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クリスマス・イヴに『死因』の盛り合わせは如何ですか?  作者: リュノキオの小説工房
第1章~最近は刺殺日和ですね~
5/8

4話~時間を忘れて……

 「すまん、待たせたな。」


 10分も遅れてしまった。集合20分前にバス停に着いたのはいいが、時間帯の問題でバスが出ていなかった。


 (そこから走ってきたんだけどさぁ、今日ぐらいは襲撃者も手加減してくれて良くないか?)


 『死因』から逃げる知恵はあるくせに、何処か抜けている彼であった。これでここまで生き残れたのだから、人間の生命力は侮れないものである。


 「いや、それはいいんだけどよ、良樹お前もう既に疲れてないか?大丈夫か?」


 超心配そうな声で相良が聞いてくる。


 「あぁ、あのバス停から走って来た。いや、結構疲れたよ。まぁ、それほどでもねぇし、大丈夫だ。」


 (本当は1時間の鬼ごっこを経た後……なんだが。)


 「じゃあ、入ろっか?」


 「誰かさんのせいで、遅くなっちまったしな。」

 

 「うるせぇ!(笑)」




 動物園に入ると、冬休みと言うこともあり混み合っていた。この寒さのせいか動物達も肩を寄せ合っている。


 「何処から行こうか?」


 そう言えば、何処に行くのかまだ決まってないんだった。


 「ウサギさんを見に行きましょう!!」


 わくわく、そんな言葉が似合う瞳で綾野が訴えてくる。


 「兎は頂上のふれあい広場にいるから、取り敢えず登りましょうか。その途中で他のも見ましょう。」


 流石の手際で地図を渡してくれた葵が言う。


 「あぁ、俺はそれでいい。」


 どこ回ってもな楽しいだろうし、こう言うのは女子に任せるのが最善だ。


 「俺もそれでいいぜ!途中のハムちゃんハウスにも寄ってくれよな!」


 あれ?あいつはたしか、でかい物が……


 「相良、キリンとか象とか、でかいのはいいのか?」


 「おう!最近は小動物がマイブームなんだ!」


 ルート分岐によって、こいつの趣味も替わるらしい。


 (すごい発見だ。すごくどうでもいいが。)


 「じゃあ、行きましょうか。左と右、どっちから行こうか悩んだけどやっぱ左よね。そっちにハムスターもいるし。」


 「そうですね、行きましょ~!」


 おいて行かれてしまった。いまだ、小動物を思い浮かべて幸せな妄想に浸っている相良を引っ張っていく。


 (前は、男の手を引っ張って歩くなんてゴメンだったが……。今はこういうのも悪くはないと思える。)


 ヤバイ、何か俺、おかしくなってきているのかも知れない。変な所で自分の変化に気づく彼であった。







 

 

 

 「見てください、虎がいますよ。やっぱ、かっこいいですね~。」


 綾野が楽しそうにしていると、こちらまでほんわかしてくる。


 (葵もにやけを抑えれてないし。かくいう俺も楽しくて楽しくて仕方が無い。)


 「タイガーじゃねぇか!」


 後から来た相良がキラキラした瞳で見つめている。


 「やっぱかっこいよな、タイガー。」


 「相良、タイガーと虎は同じ動物だよな?」


 (同じ常識を共有出来ているのか、不安になってくる。)


 「もちろんそうだぜ!タイガーと虎が同じ種類の動物だって事ぐらい知ってるぜ!」


 (言い方に若干の違和感を覚えないでも無いが、ひとまず安心した。)


 しかし、そんな安心は一瞬で覆されることになる。


 「虎はタイガーの子供だよな!俺詳しく知ってるぜ!」


 「「「小学生からやり直して来い(ください)!」」」


 そんな言葉に相良は


 「え、え?」


 ただ、ただ驚くばかりであった。






 「ウサギさん可愛いです~!こっちのハムちゃんも!」


 ハムちゃんハウスは、今日は修理で休み。代わりにふれあい広場に出張している。


 「そうそう、こういう可愛いのを俺は求めていたんだぁー!」


 おい、ほどほどにしとけ!怯えられてるぞ、主にハムちゃんに……。


 「本当に可愛いわね。しょうが無い、膝に乗らせてあげるわ。」


 (小動物にツンデレは理解できないと思うぞ。)


 その後も、楽しい時間を過ごした俺たちだったが、


 「じゃあ、そろそろ反対側から下りましょうか。」


 「そうだな。」


 時間を忘れて楽しんだが、そろそろ終わりが近づいてきた。少し悲しく感じた。


 




 『時計の針はちょうど3(タイムリミット)を過ぎるところだった。破滅の(ファンファーレ)か鳴り響いた』




 


 

 


 


 

 3時までには抜け出そうとしていた彼ですが、時間を忘れて遊んでしまったようです。彼らはどのような未来をたどるのでしょうか?


 「逃げろ~、襲撃者が来るぞ~」

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