孤独
虐めの標的が花代に変わった事に大きな喜びを感じる密子だが、其の花代は自身への虐めを辞める条件として密子を殺害する事を命じられていたのだ・・・
密子に代わり虐めの標的となった花代は「犯罪者の娘!」として自分の顔と実名が公開されるのを恐れ逃げる事が出来ず、だからと言って自らの命を絶つ事も出来ず只・・・
「もう・・・辞めて・・・」
等と泣きながら言う事しか出来なかった・・・が、そんな有る日、真紀は
「島山・・・さん・・・そんなに虐めを辞めて欲しいのなら1つ・・・条件が有るわ・・・」
と有る話を持ち掛け其れに対し花代が
「其の・・・条件って・・・?」
と問うと真紀は
「暗・・・密子を殺しなさい・・・!」
と言い放ち其れには花代だけでなく真由美でさえ他の級友らと共に驚き
「じょ・・・冗談でしょ・・・?幾ら何でも、そんな事・・・出来る訳無いじゃない・・・!」
と問う花代に対し真紀は真顔で
「あたしが、そんな事・・・冗談で言うと思う・・・?そうでもしなければ、あいつは必ず・・・貴方に復讐して来るわ・・・」
等と言って花代を追い詰めた後、教室を後にし、そんな真紀の後を追った真由美は
「森高さん・・・!一体、どう言うつもりなの・・・?幾ら何でも、そんな事、出来る訳無いじゃない・・・!」
と言い放つが其れに対し真紀は只、ニヤリと笑うだけだった。
そんな有る日の放課後、花代が何時も通り1人で他の級友らに代わって(押し付けられた)当番の掃除をしている時、教室に入ってきた密子が手伝い始め其の事を不思議に思った花代が
「暗・・・さん・・・一体・・・どう言うつもり・・・?」
と問うと密子は
「1人より2人の方が少しでも早く出来るでしょ・・・」
と答え暫くしてから花代はバッグの中から布に包まれた有る物を取り出し戸の近くに立ち窓側で作業をしてる密子に対し
「暗・・・さん・・・」
と声を掛け密子が花代を見ると其の手には・・・何と包丁が握られてて其れを見た密子が驚き
「し・・・島山さん・・・一体、何の真似・・・?」
と問うと其れに対し花代は
「あん・・・たの目的は分かってんのよ〜!そうやって親切な振りをして・・・油断させ・・・復讐の機会を狙ってたんでしょう!」
と叫び其れに対し密子は震えながら
「ち・・・違う・・・あたしは・・・」
と返すが花代は聞く耳を持たず
「あん・・・たを殺すしか・・・あたしが助かる道は無いのよ〜!」
と叫びながら包丁を手に密子に近付き逃げ回る密子は腰を抜かし大股を広げて座り込んだまま動けなくなり、お漏らし迄してしまい花代は、そんな密子を包丁で傷付け深い痛手を負わせるが其の時、真由美や真紀ら級友と共に末野迄が姿を現し同時に花代は包丁を落とし泣き崩れ其れに対し密子は
「見たでしょ・・・こいつ・・・今、逆恨みで、あたしを殺そうとしたのよ〜!」
と叫び其れに対し花代は
「違うの〜こいつが・・・暗が・・・私を刺そうとしたの〜だから奴から包丁を奪って〜!」
と叫ぶが其れに対し真紀は
「何、言ってんの・・・島山さん・・・あんたが逆恨みで暗さんを殺そうとしてたのは皆んな知ってんのよ・・・」
と冷たい表情で呟き其れを聞いた花代は震えながら
「暗を殺せって・・・命じたのは・・・あんたじゃないの森高〜!」
と叫ぶが其れを対し真紀は
「よく、そんな下手な嘘がつけるわね・・・」
と呟くだけで数日後、花代は殺人未遂と言う事で鑑別所(の後、少年院)に送られる事になり追い詰められた事で奇行ばかり繰り返す様になった母=珠枝は突然、姿を消し父=市介も自ら命を断つ等、島山一家は崩壊したとも言える状態となり其の事を知った密子は病室のベッドで痛みを堪えながらもニヤニヤと笑うのだった。
そして一命を取り留めた密子は暫くしてから未だ完治したと言う訳では無いが何とか学校に行ける様になった。
・・・が、そんな密子は、いなくなった花代に代わって再び虐めの標的になり其れに対し此れ迄と同様
「やりなさいよ・・・殺すつもりで・・・」
等と言いながら自分を虐める相手に近づくが真紀が花代に密子の殺害を命じた事で其れが虐めから逃れる為の芝居だと見抜かれた事で
「なら・・・そうしてやるよ・・・!」
等と言われながら殺意が篭った様な此れ迄以上の暴行を加えられたりし生徒だけでなく教師の中にもそんな密子を助けてくれる者は誰もいなかった。
其れだけでなく暗一家は犯罪の被害者で有りながら加害者の家族を追い詰めたと言う事にされ周囲から罵声を浴びせられたり嫌がらせを受ける日々を送る事になり、そんな絶望的な日々を送る密子は
「あたし・・・達の様な弱者は・・・ど・・・どんなに善意で・・・接しても・・・頑張っても・・・ダメなモノは・・・ダメなのよ〜!」
と泣き叫ぶのだった。
<完結>
・・・と、此処で本当に此の物語が終わっていれば良いが密子にとって此の此の悲劇ですら単なる序章でしかない、そんな彼女の今後の悲劇の物語は又、別の時に・・・。
虐めの標的の役を押し付けた花代が殺人未遂犯となって鑑別所に送られ其の家庭を崩壊させると言う状況に迄、追い詰めたと言う事で喝采するが、此れにより更に過酷な仕打ちを受ける様になった暗密子の此の悲劇は単なる序章でしかなかった・・・