば…」

 まだこの地区の病院には行っていない。どうしても平日に休みを取らなければいけなくなるから。まだ赴任して一週間なので、休みを取ることはできない。さて、どうする。

「あの…息子さんのことですけど」

 突然、横から男性が声をかけてきた。

「ひょっとしたら、山鹿さんではないですか?」

「えっ、どうして私の名前を?」

「あ、私は橋本記念病院に勤務しています、佐伯といいます。息子がこのチームにいるもので。で、山鹿さん、確か私のところで診るように紹介状をもらっているのではないですか?」

 これはなんという運命のめぐり合わせだろう。

 それから佐伯先生と話をさせてもらい、私の仕事の事情を話して特別に明日、時間外に診てもらうことになった。これはありがたいことだ。

 さらに話をすると、家もご近所とのこと。そして長女と同じ年齢のお姉さんもいるという。もちろん校区も同じだ。私はさらに運命を感じずにはいられなかった。

「よかったな、これで友達もできそうだし」

「うん」

 長男は満面の笑みを浮かべて返事をする。この調子で仕事の方もうまくいくといいのだが。問題は事務の佐原さんか。彼女をどうにかしなければ。

 明けて月曜日。私は早速朝礼の改革から取り組み始めた。男性四人は、慣れないながらも社訓の唱和とおじぎの練習にそれなりの態度で取り組んでくれた。だが、佐原さんはイヤイヤながらの態度が丸見え。唱和も言っているかどうかわからないような声だし、おじぎもいい加減である。

 おかげで朝から職場の空気がどんよりとしている。本来ならば元気な朝礼で元気な雰囲気をつくるつもりだったのだが。これでは逆効果だ。

 あとから佐原さんを個別に呼び出して叱りつけても、それこそ逆効果だろう。なんとかして佐原さんの意識を変えてもらわないと。そんな感じで一日が終わった。

「ふぅ、どうしたらいいものか…」

 この日の夕方、橋本記念病院の佐伯先生のもとを訪れたときに、ふとそんな言葉をもらしてしまった。

「山鹿さん、どうかされたのですか?」

 長男の状態を診ながら、佐伯先生が私の言葉に反応をした。

「あ、えぇ、まぁ会社の方でちょっと困ったことがありましてね」

「それは大変ですね。よしっと、これで大丈夫。山鹿さん、息子さんは私が診たところ、それほど心配はないと思います。とはいえ万が一のこともあるので、身体に異変を感じたら無理をしないこと。それを守っていただければ、あのチームでもサッカーはできますよ。それに万が一のことがあったら私がいますから」

「それは心強い。ありがとうございます」

 私の言葉は流されてしまったようだな。そう思って帰ろうと思ったときである。

「山鹿さん、今お悩みがあるみたいですね。察するに、こちらにいらしてから話せる人というのがまだいないのではないですか?」

「あ、えぇ、まぁ。妻も亡くして、信頼して会話ができる相手がいないのは確かです。まぁ、転勤前もそうではありましたが」

「山鹿さんはなんでも一人で抱えるタイプだと感じました。そんな山鹿さんに一つご提案があります」

「提案?」

「はい、今度の土曜日に私とデートしませんか?」

 デートって、男同士じゃないか。ひょっとしてこの先生、そっちの趣味があるのか?

「ははは、デートって言うとびっくりしますよね。ちょっとお連れしたいところがあるんです。今の山鹿さんにはピッタリのところだと思いますよ」

「は、はぁ」

「土曜日はサッカーがありますが、うちの妻が見てくれますから。息子さんの方も面倒見ますよ。いかがですか?」

「まぁ、そこまで言うのなら…」

 佐伯先生、一体どこに連れて行こうというのだろうか。そんなモヤモヤを抱えつつ、長男の診察は終わった。

 この一週間は、事務の佐原さんの態度に悩まされながらも、新しい朝礼を取り入れつつなんとかやり過ごした。だが、営業所内の雰囲気は以前よりも悪くなっているのは間違いない。これをなんとかしなければ。

 そうして迎えた土曜日。長男を佐伯さんの奥さんに任せて、私は佐伯先生と一緒に出かけることになった。連れて行かれたのは街中。まだこの街に慣れていないこともあり、見るものが新鮮に感じられる。

「ここの通りにあるお店にお連れしようと思いまして」

 とある路地に入ると、私はその光景に目を奪われた。

 パステル色のタイルで道がまばゆく見える。賑やかというほどではないが、閑散としているわけでもない。ちょうどいい感じの人通り。なんか絵になる光景だ。

「こちらです」

 通りの中ほどまで歩くと、佐伯さんはビルの二階を指差した。

「ぜひ、ここのコーヒーを飲んでいただきたいと思いまして」

「コーヒー、ですか?」

「はい。飲んでみればわかりますよ」

 そう言って佐伯さんは階段をトントンと軽やかに上がっていく。私もそれに続いて階段を上る。

カラン・コロン・カラン

 心地よいカウベルの音。それと同時に聞こえてくる「いらっしゃいませ」の声。お店に一歩入ると、コーヒーと甘いクッキーの香りに包まれる。そこはまるで異空間のようであった。

「お二人様ですね。こちらへどうぞ」

 通されたのは窓際の半円型のテーブル席。私達の隣にもカップルと思われる男女が座っている。見渡すとそんなに広くない店内。けれど、窮屈さは感じない。

「シェリー・ブレンドを二つ、お願いします」

 佐伯さんは慣れた感じで注文を女性店員に告げる。私はまだ店内をぐるりと見渡している。

「なんかいい感じのお店ですね」

「でもそれだけじゃないですよ。期待して待っててください」

 今から何が起こるのだろう?期待をしながら待つことにした。

「そういえば、会社の方は今どのような感じですか?」

 佐伯先生、私の悩みを覚えてくれていたんだ。

「えぇ、いまひとつうまくいかなくて。会社の雰囲気を良くするために、朝礼を変えようとしているんです。本社でも推奨されている、元気が出る朝礼というのをやろうとしていたのですが。事務の女性がそれに反発して、逆に雰囲気が悪くなっているんですよ」

「なるほど、それは困りましたね。その元気が出る朝礼って、どんな感じでやるんですか?」

 私は朝礼のやり方を一通り佐伯先生に話した。

「へぇ、それはおもしろいですね。確かに、うまく導入すれば朝から元気が出そうな感じがします。その事務の女性の方はどうしてそれに対して反発しているのでしょうか?」

「うぅん、もともとめんどくさがりなタイプだと思うんですよ。今まで特に大した朝礼もせずに過ごしていたほうが、本人は快適に感じていたのではないでしょうか」

「確かに、今までのものを変えるというのは不安を感じて拒否しがちになるものです」

 今までのものが変わることに不安を感じる、か。これは長女が転勤を嫌がったのも、同じことが言える。

「人は変化を嫌う、ですね。お待たせしました、シェリーブレンドです。飲んだら味の感想を聞かせてくださいね」

 女性店員がそう言いながらコーヒーを運んできた。私たちの会話が聞こえていたようだ。

「人は変化を嫌うって、どういうことですか?」

 私は思わず質問をしてしまった。

「人って、今の状況が良くても悪くても、今を変えることを嫌うんです。コンフォートゾーンっていうのがあって、自分が身をおくのに心地よい幅があるんです。その幅を超えたところにいると、居心地が悪くなって元に戻ろうとするんです」

「あ、それわかります。ときどきウチの妻に連れられて高級ブランドのお店に行くんですよ。買い物をするわけじゃなく、ただ見に行きたいからって連れられるんですけど。なんか居心地悪いんですよね。勤務医なんてそんなにお給料高くないんですよ」

 佐伯先生が笑いながらそう言う。なるほど、今を変えると居心地が悪くなる、か。けれど、変えなければいけないときはどうすればいいんだろう。

 そう思いながら、私は何気に運ばれてきたコーヒーを口にした。そのとき、口の中で何かが爆発したような感じを受けた。なんなんだ、これは?

「お味はいかがでしたか?」

「あ、いやぁ、なんだか不思議な味です。口に入れた瞬間、何かが爆発したような感じを受けました。なんなんですか、これ?」

 私は素直に自分が感じたことを言葉にしてみた。

「山鹿さん、そんな味がしたんですか?私は最初、ちょっと薄いかなって感じがしたんですが、後から猛烈にコーヒーの香りと味が強く感じました」

「なるほど、お二人ともそれを今の自分に当てはめると、どう受けとめますか?」

 今の自分に当てはめると?私が悩んでいると、佐伯先生が先に話し始めた。

「私の場合、もっと仕事の時間を減らして、家族や子どもたちと一緒の時間を増やしたいんです。それが今の味の表現にぴったりだって感じました。薄いっていうのは仕事を減らすこと、濃くなるってことは家族の時間のこと、そう感じたんです」

「なるほど、それが今の望みなんですね」

「はい」

「ではそちらの方は?」

 私に話を振られる。が、何も思いつかない。爆発とは何なのだろう?

「山鹿さん、これ、私の直感なんですけど。爆発って今の状況を大きく変えたいっていう意味じゃないですか?」

「まぁ、そういう願望はありますけど。でも、これも運命って受け入れないといけないということもありますし…」

「運命、ですか。それって人生を諦めているってことにならないですか?」

 佐伯先生、真剣な顔で私にそう言う。私はなにも人生を諦めているわけではない。けれど、運命として変えることができないものは仕方ないではないか。妻が死んでしまったのも運命、転勤を命じられたのも運命、朝礼を変えようとしないスタッフがいることも運命。何が変えられるというのだ。

「あの、差し出がましいと思うのですが。そちらの方、えっと山鹿さんでしたっけ。よかったらもう一度、シェリーブレンドを口にしてみませんか?」

「えっ、どうしてですか?」

「このシェリーブレンドは、飲んだ人が望んでいる味がするんです。さきほどの爆発というのも、山鹿さんが望んだことを現しています。今一度、自分が望んでいるものを確認してみてはいかがですか?」

 自分が望んでいる味がするだと。そんな馬鹿なと思いつつ、とりあえず言われたとおりにしてみることにした。

 コーヒーに口をつける。なんだ、ただのコーヒーじゃないか。だが、その味がすぐに変化し始めた。さっきは感じなかった甘みがする。まさかと思い、もう一口飲むと、今度は苦味と酸味が強く感じられる。これはどういうことだ?

「山鹿さん、今度はどんな味がしました?」

 佐伯先生、とても興味深そうな顔で私に聞いてくる。

「あ、いや、飲むたびに味が違う…どういうことだ?」

「違うってことは、変えられるってことを意味しているんじゃないですか?山鹿さん、運命だから変えられないと今まであきらめていたことでも、本当は変えたいと思っていたのではないですか?」

 確かに、私の心の奥底にある願望はそうだったかもしれない。妻にはもっと生きてほしかった。できれば転勤もしたくはなかった。今の事務所の雰囲気も、もっと明るく元気なものに変えていきたい。それが本音であることは間違いない。私はその本音を押し殺して生きてきたのか。

「運命って、変えることはできるんですよ。変えることができないのは宿命です」

 女性店員の言葉に、私は反応した。

「運命と宿命って、なにが違うんですか?」

「宿命って、男に生まれたとか、山鹿家に生まれたとか、こういうことを言うんです。こういうところは変えられないでしょ」

「ま、まぁそうですね。けれど、まれに男に生まれたけれど女に性転換する人もいるじゃないですか」

「そう、それが運命なんです。運命は自分で切り開くことができるんです」

 突然、このお店のマスターが会話に入ってきた。いつの間にかカウンターから出てきていたのだ。

「運命は自分で切り開くことができるって、どういうことですか?」

 私の質問に、マスターはニコリと笑ってこう答えてくれた。

「先ほどの性転換の話。身体が男性というのは生まれ持った宿命です。けれど、心が女性というのも宿命になります。だったらどうするのか?身体を女性にするという選択を自ら選び、行動を起こす。自分で進む道を切り開く。これができるのが運命なんです」

「じゃぁ、私の妻が死んでしまったこと。これも運命として避けることができたということなのですか?私は、最初からこうなることが決まっていた相手と結婚をしたと思うようにしているんです。それをいまさら、避けることができたと言えるのですか?」

 ちょっとムキになって反論をした。そう思わなければ、妻を亡くした私の心がもたないからだ。

「奥様を亡くされたのは残念なことだと思います。ひょっとしたら奥様、こんな言葉を言っていなかったでしょうか。もしあのとき、こうしていればこんなふうにならなくて済んだのに、と」

 そう言われると、そんな言葉を発していた。それは覚えている。

 もっと早くがん検診を受けていれば。もっと早く違和感を感じたときに病院に行っていれば。

「もし、奥様が早くそのような行動を起こしていれば、運命は変わっていたのではないでしょうか。逆を言えば、そうしなかったからそうなる運命を選択してしまったともいえます」

「では、私もなんらかの行動を起こせば、今までとは違った運命をたどっていたかもしれない。そういうことなのですか?」

「はい。私は実は昔、高校の教師をやっておりました。その頃からコーヒーが趣味で、いつかは自分のお店を持ちたい、そう願っておりました」

 マスターが自分の話を始めた。

「そんなとき、マイが…あ、こちら、うちの家内です」

 えぇっ、この若くてきれいな店員さんが、私とさほど変わらない年齢のマスターの奥さんだって?この言葉に驚いてしまった。

「マイが、思い切ってやりたいことをやってみれば、と言ってくれて。それでこの運命を切り開いたのです。そうして私は喫茶店を開くことができました」

「私、思うんです。運命って自分で切り開くものだって。だから悩んでいるマスターにも後悔してほしくなくて、私はそう伝えたんです」

 マイさんはニコリと笑ってそう言った。

「すいませーん」

 別のお客さんが呼ぶ声がする。

「はーい。では、私たちは一度失礼致します」

 そう言ってマスターとマイさんはそれぞれの持場に戻っていった。そんな中、私は運命について再度考えてみた。

 運命とは自分で切り開くことができるもの。後悔はしたくない。この言葉が頭のなかでグルグルと回っている。

 私は今まで、運命とは避けられないものだと思って生きてきた。そうでないとすると、これからどんな決断をすればよいのだろうか。

「山鹿さん、実は私もこの店に来るまでは、運命とは避けられないものだと思っていました。実は私の父は医者で、私も医者になるのが運命だと子どもの頃から思っていたんです」

「佐伯先生もそう思っていたのですか?」

「はい。大学生になるまでは、医学部に行くのが当然だと思って、何も考えずに進学しました。けれど、勤務医になってちょっと疑問が湧いてきたんです」

「どのような疑問なのですか?」

「私は地元に帰って、父の跡を継ぐ。本当にそれでいいのか、と。それって父が決めたレールに乗っているだけじゃないか。自分の意志はどこにあるんだって。そんなとき、おせっかいな患者さんからこのお店を紹介されたんです」

「そのとき、シェリーブレンドはどんな味だったのですか?」

「いやぁ、びっくりしましたよ。あの時の味は、一言で言うと『自由』でしたね。開放感に満たされた、自分の意志で歩んでいくというそんな印象です。これって味じゃないですね。けれど、そんなイメージが湧いてきたんです」

 そう言われると、私も『爆発』というのは味というよりもイメージだった気がする。

「それで、どうなったのですか?」

「はい、初めて父に逆らいました。私はもっと勤務医として、せっかく知り合った地域の人達に貢献したい。もっと子どもたちと接していたい。たくさんの人と接して、自分の医者としての技術を高めていきたい。そう伝えたんです。地元に帰ってしまうと、今以上のつきあいがなくなってしまいそうでしたから。まだ父も現役なので、地元に帰るのは子どもがもっと大きくなってからでもいいかなと思いましてね」

「その道を選んだのが、佐伯先生の運命。自分で今の道を選んだのですね」

「はい。勤務医は大変ですが、むしろ清々しい気持ちで人生を楽しんでいますよ」

「そうなると、私はどんな選択をすればいいのだろうか…」

「思い切ってやってみたいことをやればいいんですよ」

 思い切ってやってみたいことをやってみる。これが新しい運命を自分で切り開くことになるのか。

「わかりました。思い切って会社でやってみます。まずは新しい朝礼をしっかりと根付かせるために、叱るところは叱らないと」

「叱るだけでは反感をかうだけなので、まずはほめることをやったほうがいいですよ。その後に『さらにこの点を改善すればもっと良くなる』という言い方をすると、相手も聞き入れやすくなります。あ、これはマスターの受け売りですけどね」

 佐伯先生は笑ってそうアドバイスをしてくれた。なるほど、そんなふうに言えば確かに受け入れやすくなるな。

「それと、曖昧な態度は避けてくださいね。自分の信念を貫くときには、自分にも厳しく。これを忘れないでください」

「はい、ありがとうございます。で、それもマスターの受け売りですか?」

「ははは、バレちゃいましたか」

 それにしても、このお店のマスターやマイさんってすごいな。人の人生にまで影響するコーヒーを出して、さらにアドバイスまでしてくれるのだから。私もここの常連になってみよう。

「おっと、そろそろサッカーに戻りましょう。子どもたちの頑張っている姿も見ておきたいですしね」

 佐伯先生とサッカーに戻ると、紅白試合の最中であった。驚いたことに、そこに長男が出ているではないか。しかもドリブルで相手を抜いてゴール前までボールを運んでいる。

「いけぇぇっ!」

 私は思わず叫んでしまった。このままゴールをねらえ。そう思ったのだが、長男はなんとゴールではなく逆サイドにいる味方へパスを送った。そこには敵もおらず、しかもゴールキーパーは長男を警戒していたため逆を突いて見事にゴールが決まった。

「すごい、すごいじゃないですか。山鹿さん、息子さんすごいですよ!」

 私より佐伯先生のほうが興奮している。周りからも賞賛されている。私は長男の技術には驚いた。いつの間にこんなにサッカーが上達していたのだろう。

 試合が終わり、監督やコーチも長男の活躍をたたえてくれている姿を目にすることができた。

「いやぁ、息子さんのドリブルの技術はすごいですな。これはうちのチームでも主力選手として活躍してもらわないといけませんよ」

 なんと、監督からそんな言葉をもらうことができた。これはお世辞ではない。目が興奮しているのがわかる。

 まさか、あんなに身体が弱い長男がこんなになっているなんて。本当に驚きである。

「お前、いつの間にこんなにサッカーがうまくなっていたんだ?」

 練習後、私は早速長男に聞いてみた。前のサッカーチームではレギュラーもとれずにパッとしない選手だと思っていたのに。

「ボクね、いつも一人で練習していたんだ。前のチームでは病気だから無理させられないって言われて、試合も出してもらえなかったから。それがくやしくて、ずっと一人でドリブルの練習をしてたんだ」

 この言葉に、私はハッとさせられた。まさに自分の信念を貫き、運命を自らの手で切り開いているではないか。

 私は長男の身体が弱いのは運命だと思ってあきらめていた。そのことを長男にも言い聞かせるように伝えていた。諦めたらそれで終わり。そういう人生をつくったのは、まさに自分自身である。私は間違ったことを長男にさせようとしていたのだ。

 家に帰ると、さらに驚いたことが起きていた。

「おかえりなさい」

 なんと、長女が夕飯を作って待ってくれていたではないか。今までこんなことしたことがなかったのに。

「おい、これ、どうしたんだ?」

「えへへ、ちょっとね」

 なんだかにやけている長女。何があったのだ?

「あ、おねぇちゃん、ひょっとしたらうまくいったんだ」

「おい、お父さんにも教えてくれよ。お父さんだけ知らないというのは、ちょっと寂しいじゃないか」

「あのね、お姉ちゃん、彼氏ができたんだよ。それでね、これは彼氏に食べさせるための練習なんだって」

「もう、勝手にしゃべらないでよっ!」

 長女はそう言いつつも、顔はにやけたまま。なるほど、そういうことだったのか。

 ここで思った。長女は転校したくないと突っぱねていたが、こっちに引っ越してから自分の人生を自分で切り開いたんだな。仲良くできる友達、そして彼氏をつくることで、自分の生活を楽しめるように努力をしているんだ。

「よし、彼氏ができたお祝いに、そしてサッカーでも活躍できたお祝いに、今夜はパーッといくぞっ!」

「パーッとって、おねえちゃんの手料理だけじゃなんかさびしいなぁ」

「わかった、お父さんこれからケーキ買ってくるから」

「お父さんのセンスじゃ不安だなぁ。どうせならみんなで買いに行かない?」

 長女の提案で、近くのケーキ屋にみんなで行くことになった。こうやってみんなで出かけるなんて、妻が死んでから初めてのことじゃないかな。なんだかうれしいじゃないか。そうか、これも運命、いや、これが運命ってことなんだな。

 ケーキ屋に着くと、予想外の人物がそこにいた。なんと、事務の佐原さんがショーケースの向こう側にいるではないか。

「佐原さん、えっ、どうしてここに?」

「所長こそ、えっ、ひょっとしてこちらはお子さんですか?」

「あぁ。まぁちょっといいことがあったのでお祝いにみんなでケーキでも食べようかと思って。でも、どうして佐原さんがそこにいるんだ?アルバイトでもしているのか?」

「いやぁ、実はここ、私の夫の実家なんです。なので休日になると時々お店を手伝いに来ているんです。でも、今ひとつ売れなくて…」

 どうやら不況の波がこのお店にも訪れてきているようだ。ここで私は一つの妙案を思いついた。

「佐原さん、こちらの店主さんがお義父さんになるのかな?」

「はい、そうです」

「ちょっと呼んできてもらってもいいかな。お店がうまくいくためのアイデアがあるのだが」

「は、はぁ…」

 今ひとつ気乗りのしない態度で奥に行く佐原さん。その間に食べたいケーキを選ぶ。すると、今ひとつ顔色の冴えない店主が現れた。

「はじめまして。こちらの佐原さん上司の山鹿と申します」

「あ、どうも。何かご提案があるということですが。どのようなことでしょうか?」

「実はですね…」

 私はあえて佐原さんに聞こえないように、店主に話をした。何の話かというと、カフェ・シェリーのことだ。ぜひ一度行ってみて欲しい、ということ。もちろん、私自身の体験談も交えてのことだ。

「そんな不思議なことってあるんですか?」

「はい。そのおかげで我が家は今日、ケーキを買いにくるほどになったのですから。騙されたと思って一度行ってみてください。きっと大きな気付きがありますよ」

 このとき、店主の顔がちょっとだけ明るくなったことに気づいた。よし、これは手応えがありそうだ。

「じゃぁ、このお店が繁盛する前祝いで、私はこのケーキをいただきます」

 ちょっとだけ奮発して、私は一番高いケーキを選んだ。いつもならケチケチしてしまい、一番安いものを選ぶところだが。こうやって気持ちがかわったのも運命。そう、これもまた、自分自身で切り開く運命なのだ。

「ありがとうございました」

 店主はにこやかな顔つきに変わって、私たちを見送ってくれた。佐原さんはあいかわらずぶすっとして愛想がない感じではあったが。

 こんなことがあり月曜日に出社するやいなや、佐原さんが私に猛ダッシュ。

「所長、お義父さんに何を話したんですか?」

 佐原さん、ちょっと興奮しているな。どうやら店主さん、早速カフェシェリーに足を運んで何かに気づいたようだ。

「佐原さん、お義父さんに何か変化があったのですか?」

「あったもなにも、私にとっては大迷惑ですよ。昨日ふらりと出かけたかと思ったら、帰ってくるなり『今までのやり方ではダメだ、まずは接客をしっかりとやっていくぞ』なんて言い出したんですから」

「いいことじゃないですか」

「冗談じゃありませんよ。店番をやっている私の身にもなってください。せっかくお気楽に座っていればアルバイト代がもらえたのに。お義父さんのケーキは味はいいって評判だから、それでやってくるお客さんばかりだったのに」

「だったら、なおさら接客サービスがうまくいけば、お店は繁盛するじゃないか」

「でも、それだと私はどうなるんですか?」

「佐原さん、あなたはお義父さんのお店が繁盛するのが嫌なのですか?」

「嫌って、そんなことはないですけど。でも、私の居場所がなくなってしまう…」

 なるほど、これでわかった。佐原さんは自分の心地よい居場所がなくなるのを嫌っていたんだ。それでこの営業所も、私が面倒なことをやりはじめたのに対して、猛反発をしてきたのか。

「佐原さん、お義父さんにはお義父さんの心地よい居場所があるんですよ。それを自分から求めていこうとすることに対して、佐原さんが反対することはできないと思いませんか?」

 私は少し険し目の表情でそう伝えた。

「でも、それだと私の居場所は…」

「佐原さんは自らの手で自分の居場所をつくるべきです。この営業所も同じです。ここは佐原さんが勝手をやって良い場所ではありません。もちろん、私が勝手をして良い場所でもない。みんなで心地よい場所を作っていくことが大切だと私は思っています」

「だったら、私にとって朝礼は心地よくないのでやめてほしいんです」

「佐原さんにとっては、ですよね。他の営業メンバーはどう思っているのでしょうね?では、今朝の朝礼でこのことをみなさんに聞いてみましょう」

「えっ、そ、それは…」

 私はわかっている。朝礼については佐原さん一人が反対をしていることを。他のメンバーは口には出さないけれど、特に反対をしているわけではない。

 朝礼ではいつものように理念を唱和し、あいさつの実習。そのあと連絡事項に入る。このときに朝礼についての意見を求めた。すると、最初に手を上げたのは、一番若手の田畑くんであった。

「ボクはこの朝礼、もっと元気を出してやるべきだと思うんですよ。なんかみなさん中途半端だから、せっかくの朝礼が活かされていないと思います」

 田畑くんの言葉の次に反応したのは、これまた意外な人。私より年上の飯島さんである。

「私は最初は面倒だなと思ったのですが、やってみると意外にも気持ちがいいものだと感じています。私も田畑くんと同じく、もっと元気を出してやったほうがいいと思います」

 この二人に同調して、残りの二人も首を縦に振っている。どうやら同じ意見のようだ。

「みなさんの意見は同じのようですね。では明日の朝礼から、もっと元気を出してやっていきましょう」

 ここで佐原さんの方を見る。さすがにこの状況では、自分の意見を押し通そうとはしないようだ。半ば無理やりかも知れないが、佐原さんもこの雰囲気に慣れてくれば、きっと良さを感じてくれることだろう。

 これもまた運命。今までは周りの状況や意見に流されてきた自分だったが、自分の意志をきちんと周りに伝え、協力してもらうことで自分の思ったような運命にすることもできるのだ。そうなんだ、運命は自分で切り開くものなのだ。

 そう思うと、今日一日が楽しくなりそうだ。

 この日からなんとなく事務所の雰囲気が変わった感じがする。今までは事務所の主のように座っていた佐原さん。彼女の機嫌や感情で事務所の様子が変化していたのだが、今日は佐原さんの機嫌が少し悪いにも関わらず、事務所内は非常に明るい雰囲気に包まれている。

 特に、一番若手の田畑くんが率先してムードを作っている。おそらく、今朝自分から発言したことで自信が持てたようだ。これも自らが創り出した運命といえる。

 こうして一週間ほど、元気な朝礼をやってみたところ、なんと佐原さん自信に変化が現れたようだ。最初は嫌々ながらやっていたところもあるが、ある日思い切って大きな声を出してあいさつ実習をやってくれた。すると、佐原さんの中でスイッチが入ったようだ。なんと、久しぶりに笑顔が見られたのだ。

 おかげでこの日の事務所の雰囲気は、今まで私が見た中で最高の感じを受けた。佐原さんも自分で自分の運命を切り開くことができたのだ。

 そして土曜日。私は長男のサッカーの練習に足を運び、そこでも長男の活躍を目にすることができ上機嫌。せっかくなのであのケーキ屋に寄って、またケーキでも買って帰るとするか。すると、意外な光景を目にした。

「いらっしゃいませ」

 元気な声を出しているのは、なんと佐原さんではないか。こころなしか、お店の雰囲気が明るくなった感じがする。しかも、ショーケースに並んでいる残りのケーキの数があとわずか。先週の夕方に来たときには、もっとたくさん残っていたのに。

「あ、所長。オススメのケーキがあるんですよ。残りわずかですから、いかがですか?」

 積極的に話しかけてくる佐原さん。どうやらあいさつをきちんとしてお客さんとコミュニケーションをとることの喜びを見出したようだ。

「あ、いらっしゃいませ。いやぁ、あなたのおかげでお店がよみがえりました。ありがとうございます」

 佐原さんのお義父さんである店主が、私の姿を見てお礼にやってきた。聞けば、嫁である佐原さんが突然態度を変えたとか。おかげで今日はケーキがたくさん売れたということだ。

 これもまた運命。そう、運命は自分の手で切り開くもの。子どもたちも、営業所も、このお店も、そして佐原さんもそれができ始めたのだ。もちろん、私自身もその一人。

 よし、今夜も私たちのこれからの運命に対して、ケーキでお祝いだ。だが、残念なことにお財布の中身の運命までは確認していなかったなぁ。


<これもまた、運命 完>

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