僕の過去
『僕の力では、智代を治すことができない』
それが、現実である。僕は自分の無力を恨んだ。。。
『何故!』
智代は、自分に終止符を打ってくれない兄に対して、疑問を持った。「なんで!お父さんを殺した時みたいに私を楽にしてくれないの?」自分の頬を涙がつたうのを自覚しながら、兄が躊躇しないように言った。「智代、ごめん」兄はそう言い男の懐から鉄砲を取り出した。
兄が引き金を引く。その瞬間の兄の顔は昔父を殺した時のように、とても悲しそうだった。
「ありがとう」
だんだん意識が遠のくだけど、後悔はない。『これが死ぬってことか、、、もうちょと一緒に居たかったな、、、』そして、私は、目を閉じた。。
『まるで、お父さんを殺した時みたいだな』僕の目からしょぱい液体が何度も何度もこぼれ落ちた。
『お前は、智代とは違い能力がないなww』僕の記憶が蘇る。
『これは、父が良く言っていた言葉だ』そして、幼い僕だ。
僕は、父に対して猫パンチを繰り出そうとしていた。
「おっと、お前のパンチは痛いからな、痛みを拒否しよう」
いつも、こうだった。
父はせこい、なぜならいつも自分の能力を使うからだ。
僕は舌を出して挑発した。「チキンチキンチキン」
「なら、お前はチキンすらに痛みを感じさせることができないビーフだな」父は、こう言い僕の頭に手を置き、大声をあげて笑った。
これがとても悔しいが、とても心地が良かった。
そして、ボヤがかかり場面が変わった。
これは、父が命を落とした遊園地だ。
「久し振りの遊園地だ」妹が叫んでいる。相変わらず、やかましい奴だ。
「ねぇ、お父さんお土産屋さんに行こうよ」僕は、負けじと叫んだ。『勝ったな』
「仕方ない、母さんのお土産を買いに行くか」
『やはり、僕が勝った。どうだ智代悔しいだろ』
この時、僕は内心でガッツポーズを取った。
『やめろ!もうやめろ!お願いだ!もうやめてくれ!これ以上観たくない!』
だが、僕は目を瞑る事も出来ないし、動く事も出来ない。
「いらっしゃいませ。」やる気のない、店員の声が響く。そして、僕はトイレに行った。
『外で何か物音がするな?』
僕はトイレから出た。そして、縄で拘束されている、父と妹と何人かの客を見張っている4、5人の人を見た。『ヤバイ、これって強盗って奴だ!』
僕はアタフタして言ってしまった「お父さん」そして、強盗団の内の一人に殴りかかった。
「くそ!ガキが」強盗団の一人はぼくを蹴り上げ鉄砲を構え、引き金を引いた。
『あ、、死んだ』僕はそう思ったが痛みを感じなかった。
そして、目を開けて見てしまった、身体に無数の穴が開いた父の身体を。
「くそ、お前ら覚悟しろ!」父の身体だけがまるで、重力を感じていないようだ。
父は、圧倒的な速度とまるで身体に穴が開いているのに痛くない様な身のこなしで相手を蹂躙した。そして、最後の一人を倒そうとした時に身体が揺らいだ。「流石に、身体が限界のようだな」と言い、最後の一人は爆弾をもち父に近づいた。「くそ!間に合え!」と父が言った時に僕の周辺から空気が消えた。そして、強盗団の身体が爆発し、父の身体が吹き飛ぶのを見た。そして、父の元へ身体を動かし言った。
「父さん、どうして!自分の身体を能力で守らずに、僕達のことを守ったの!」
「無事そうで良かった。もう俺は長くないだろう。だからお前の手で俺をころしてくれ」
「そんなことできない!」確かに、父はもう長くないであろうことは、僕にも分かった。
「お前の能力は殺した相手の能力を自分自身の能力として使えるものなんだ!ずっと隠していてすまなかった。だからこそお前の手で俺をころして俺の能力を使ってくれ、お願いだからゆうことを聞いてくれ、たける。今の俺ならお前のパンチで死ぬことができる。だから、いつもみたいに俺を殴れ!」
「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」僕は父を殴った。
「ありがとう」父はそう言って笑った。
そして、僕はこの拒否の力を手にした。
『やっぱり、辛い』僕は、智代の能力を手に入れ、心にまた、傷を増やした。