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第二十二話 学園祭の盛り上がりって凄いけど、その後も色々と盛り上がる。

学園祭が始まり、大忙しの柘魔達。

そんな彼の元には予想外のお客が来るのだった。


 ついに学園祭当日を迎えてしまった。

 この日が来るまでに、色々と大変な日々が続いたな。

 特に、メイド喫茶をやるとう言うのに、メイドの写真を販売する事になった。

 しかもだ、写真の半分が俺だというのが…非常に気が重い。

 まだイケメンとかの写真なら買い手は、沢山いるだろう。

 内容が全部、女装をした男二人だけ。

 本当に買い手が居るのかと思っていたが、想像の遥か斜め上をいくものだ。


「それではご注文の確認を、ラブリーエンジェルオムライスが一つに、妖艶たる美女のパフェがお一つですね?しばらくお待ち下さいませ、ご主人様」


 やべぇ…鳥肌が立ってきた。

 現在、うちのクラスにはメイドが三人に執事が二人。

 その中にいるメイドの一人が、俺だ。


「クリスティーヌちゃん!写真一枚撮らせて!」

「申し訳ございません。メイドの撮影はNGとさせていただいております、その代わりに、ここでしか手に入らない、クリスティーヌとオスカルの写真を物販コーナーで販売しておりますので、どうぞご理解下さい」


 どうして…俺がクリスティーヌなんて、呼ばれないといけないんだ。

 クラスの女子から命名された、このクリスティーヌと言う名前。

 俺は普通に姉貴の名前から、秋がつけばいいだろと思ったが、なぜか反対された。

 せっかくなら可愛い方が良いと言われたが、俺は日本人だ!


「クリスティーヌ!オムライスが出来たから運んで!」


 最初は客なんて来ないと思ってた…のにだ。

 客が次々と入ってくっる、てか一般人とか他校の生徒まで来てる。

 お客は男女とバラバラだがな…なんか凄いんだよ。

 時にメモとかを渡して来る奴もいるが、夢を壊してる気もする。

 あと、クラスの女子に対しての不満が一つある。

 スカートの丈、俺だけ異常に短いんだけど⁉︎

 一応理由を聞いてはみたが、材料と資金の関係上、足りなかったそうだ。

 そして俺が男であるから、被害はそこまでないだろうという結論に至ったらしいが。

 全然被害が大きすぎるんだが…数回、隠し撮りされたぞ。

 しっかりと携帯を取り上げたあと、先生方に報告したが。


「ここらしいぜ、美少女メイドがいるところ」

「でも結構並んでるぞ、どうするよ?」


 また客が増えた。

 一体いつになれば、休憩時間が来るって言うんだ。

 かれこれ5時間位働いてる気分だ…慣れないのもあるのだろうが。


「ここのメイドさんは、文字とか食べさせてくれたりしないんですか?」


 はい?高校の学園祭に何を求めてるんだ?

 ここはあくまで高校だ。

 それも素人の学生がやってるんだ、本場の店じゃない。

 ましてや俺はただの男だ、そういうサービスを要求するなら、ちゃんとしたメイド喫茶に行ってくれ。


「ねぇねぇ、クリスティーヌちゃん、この後で俺と学園祭回らない?好きなもの買ってあげるよ」

「何を言ってんだ!クリスティーヌさんは、俺とたこ焼きを食べるんだ!」

「ふざけるな!クリスティーヌ様は俺とデートをする約束を、これからするんだよ‼︎」


 やだ何これ怖い‼︎

 さっきから誘われる事はあったが、こいつらは次元が違う。

 他のお客さんも驚いてるよ、気まずいんですけど。

 あと詰め寄られても困る、てか怖い。

 まさか俺が、こんな事で恐怖する日がくるなんて。

 今、暴行される女性の恐怖が始めて分かった。

 これは確かに声がでない…つかこいつら息臭い。

 もしかして、ここに来る前に納豆とか食ってきたのか?

 つかよく見たらこの三人、うちの高校の制服を着てやがる。


「はいはい、メイドさんへのお触り禁止。破ったら罰金5万だから、困らせたり、怖がらせた場合は、料金の倍額頂きます」


 遠藤…お前…天才かよ。

 それよりも、まさか遠藤に助けられるとは思いもしなかった。

 だが好都合と言えば、好都合かもしれない・

 多少だが、売り上げも上がる。

 更に、余計な手間も省けるから、万々歳だ。


「そんなのぼったぐりだ!何処にも書いてないだろ!」

「書いてあるけど?入り口にしっかりと注意書きがあるでしょ?」


 そんな物が張り出されてるのか?

 俺は全然知らないぞ、ただ単に確認不足なだけかもしれないが。

 とにかく、これで助かったことには変わりない、後で礼をしておかないとな。

 それからも、客足は途絶える事なく、時間が刻々と過ぎていった頃だった。

 とうとう来てしまったのだ…来て欲しくない者達が。


「来ましたよ先輩!今日は私の専属メイドです!お持ち帰りさせてもらいます!いくらですか!?いくら払えば先輩を独占出来るんですか!?」

「何!?柘魔を独占出来るのか!?だったらいくらでも払うぞ!好きな額を言え!さぁ!」


 さぁ!じゃねぇよ!あとどれだけ払っても、独占とかねぇからな。

 とりあえずは、席に着いて貰ったまでは良いが…蘭華が問題ありだ。

 今、人のスカートをしっかりと掴んでる。

 捲れる!捲れちゃうから!アウトなヤツだから!

 周りの客からの注目も凄いから!カメラ構えてるヤツいるから!


「ダメじゃないか蘭華、こういう場合はこうするのが正しいと母から聞いた」


 超嫌な予感がするんだが、変な事をするなよ。


「こう掴んだら、良いではないか!良いではないか!と大声で」


 全然違う!それ着物でやるやつ!

 あと後ろに引っ張られると、ひっくり返りそうになる!

 俺、今相当凄い体制になってるだろうな。

 テーブルに手を突きながら、ブリッジしてるから。

 覚えてろよ…後で仕返しをしてやるからな。

 学園祭でテンションがあがるのは分るが、これは流石にやり過ぎだ。

 殆ど営業妨害も良いところだろ、どうするんだよこれ。


「お客様。メイドに対しての乱暴はお止めください、出ないと職員室に連行させて頂きます」


 今度は三門が助け船を出してくれた。

 流石に二人も落ち着いてくれたが…獲物を狙う獣の目をしてる。

 一応、別の人が二人のテーブルを担当してくれる事になったが、蘭華ふてくされ過ぎだろ。

 お前は餌を集めたハムスターか!?そのまま巣に持ち帰るのか!?

 狂子もだよ、妙にそわそわしてるぞ?


「すまないが、責任者を呼んでくれ」

「はいはいはい、責任者の遠藤ですけど何かぁ?」


 随分と乗りが軽いな、責任者さんよぉ。

 何か二人で話込んでるし、握手までしてるしで。

 蘭華と狂子の視線も変ってきたしさ、完全に悪いことを考えてる顔をしてやがる。

 遠藤も遠藤で、満面の笑みを浮かべながらこちらに歩いて来る。

 二人で何を話して来たんだ?怪しすぎるぞ。

 なぜに肩を組んでくるんだよ、何する気だ?


「クリスティーヌ…あの二人はVIPだから、つきっきりでお願い、出来るだけ要望には答えてあげてね、いつものことでしょ?」

「お前…さては賄賂だな?狂子から賄賂を受け取る約束をしてきたな」


 俺の質問に対して、答えることなく、遠藤が背中を押して来る。

 まるで、待ちわびた料理が運ばれて来たような笑みを浮かべる二人。


「待ちわびていたぞ、クリスティーヌ」

「さぁさぁ、私たちの隣に座って下さい」


 覚えてやがれ…絶対に、この仕返しをしてやるからな。

 他のお客からの注目度を見てみろ、驚いてるぞ。

 だがもしここでキレたりしたら、客足が遠のいてしまうう恐れがある。

 それだけは避けないと、後から非難される可能性だってある。

 とりあえずは、適当に二人の相手をしておくのが、得策か。



 客足も落ち着き始め、こちらも交代することになった。

 流石に働き詰めで疲れて来た頃だから、助かるのだが。


「二人は休憩ついでに、宣伝もしてお願い。はい、じゃあこのチラシを出来るだけ配っておいて、あとでやる特別イベントの為のだから、その時もよろしく!メイクは落とさずにいてね」


 メイクを落とさずに過ごせと言うのか…一理あるな。

 もしここでメイクを落とした場合、またメイクをし直さないといけない。

 ただでさえ時間がかかるから、このままの方がいいか。

 …あれ?このチラシの内容、なんかおかしくね?

 使われてる絵は、俺と浩寺のツーショットだ。

 まだそこは我慢しよう、ヤバイ奴じゃないから。

 問題は、そのイベント内容だ!

 なんだよ⁉︎美女メイドと美男子執事と写真をとろうって⁉︎

 こんなの聞いてないぞ!あと料金高ッ!何この一回1200円って⁉︎


「なぁ…お前、このイベント知ってたか?」

「俺も初めて知った…春魔の料金高くね?俺の倍もあるぞ」


 言われてみれば確かに、俺のに比べて、500円だと?

 これはまさか、女子受けを狙っての金額なのか?

 あの遠藤ならきっとそうだ、浩寺は女子から人気が高い。

 そこへ上手いこと付け入る作戦か。

 遠藤へ頼めば、浩寺への多少無茶な要望も聞いてもらえる。


「学園祭とはこんなにも楽しいものなのか!たこ焼きを食べに行こう!次はお好み焼きだ!あとは焼きトウモロコシ!アイスキュウリも食べてみたいぞ!もちろん金魚すくいもやるぞ!」


 たこ焼きとお好み焼きをやってるのを見かけたが、冷やしキュウリと金魚すくいは流石にないだろ。

 多分焼きトウモロコシも難しいかもな、あるとしたら、焼きそばとかか。

 もしかしてだが、祭りがつくから勘違いをしていないか?

 あと二人のクラスって、何をしてんだ?

 考えたら、二人のクラスが何を出すのかすらも聞いていなかったな。


「狂子と蘭華のところは何をしてるんだ?」

「私のクラスはクレープをしてます!あそこにある店がそうです!先輩!一緒にクレープを食べましょう!」


 絶対に嫌だ。

 こいつの事だから、俺の食ってる奴を食べようとして来るに決まってる。

 魂胆が見え見えなんだよ、どれだけ似たような目にあわされて来たか。

 前にもカレーを食ってた時に、俺のスプーンから横取りしたこと数回。

 飲みかけのジュースを飲み干されたこともある。

 だからこそ、考えてることが大体予想出来るようになってきた。


「クレープか…私も食べたい気分だ」

「決まりです!行きましょう!」


 手を引っ張るんじゃねぇ!ヒールで歩くのにまだ慣れきってないんだよ!


「クレープを三つ頼みたい、一つはキャビア入りので」

「キャ、キャビアですか⁉︎」


 狂子よ…高校でキャビアなんて、そんな高級なものがあるわけないだろ。

 メニューにもキャビアなんてねぇよ。

 至って普通のものばか…り?

 なんかメニューに所どろころに、おかしな名前があるんだが。

 特にサキュバスのキスっての、蘭華以外に考えた奴居ないだろ。


「キャビアはないのか…じゃあこのサキュバスのキスと言うものにするが、二人は何にする?」

「あ、愛神さん。凄いよ、愛神さんが考案したスィート・ハニー・スィートの売れ行きが一番良いの!」


 俺の予想が外れただと…妙に悔しい!

 てかサキュバスのキスを提案したのが、蘭華じゃないのが驚きなんだが。

 スィート・ハニー・スィートって、メルヘンな名前付けやがって。

 あと後ろに隠れてる理由は、一体なんでだ。

 同じクラスなら問題ないとは思っていたのだが、まだまだ馴染めてなかったか。

 主に本人が…世話の焼ける奴だよ。


「じゃあスィート・ハニー・スィートを一つ、蘭華は何にする?」

「お、男の人だったんですか⁉︎てっきり本物の女の人かと」

「せ…先輩ハ…フ、普通ニシテテモ…カカカ、カッコイインデス」


 いきなりカタコトになるな!びっくりしただろうが!

 どんだけ馴染めてないんだよ…心配になってくるだろ。


「もしかして、あの学校で有名な、誰これ構わずに手を出してるって言う、悪名高い春咲先輩ですか⁉︎ええ⁉︎凄く意外です!」


 俺って、そんなに酷い噂が立ってるのかよ。

 結構ショックなんだが、悪評流してやがる奴、いつか見つけ出してやる。

 それよりだ、周りに人が集まって来てる。

 珍しいものを見に来たのか、狂子達を見に来たのか。

 とにかく、この場を去りたい。

 勘が叫んでるんだよ、ここから今すぐ去れって。

 こう言う時の勘っていうのはよく当たる、信じられないほどに当たる。


「こんな所に居た!接客をしてるところを見て笑おうと思ってたのに、なんで休憩してんのよ⁉︎」


 ほらな、やっぱりこうなるんだ。

 夏美の奴が、来ないわけがない。

 あと随分と楽しんでるみたいだな、片手にたこ焼き、片手にかき氷と来たか。

 友達いねぇのか?普通他の奴とも来るだろ。


「今年も一人で来たのか?」

「はぁ?タクの癖に生意気なんだけど。さっきまで友達といたけど、この人混みのせいではぐれただけなの、どうしてくれるのよ」


 相変わらず人のせいにするのか。

 こいつもこいつで、困った奴だよ。

 去年は確か、友達が都合悪くて来れないとか言ってたな。

 あれも本当なのかまでは確認してないが、写真だけ見せてもらったことがある。

 結構派手目な系の二人だったが、正直こっちも馴染めてるのか心配だった。

 学園祭に一緒に来ったって事は多分、問題はないのだろう。


「何持ってんのよ?見せなさい!」


 ああ…チラシを取られた。

 しかも笑いを堪えてる…チラシと見合わせてるし。


「アンタ達が撮影会イベント?冗談キツすぎだってば」


 まぁ確かに、冗談にしてはキツすぎるかもしれない。

 だが一応配っておかないといけないんだよ、こっちだって金がかかってるんだからな。

 あと、この企画を考えたのは、俺じゃない。

 心底バカにした顔をやめろ、腹がって来る。


「そういえばさっき、秋恵お姉ちゃんを見かけたけど、タクのところに行ったんじゃない?早く戻った方がいいと思うけど?」


 やっぱり姉貴が来たか。

 正直、クラスで会いたくはないが、探すしかないか。

 そう考えている間にも、三門から連絡が入ってきた。

 内容は丁度、クラスの方に姉貴が到着したとの事で、支給戻ってきてほしいとのこと。

 他にも遠藤からも入っており、焼きそばを買ってこいと書いてある。

 俺はお前のパシリじゃねぇんだよ!


「姉貴…クラスで待ってるらしい」

「ほらみなさい!アンタがこんなところでサボってるからこうやって迷惑がかかるの、そこんところ、自覚しなさいよね」


 なんで偉そうなんだよ、お前対して関係ないだろ。

 とりあえずは、休憩時間も終わりか。

 姉貴の事だ、多分は友人を連れてきてるに違いない。

 あと俺がこの格好をしただけで、相当な賑わいになっていたからな。

 クラスの方でも、もっとひどい事になっている可能性も高いはずだ。

 チラシだつて全然配ってないってのに、どうするんだよ。


「見つけた、春咲君。チラシ配りは私がしておくから、教室に急いで…実はあのあと、春咲君達がいなくなってから、お客さんから苦情が殺到してるの」


 俺達がいないだけで、苦情殺到するとか凄いな。

 つまりは、俺と浩寺目当てで来てる客がほとんどというわけなのか。

 姉貴達の気持ちが、ほんの少しだけ理解できた気がする。

 だがもしここで戻ったとしたら、再び狂子達にVIP待遇をしないといけないんじゃないか?

 さっきだって、食べさせられたし、色々と恥ずかしい思いもさせられて来た。

 なのに、まだ続くというのか。


「ああ、やっと来た。お姉様方がお待ちでしてよ、クリスティーヌ」

「分かってる、姉貴達の対応は俺がしておく、オスカルの方はどうなんだ?」


 中を覗いてみると、捕獲されたオスカルが居た。

 世にもよって、女友達ばかり連れて来たのか。

 姉貴の友人では、女性友達が一番危険とされている、と俺は考えている。

 あの人たち、昔から俺たち三人をおもちゃにしてきたから。

 夏美はまだ遊んで貰ってる感覚だったが、浩寺がロリコンに目覚めたのは、この人たちが原因だ。


「うそぉ?これが本当に拓魔君?やだもう!可愛すぎる!お姉ちゃんの事覚えてる⁉︎小さい頃は一緒にお風呂入ったの覚えてる?」

「激ヤバの似過ぎなんですけど!マジウケる!何⁉︎チ◯コ切ったの⁉︎てか脱がして良い系⁉︎超絶気になるんですけど!いっそのこと食べちゃおうかな」


 このように、俺たちは完全におもちゃにされる。

 一応姉貴が止めてくれるのだが、久々に会ったせいなのか、全然止めようとしない。


「お…お嬢様、他のご主人様のご迷惑になりますので」

「アハハハ!声までそっくりじゃん!アンタの弟は本当に男なの⁉︎よし、ちょっとトイレに連れて行くから!どうせ秋恵の事だから、大人の裸は、姉のしか知らないんでしょ」


 いーやーだー!絶対に嫌だぁ!

 誰かこのビッチを止めてくれ!このままだと本当に何をされるか分かったものじゃない!

 本当に他のお客に迷惑が掛かってる、どころか楽しんでね?

 妙に居一部のお客がカメラ構えてるよ、楽しんでいらっしゃるって事でいいんだよな?

 待て待て、これは普通に楽しむものじゃない。

 完全に俺たちは、襲われてる状況。


「や、やめてください…先輩が嫌がってます、それに…先輩の初めては、私が貰うんです…だから」


 とんでもないことを口走りやがった、あと首を掴んでる腕の力が強まってる。


「へぇ、ほぉ、ふむふむ、なるほどねぇ。アンタもアンタで隅に置けない男になったね、こんな可愛い子を手に入れるなんて、小さい頃にアンタにも唾つけておけばよかった!」

「私は事前に目をつけておいたけどね、浩寺君がダメだった場合の保険に」


 唾どころか、ガキの頃は、何度も汗まみれにされたことがあったけどな。

 あと俺を保険にしてんじゃねぇよ、傷つくんだよ。

 浩寺にとっても、二人はトラウマだ。

 なんせ、ファーストキスを奪われた相手だから。

 むしろ姉貴がいなければ、それ以上のことをされていた可能性もあった。


「失礼ですが、お二人は一体何者なのですか?先程から拓魔を捕まえていますが」

「え?私は四谷花音よつやかのん、こっちの拓魔君を捕まえてる下品な女が後藤南ごとうみなみ、もちろんここの卒業生だよ」

「ちなみに、アタシら三人って、元生徒会なんだよね、驚いた?」


 生徒会だと?姉貴が元生徒会長だったのは、最近知ったが。

 この二人まで生徒会なのは初めて聞いたぞ。

 うちの高校、生徒会がまともな人間がいねぇのか。

 小百合はまだマシか、あの生徒会長達というのが不思議なくらいに、まともだ。

 まぁ大体こういう事を考えていると。


「他のクラス、学年から苦情が出ています。このクラスのせいで全然売上が出ないと、あとクラスの人物ではない者の写真まで販売しているようですね」

「きっとここにハイドがいる。私には分かる、元々は一心同体だったから」


 やっぱり来やがった、あとその手に持ってる写真は、俺だ。

 今バッチリと見たからな、胸ポケットにしまうところ。

 とても大事そうにしまうのを、姉貴のと勘違いをしてるんだろうが。


「それと、ここで騒いでいる方々もいらっしゃるときいておりますが」


 はい!ここの三人です!

 …ちょっと待てよ…生徒会が来た。

 現生徒会と元生徒会…これは、面白くなるぞ。

 なんせ、生徒会長は姉貴にい対して、口答えができないらしいからな。

 そこへ、かつてのメンバーが揃う事で、現在の生徒会は何もできなくなる。

 つまりは、生徒会長からの攻撃が来ない。


「あ…秋恵元生徒会長に…花音先輩、南先輩まで…」

「誰?アタシ、この子知らないんだけど、秋恵知ってる?」

「現在の生徒会長よ。前に話したでしょ?大分変わってしまったって」


 生徒会が怯えてるが…小百合の姿がないな。

 いつもなら、いるはずなんだが、クラスの手伝いでもしてるのか?

 彼女にとっては最初の学園祭だからな、楽しんでくれば良い。


「そろそろ別のところを見に行きましょうか。私たちも、元生徒会として、見回りをしない?最後の一人も来たみたいだしね」


 姉貴が向ける視線の先には、手を振る桜さんが居た。

 学園祭にもコスプレをしてくる根性がすごいが、うちの制服に似せたのを着てくるかよ。

 似合ってる上に、女子高生と言われても通用しそうなのがすごい。

 実際に、クラスの連中が同様してるからな。

 てかよくよく考えたら、桜さんも生徒会だったのかよ。

 とんでもないメンバーが集まったものだな。

 楽しい学園祭も、下手をすれば、壊滅するかもしれない。

 ありえない話だろうが、南さんが、大人しくしてるとは思えない。

 夏美も付いて行く気満々だしな。

 このメンバーが居なくなれば、あとはイベントも終わらせるだけか。

 そうすれば、今夜は焼肉だ。



 学園祭も無事に終わった、売上も上々。

 むしろお釣りが帰ってくるほどの額だ、これを分ければいいんだがな。

 生徒に配るのは禁止らしいが、今日は高級焼肉店に来れた。

 金銭の分配ではなく、使い切ればいいのだ。

 なんたって、俺たち二人が、相当体を張ったんだからな。

 写真撮影会でも、かなり屈辱的なポージングを取らされた。

 特に男からの要望も多かったが、なぜか女性客からも要望がったのには、驚かされた。


「みんな!徳江君と春先君に乾杯!」


 思い返すと、去年の学園祭よりも充実していたな。

 焼きそばを着くって販売していたが、こっちの方が売り上げが何倍もある。


「春咲!頼む!俺にお前の姉ちゃんを紹介してくれ!」

「お、俺にも!それか他に居た三人でも良いから!」

「じゃあ俺には、他校の子で!」


 お前等…顔から下心丸見えなんだよ。

 あの後、家に帰ったら色々と愚痴られたんだぞ。

 なんだか男子からは、胸の事ばかり言われたとか。

 他にも連絡先をしつこく聞かれたりとかしたらしい。

 全部俺に飛んで来るんだよ、俺が聞いてやる羽目になるんだよ。

 まぁ…今日は友達と飲みに行くらしいが、金は大丈夫なのか?


「相変わらずの人気ッスね。確かに秋恵さんのお友達も、全員が美人ばっかりだったッスけど」

「あの人達の恐ろしさをしらな…なんでお前がここに居るんだ!?」


 どうして由実がこの場に居るんだ?手にはしっかりとカメラまで持って。


「いやぁ、腕を買われてしまって。焼き肉食べ放題の代わりに、ここのクラスの写真を撮って欲しいと頼まれたんっすよ、あと部長から、チャンスだから取材もしてこいと言われたッス」


 いつ聞いても、新聞部って結構厳しいよな。

 写真を撮って貰えるは良いとしてだ、取材をされるのは嫌だな。

 やっと落ち着いたってのに、そこへ追い打ちを掛けるかのような、取材をされるなんて。

 下手をすれば、またあの恰好をしろと言われる気もしてくる。

 コイツの事だ、要求してくる可能性だってある。

 もしそうなった場合、全力で拒否するしかない。


「そういえば、蘭華達が発狂してたッスよ。先輩だけ高級焼き肉食べてズルいって」

「理不尽すぎるだろ…もしかして、その中に夏美はいるのか?」


 首を立てに振る由実を見て、俺は帰るのを覚悟した。

 帰ったら速攻、攻撃を受ける事は確かだからだ。

 正直、家に帰りたくねぇな。


「と、とりあえず取材させてもらうッス。今回のメイド姿になったことで、何か新しい扉は開けましたか?」


 変にピンポイントな質問をするな、返答に困るわ。


「そういうことはない、ただただメンタルが削られるって書いとけ」

「…長い間、お姉様に憧れを持って居たから、夢が叶ったと」


 おいコラ!何思いっきり変えてんだ。

 脚色とかのレベルじゃなくて、完全にオリジナルにしてんじゃねぇよ。

 こういう場合は、アイアンクローを喰らわせる。

 周りから、注目されているが、これをしておかないと後で危ない。

 それに力もあまり入れていない、軽く指先に力を込めるだけで済ませてる。

 周りから見たら、後輩を苛めてるように見えるのだろうか?


「分ったッス!ちゃんとやるッスから!絶妙に指先に力を入れるのは勘弁してください!」

「また春魔を怒らせたな。皆、気にしなくても、春魔はちゃんと加減をしてる、なんせあの技を教えたのは、アイツの姉ちゃんだからな」


 浩寺…助け船を出してくれるのは良いが、余計な事を言うな。

 あとな…先ほどから嫌な予感がするんだよ。

 背後から何かが寄ってきてる、そんな気がしてらならい。

 この殺気とも違う気配、まさかだが、こんな場所に居るはずがない。

 蘭華とも、狂子とも違うとなれば、考えられるのは一人だけ。

 だが俺は店の名前を報告していないはず。

 頼むから、別の人物であってくれ。


「見てよぉ、こんな所にタッちゃんがいたわよ」


 間違いじゃなかった…最悪だ。

 つか人をわざわざ自分の方へ向けるな、胸で息が出来ないだろうが。

 あと他にもだ、人前でこう言うことをする場合は、酔っ払っている場合だ。

 外ではかなり外面を気にする方だ、学生時代と比べてな。

 ただアルコールが入ると違う、家よりは大人しいが、ただの酔っ払いに間違いない。


「「「な…なんて羨ましいんだ」」」


 聞き間違いでなければ…殆どの男子から聞こえたような気がしたぞ。


「姉貴…なんでここにいるんだ?」

「どうしてって、ここ南の行きつけのお店だからよ」

「アタシ、これでもキャバで稼いでるから、よく仕事仲間と来るんだよね、美味しいから三人を連れてたら、偶然見つけたって話」


 偶然すぎるだろ!あとアンタ、キャバクラで働いてたのかよ!?

 花音さんも周りの男子からチヤホヤされてるしよ。

 よく見れば桜さん、アンタ焼き肉食べに行くのにもコスプレかよ、超浮いてるぞ。


「私達もここで食べて良いかしら?代金はちゃんと払うから」

「是非!ご一緒させてください!」

「むしろ払わせられません!代金なら、我々が払いますので!」


 テメェ等…完全に女子を敵に回したな。

 この状況を作ったのは、お前他いだ、俺は関係ないからな。

 やめろよ、責任転嫁とかするなよ。

 女子も俺に対しては攻撃はやめてくれ、ただでさえ疲れてるんだ。

 そして、これから姉貴達の相手をしないといけない。

 もちろん、半分は浩寺行きになるが。


「楽しくなってきたね。よぉし!はしゃぐぞー!オー!」


 遠藤のかけ声と共に、皆がはしゃぎ出した。

 だが、その後、学校では新たな噂が広がっていた。

 俺が異常な程のシスコンの、女装性癖のある男だと。

 正直…死んだ方がマシだと思う瞬間だった。

学園祭も無事に終わり、再びいつもの日常が始まった。

だが柘魔には新たな噂が立っていた。

シスコン疑惑と女装癖疑惑。

そんな事にも負けずに頑張る柘魔だが、次回、あの人が家に訪問してくる?

一体誰が訪問してくるのか。

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