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クリスマス・イヴに『死因』の盛り合わせは如何ですか?  作者: リュノキオの小説工房
第1章~最近は刺殺日和ですね~
6/8

5話~破滅への第1歩

 遅くなってすいません。ではでは、最後まで読んでいただけると作者は幸せです♬

 思わず立ち止まった。おかしい、こんな筈はないと鼓動が速くなる。


 「嘘っ、嘘だ!?」

 

 時計を見て、2度も3度も確かめる。だが、


 『何度見直しても、時計の短針は3時を指して動かない』


 辺りを見渡して人影を探す。しかし、幸い俺たち以外に人はいないようだ。

 

 「おい良樹、どうしたんだよ?」


 「あ、あぁ。思っていたより時間が過ぎていたから、ついな…。」


 「まぁ、何もなかったなら良かったです~。」


 「じゃあ、ほらそんな所で突っ立ってないで早く行きましょ。」


 「いや、悪い。今日は4時から用事があるんだ。ここで別れさせて貰うよ。」


 (急いで帰らないと……『あいつらが来る』、こいつらを巻き込むわけには行かないんだ。)


 「そっか、それならしょうが無いわね。また今度遊びに行きましょう。」


 「おう!」


 そう答えて、俺は走り出す。そして、後ろを振り返って手を振ろうとすると……


 『綾野の胸からナイフが生えていた』


 「はっ!?」


 あり得ない、こんな事があって良い筈がない。


 そう自分に言い聞かせてもう一度辺りを見回す。


 (そうだ、さっきまであんな元気だったじゃないか。きっと今も、手を振ってくれているはず。)



 そうして、見えた景色は悲惨なものだった。


 綾野はナイフで貫かれ、相良は首を切られて倒れている。


 「そうだっ、葵は!!」


 少し離れたところに葵はいた。しかし、無事とは言い難い状況だが……。気付いて逃げたのだろう、今ももがいている。


 「助けてっ、良樹君!!」


 「待ってろ今行くからっ!」


 (まだ、葵は生きてる。速く、もっと速く、もっとっ!!よしっ、間に合っ…)


 そう思った瞬間に、ナイフが振り下ろされた。


 「あっ!?」


 倒れていく葵、その姿がスローモーションのように俺の目に映り、そしてその体を地面に横たえた。


 そして、その場にたたずむ黒フードの男、『襲撃者』。


 (何故だ何故だ何故だナゼ、オカシイッ、オカシイッ。)


 「お前はっ、俺を襲うんじゃっ、無かったのかよっ!!おかしいだろこんなの……」


 また『襲撃者』は微かに震えていた。


 (こんなに殺しといて今更震えるなんて、じゃあなんでこんな事したんだよ!!)


 それは自分が一番よく分かっている事だった。

俺がここにいたせいだ。


 そして男は、その黒いフードを取り顔を晒した。


 『その口元に小さな笑みを添えて』


 その瞬間、全てが繋がった気がした。


 (そうか、あいつは人を殺すのが怖くて震えていたんでは無かったんだ。)


 「うぉぉぉらっ!!」


 襲撃者のナイフを奪い取り首に刺す。抵抗されて失敗すると思っていた、やけくその作戦だったが、何故かすんなり成功した。


 襲撃者を見ると、まだ笑い続けている。そうあいつは


 『人を殺すことを楽しんでいたんだ』


 怖がって震えていたのではなく、殺す悦びに震えていたんだ。


 いつものように隠し設定を見つけた!と、喜ぶことは出来なかった。


 『そんな事のために、あいつらは殺されたのか』


 そんな俺の思いをよそに、襲撃者は倒れる。


 これで攻略4も成功か…。


 そう思った途端頭に激痛がはしった。


 『こんなっ、こんな物が攻略だと?八城 良樹、お前の目的は何だ?どんな未来を望んでいるんだ?』


 『こんな、あいつらがいない未来で生き延びてお前は満足なのか?』


 『違うっ、俺が望むのはそんな未来じゃない!』


 『そうだ、俺の望む未来にはあいつらがいた。あいつらと、楽しい学校生活を送りたい。』


 『ならば、未来を変えなければならない。そうだろ?』


 『あぁ、だがどうしろって言うんだ。もう、あいつらはいないし、攻略も成功してしまったんだぞ。』


 『お前の覚悟はその程度のものだったのか?』


 『違う、何とか出来るなら何とかしたい。でも、それが出来ないから…』


 『じゃあ、リセットすればいいんだ。』


 『そうか、その手があったのか!』


 何度も死を経験し、今回仲間を失った俺には、その悪魔の提案はとても魅力的だった。


 それが、どんなに恐ろしい事なのか?それをしたら自分がどうなってしまうのか?まるで考えていなかった。


 『死』を『身近』に感じてしまっていた俺は、その手を迷い無く掴み取った。


 「そうだ、リセットしよう。」


 だってこれは


 『オレノノゾンダセカイデハナイノダカラ』


 その瞬間俺はナイフを自分に突き刺し、その日俺は、初めての自死を経験した……。










 






『彼は決意の道(破滅への道)、を迷い無く突き進んでいく。彼の去年(未来)には果たして何が待つのだろうか?』


 

 

 


 


 最後のは自分の心との対話って感じですね。読みにくかったら申し訳ないです。


 若干誰かに、思考を誘導されている感じがしないでもないですが、それはまた後の話で。

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