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クリスマス・イヴに『死因』の盛り合わせは如何ですか?  作者: リュノキオの小説工房
第1章~最近は刺殺日和ですね~
8/8

7話~神様の存在と異世界と

説明回ですε=ε=(ノ≧∇≦)ノ

 思えば全てはここから始まったのかも知れない。



 『キミは異世界を信じるかい?』


 「どういう事だ?今は俺の生き返りの話をしてるんだろ。」


 「そう。その事に関係あるんだ。今からキミにある神様の話をしよう。この話を聞けばきっとキミもそれを理解できるよ。それと、質問は受け付けないよ。全て終わってから聞いてくれ。」


 「分かった、話してくれ。」


 そう言うと彼女は一度頷いてから話し始めた。

 

 「この世界は神様が作ったんだ。よく言うだろ、宗教とかでさ。まぁ、実際に起こったことは神話とは大部違うんだけど、今回は関係ないよ。」


 「まぁ、そんな事で『昔の世界』には神様がいたんだ。」


 神様が『いた』?さっき彼女は自分を『カミサマ』だと言っていたじゃないか。


 「神様は何もなかったところからこの世界を作り上げた。やがて、緑が生まれ、動物が生まれ、そして人間が生まれた。何もかも上手く行っていたんだよ。神様は一人だったから、神様同士の戦いも起こらなかった。」


 「でも……、あるときそれに問題が起きたんだ。」


 「いったい何が?」


 「寿命だよ。神様だって永遠に生きられるわけじゃない。人間の寿命よりはもっとずっと長いけどそれでも寿命はあったんだ。」


 「世界の創造から30億年後、その時が訪れた。でも、神様は自分が作った世界は自分が居なくなれば壊れてしまうことが分かっていたんだよ。」


 「でも、神様はこの世界が好きだった。いや、愛していた。だからこそ、自分のせいで壊れてしまうことが許せなかった。だから彼は自分の中で決めていたルールを破る事にしたんだ。」


 『新しい神様を作らないというルールをね。』  


 「でも、さしもの神様でも新しい神様を作ることは出来なかった。だから作られたのが私たちカミサマだったんだよ。私たちには新しく世界を作れるほどの力は無いけど、この世界を維持するための力と、いくつかの能力だけが残った。」


 「それ以来カミサマは1500年ごとに代替わりしてるんだ。私で362代目だね。カミサマには二つの『存在意義』とも言うべき物がある。一つが『秩序の維持』二つ目が『生命の保護』。」


 「別に人間同士の戦争や自然災害を止められるわけじゃ無いけど、日々一つ一つの命を救うことが、そして神様の決めたルールを維持していくことが、カミサマたちの使命だったんだ。」


 「カミサマはずっと一人ずつだったんだけど、何故か私たちの代だけは2人に分かれたんだ。そしてその』『存在意義』も二つに分かれた。」


 「私が『生命の保護』。そして、クロエが『秩序の維持』。二人に分かれたとしてもやらなければならないことは変わらないし、出来ることも変わらない。」


 「大丈夫な筈だった。最初は大丈夫だった。だけど、ここでもう一つのイレギュラーがあったんだ。」


 「それって?」


 「キミの異世界召喚さ。この世には幾つもの世界があるんだ。だからこことは違って剣と魔法やドラゴンそんな世界だってある。なぜキミが選ばれたかは分からないけど、そんな世界の一つにキミは召喚された。私は『生命の保護』の名の下に、キミが異世界に行っても生きられるよう、出来るだけの支援をして送りだそうとした。」


 「だけど、それをクロエが認めてくれなかったんだ。この世界の生命を他の世界に移すのは『ルール』に反すると。彼女はキミのことを殺してでも止めると言ったんだよ。以前までは二つの『存在意義』がうまく合わさっていたけど、今の彼女には

 『生命を移さないためにその生命の光を消すと言うことの不合理さ』が分からないんだ。彼女から見たら私もおかしいんだろうね。」


 「しかし、キミを殺すことは私の『存在意義』に反する。」


 「分かるかい?」


 『二つの存在意義のために取らなければならない行動が、相反してしまったんだ。』


 「今の状況が分かったかな?私はキミを守るために『時戻しの力』を使っている。あんまり使いたく無かったんだけど……、状況があれだしね。そして、クロエは全力でキミを殺しにかかっている。神様は直接生命に危害を加える事が出来ないからこんな手段しか取れていないけど。」


 そこまで話して彼女はほっといきを吐いた。


 「ここで質問を受けよう。時間は幾らでもあるんだ。何でも聞くがいいさ。」


 質問しろって言われたって何から聞けばいいのか……。取り敢えず当たり障りの無いところから、


 「『時戻し』?生き返ってるんじゃないのか?」


 「うん。流石に私でもその場からコンティニューなんて真似は出来ないよ。」


 「そうか。それならあいつらも生き返ってるのか!?」


 「そうだよ。時が戻ってるんだからね。」


 よしっ、と思わず心で叫んでから涙を拭い質問を……、

 (あれ?後は何を聞けばいいんだ?俺を守ってくれる理由も聞いたし、後は…、そうか!)


 「この後俺はどうなっていくんだ?もう少し詳しく教えてくれ。」


 「うん。この後の話にも繫がるからね。まずキミに伝えたいのが、『時戻し』にはタイムリミットがあると言うこと。」


 「回数が決まっているってことか?」


 「いや、キミの精神がどんどんすり減ってっていってるのが分かる。きっといつか駄目になっちゃうよ。」


 「それなら大丈夫だ。やり遂げてみせる。」


 「でもキミは気付いていないんだろ、キミがだんだん歪んでいっていることに。」


 「何を言っているんだ?」


 「だから、死を身近に感じていないかって言っているんだ!死ぬ事に慣れすぎてしまったらもうおしまいなんだよ!」


 言われてはっとした。


 (うまく行かなかったら自殺するとか、俺何考えてるんだよ。既におかしくなってしまっているのか?)


 「ごめん、軽く考えてた。」


 「そこを理解していてくれればいいんだ。それで、もしキミがうまく全てから逃げ切ったとして、その後キミは異世界に召喚される。こればっかりは私にもクロエにもどうしようもない。もしかしたら行った先でも厳しい環境に身を置くことになるかも知れない。もし、辛いならここで諦めても………。」


 「それって、俺だけなのか?葵たちはどうなる?」


 「近くに居たら巻き込まれるかも知れないけど、キミが故意にそうしないなら、一緒に行くことはないだろう。」


 「そうか、それならあいつらを巻き込むわけには行かないな。」


 あいつらにそんな事させるわけにはいかない!


 (それに、こんなとこで死にたくないっていう気持ちもある。)


 「俺、生き残りたい。生きて、そして異世界に行くよ。」

 

 「そうか、その決意は変わらないんだね。」


 「おう!」


 「分かった。それなら私も全力でサポートするよ。直接ヒントを与えることはできないけど。」


 「いや、助かるよ。これからもよろしく頼む。」


 「任せて。取り敢えずは死の連鎖は夜の9時には終わる。それまで頑張って耐えてね。そうすればクロエは私が何とかするから。」


 「分かった。それじゃあ行ってくるよ。」


 そう言って俺は歩き出した。


 「あれ?出口どこだっけ?」


 一人(?)に笑われながら。


 


 



 


 

明日から6日ほど修学旅行で休みます。

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