第二十一話 写真撮影を仕事にしてる人、結構尊敬出来る。
学園祭の為に写真撮影をすることになった拓魔達。
だが撮影は順調に進みつつも、色々とトラブルが付いてくる。
学園祭の出し物、それはクラスによって違ったりする。
色々な出店や、うちのクラスみたいにカフェ。
他にも、お化け屋敷などのアトラクションだってあるだろう。
そして今日は、うちのクラスでやる出し物、メイドカフェで販売する商品の製作。
と言っても、俺と浩寺の写真を撮るだけ。
だから、昨日話あった結果、遠藤と三門と待ち合わせする事になった。
「こっちこっちって、あれ?その後ろの子誰?よく校門に居るのは見た事があるけど」
「悪い…コイツは松宮夏美、俺と浩寺の幼馴染みで…今日は無理矢理着いて来たんだ」
本当に夏美には困ったものだ。
一度言い出すと諦めないどころか、なんとしてでも我が儘を通すのが夏美だ。
そして夏美以外に、狂子、蘭華、由実、姫華、小百合、姉貴と色々と着いて来たわけだが。
どうしてこうなった。
「あの…もしかして後ろにいる、サングラス掛けている人が…お姉さん?」
「うわ、マジ激似じゃん!女装したら双子レベル!?それに関係無い人を連れて来すぎ、まぁ別に良いけどね」
本当に申し訳ございません、こんなに連れてくるつもりはなかったのに。
「へぇ、これがタッちゃんのクラスメイトなの?可愛い子が揃ってるのねぇ、私は春咲秋恵よ」
二人が固まってる…てか、目が泳いでる。
姉貴が怖いのか、それとも緊張しているのか。
青ざめて居ないって言う事は、怖がってるわけじゃないってことだな。
「どうしたの?目を白黒させて、私の顔に何かついてる?タッちゃん、私の顔に何かついてる?ついてるなら取って」
「何もついてねぇよ、多分俺が似すぎたせいで焦ってるのかもな」
特に昨日のモノマネ、姉貴の声としゃべり方まで真似してたからな。
相当似ていたから、この反応しかできないのかもしれない。
だとしたら、俺のモノマネスキルは相当高いと言えるのかもしれない。
俺の声帯は一体、どうなってるんだ。
あと蘭華…こう人が多い場所で腰に巻き付くなよ。
それから小百合も小百合で、腕を絡めるのを辞めてくれ、馴れてないから疲れる。
「それじゃあ行くとするか?写真はどこで撮るんだ?前に春魔達と行ったところか?」
そういや、撮影場所を聞いてなかったな。
撮影出来る場所なんて、直ぐに確保出来るものなのか?
「撮影場所ならない!春咲君、結構詳しいかと思って」
人任せかよ、俺も撮影出来る場所なんてしらねぇよ。
まずコスプレ自体しねぇから、困るんだが。
てかまず、自分で探しておけよ、人任せにするな。
どうするんだよ…こっちは何も考えてきてないんだぞ。
「私の出番のようね。任せなさい!私の友人に撮影場所で仕事してる人が居るから、直ぐに話を付けてあげるから待っててちょうだい」
そう言うと、携帯を片手にした姉貴がどこかへと歩いて行った。
これなら確実に撮影場所も確保出来る、一応由実もいるしな。
メイクも小百合に任せつつ、俺達もやり方を学ぶ。
あと…遠藤と三門の手に持ってる洋服、若干嫌な予感がするんだが。
それから蘭華…いい加減腰に限界が来てるから、離れてくれないだろうか。
「春咲君ってモテるんだね、こうして周りに女の子沢山置いて、正直本命って誰?」
ややこしくなる質問を投げかけてくるな。
蘭華と小百合と狂子が見合わせてるだろ、あと浩寺もニヤニヤしてんじゃねぇ。
特に蘭華と小百合の相性は、多少悪いんだよ。
例えるなら、蘭華が犬とするなら、小百合は猫だ。
現に、お互いに睨み合ってるからな。
あと狂子に関しては、胸を張りながら妙に自信満々なんだよな。
それに夏美、お前は何故に洋服を買い漁ってんだよ。
姫華も姫華で、浩寺にクレープ買わせてるしよ。
「まぁ私達には関係ないことだけど。そうだ、見てみて、知り合いに頼んで色々借りてきたんだよね、といっても、カチューシャとかの小物ばっかりだけど」
「洋服は用意しておくとか言ってたよな?全然話が違わないか?さっきから全部俺任せになってるよな?」
目をそらしやがった…最初からこっちを頼る気だったのか。
「いや、ちゃんとアテはあったんだけど…やっぱりね?まぁ色々とあって」
「皆、話が付いたわよ、直ぐこの近くにある店よ、衣装も沢山揃えて待ってるらしいわ」
やっぱり姉貴の知り合いは凄いな、色々な職業の人がいる。
前にも弁護士だけでも三人程、居るって言っていたからな。
それにしても、今日は相当忙しくなりそうだ。
撮影するために、何度も着替えをしないといけないから。
てか浩寺はまだ男装という名の、コスプレだけだからいいよな。
俺なんて、あんまり慣れていないことばかりするんだからよ。
「姉貴の知り合いで写真撮影してる人なんて居たか?」
「会わせたことはなかったわね。彼女、一応は有名なコスプレヤーなんだけど、実家が写真屋さんをしていて、そこで働いてるのよ」
「以外ッスね、秋恵さんのご友人にレイヤーの方がいるなんて」
確かに、姉貴の友人にコスプレをする人がいるのは、かなり意外だ。
それにコスプレイヤーでいて、かなり有名人ってことは、相当凄いんだろうな。
あの姉貴が頼み込むくらいだから、期待できる。
にしてもだ、後ろでとんでもない事態が起こってる。
「なんでそんなに買い込んでるんだ?また食費、使い込んだだろ?」
「タクには関係ないでしょ!女の子はこうやってストレスを発散するんだから!私が自分のお金をどうしようと、私の勝手なんだから!」
そのせいで、毎日家で飯食ってんだろ。
しかも、食費も全部、俺と姉貴が出してるってのに。
「夏美ちゃん?それはストレス発散じゃなくて、散財って言うのよ?いつも家で朝昼晩を食べてるけど、これが理由だったのね」
おお…夏美がへたり込んだ、流石姉貴。
一瞬であの夏美を黙らせちまうなんて、俺には到底出来ない。
とりあえず、買ってしまった物は仕方が無いか。
返品してこいって言っても、泣き喚いて抵抗されるのがオチだ。
姉貴の方も呆れてるしよ。
「洋服が欲しいなら言ってくれ、ここの近くに母が経営してる店があるから、そこのを」
「いや、そういう問題じゃないからな?」
狂子も、状況を間違った捉え方をするから困るな。
天然が入っているせいなのか、あるいは価値観の違いなのか。
少しこのことについて、話す必要がありそうだな。
あと小百合、少し不機嫌そうだな。
そりゃあ…蘭華がピッタリと張り付いてるからか。
小百合が何かをしようとすると、蘭華がその手を叩き落とすの繰り返し。
もう俺には止めきれねぇよ。
「見えてきたわよ、あのお店、少し古いけど、色々と品揃えは完璧のはず」
姉貴が指さした方向にある店は、かなり歴史を感じさせる物だった。
なんとも歴史がありそうな、レトロ溢れる店。
ここが撮影場所になるのか。
「あ、アッキー。久しぶり、
元気にしてた?」
「ええ、桜の方こそ元気そうね。急にごめんね、無理を言ってしまって」
店の中から出てきた女性は、眼鏡を掛けた、とても大人しそうな感じの人だった。
正直、本当にコスプレをしてるのかも疑問に思えてくる
あと妙に顔が近い、挨拶するにしても、もう少し距離を考えられないのか。
後ろから殺気がすごいんだけど。
蘭華の爪は腹部に食い込むし、小百合の腕に入れる力もかなり強い。
つか腕折れそう、真面目に折れそうな勢いなんですけど。
なんで今日に限ってそんな積極的なんだよ、お前。
「じゃあ中に入って。コスプレをする子は私に着いて来てね、あとメイクアップしてくれる子も居るって聞いてるから、その子も一緒に」
こうして、俺達の写真撮影会と言う名の、屈辱会が開かれたのだった。
コスプレ衣装を着込むのに、結構時間が掛かってしまった。
主な理由は、衣装が予想の遙か何倍もあったからだ。
色々な衣装、メイド服からナース、ゴスロリに軍服まで。
一体どれほどの服を持ってるんだと言いたい位だ、むしろ言ってしまった。
桜さんも同時にコスプレをしてたが、大人しめだったのが、一気に派手になって行った。
「本当にアッキーにそっくり!可愛すぎるんだけど!アッキーも同じくゴスロリにすれば最高なのにぃ!」
「なんでミニスカしかないんですか!?他にないんですか?もう少し丈が長いのとか」
俺の質問に対して、笑って誤魔化された。
つまりは、ないってことだな。
「似合ってるぞ、春魔。もうどこから見ても、女だ」
「うるせぇな軍曹、第三次世界大戦にでも行ってろタコ」
なんで俺だけミニスカなんだよ。
どうして浩寺のヤツは軍服を着られるんだ、それも似合ってるのがむかつくな。
あと人のスカートを捲るな!今パンツも違うのを履いてるんだよ。
着替えてる時に女装専用のアイテムを渡された時は驚いた…ちゃんとあるんだって。
なんであの人が持っていたのかまでは、謎だが。
「は、春魔…お前…勲章を何処へやったんだ?一体どこへぶぅ!?」
「いい加減にしやがれ…男同士だからって、気持ち悪ぃんだよ」
思いっきり腹部へ蹴りを入れたが、少しやり過ぎたかもしれない。
考えたら、今の俺ってヒール履いてるんだもんな。
ある気難いが、馴れるしかないか。
一応は、バランス感覚には自信がある。
姉貴に鍛えられたからな、公園の遊具を使って、何度落ちた事か。
「流石アッキーの弟、蹴りのキレも凄まじい」
足をジロジロ見ないで欲しい、恥ずかしい。
てかめっちゃ触ってくるんですけどこの人、本当に姉貴の友人なのか!?
「ねぇねぇ、今度私と一緒にイベント行こうよ!同人誌のイベントの売り子をして欲しいんだけど、男の娘って言うジャンルがあって、アナタにはそれをやってほしぎゃ!」
「随分と遅いから様子を見に来てみれば、弟に何をしてるわけ?」
能面の姉貴が現れた、桜さんに5万のダメージ。
つか今かなり鈍い音したぞ、大丈夫なのか?
あと扉の方から覗いてる奴等、携帯で写真撮ってんじゃねぇ。
こっちはイライラしてんだよ、姫華にプリン食われた時レベルに苛ついてんだよ。
あの時は酷く苛ついたな…楽しみしてたのに。
「アナタはいつもそうよね?私の弟の写真を見せた頃から、ずっとそのことばかり、だから連れて来たくなかったのよ、コスプレ、コスプレって」
「だって、アッキーは一緒にコスプレしてくれないし、私の知り合いも、弟君にコスプレさせた方が良いって言ってたから!」
そんな事を言われても、こっちも困るんですが。
ただでさえ女装させられてるってのに、コスプレで売り子やるのは、ほとんど罰ゲームと同じだろ。
あとスカートが超スースーするんですけど、パンツも違和感あるし。
二人が喧嘩をはじめられても、こっちに被害が来なければ別にいいけどよ。
浩寺の奴は、状況にオロオロしてるしよ。
この状況を納めないことには、写真撮影は無理か。
「先輩、撮影するッスから、現場に来てください」
そういえば、由美を連れて来てるのを忘れてた。
撮影といってもな、一体どういう風にすればいいのやら。
言われたポーズをすればいいのか、あるいは自分で決めればいいのか。
もしパンチラとかの要求してきたら、容赦なく技かけてやる。
「春先君、すごく似合ってるよ、可愛い」
「正直女子として、羨ましい…なんでそこまで似合うのよ⁉︎」
そんなこと言われても困る、俺が望んでそうなったわけじゃないしよ。
あと嫉妬で俺を妬むのは筋違いだろ、もう少し考えたらどうなんだ。
それから、狂子…お前もスカートの中を覗くのをやめろ。
蘭華と小百合も釣られて確認をするな!恥ずかしいだろうが!
「それじゃあ、撮影会を始めるッスよ!お二人は、そこでお互いにセクシーポーズ!」
やっぱりそう来たか⁉︎
予想はしていたが、ゴスロリのセクシーポーズなんて分かんねぇよ。
あとどうして、ベッドが用意されてんだ!
この上で撮影するってのか⁉︎
浩寺の奴、テンパって顔が引きつってやがる。
それから由美の奴、いつからあんなデカいカメラ用意したんだ?
いつも持ってるのは、もう少し小さいカメラだっただろ。
借りて来たのか?ここが専門の店だから借りて来たのか?
てか俺も相当テンパって来てる。
「二人とも、表情が硬いッスよ。じゃあ趣向を変えて、二人で絡み合う感じで」
か…絡み合うだと?
絡み合うって、確かにセクシーなイメージがあるけどよ。
なんで俺の頭に浮かぶイメージが、男同士ばかりだ⁉︎
きっとあれだ、前に本屋行った時だ。
間違えてBLコーナーにまで行っちまった時のアレだ、きっとそうに決まってる。
あそこの本屋、漫画コーナーと繋がってるから。
本当にっ困っちゃうよな!ああいうのって!
間違えて行ってしまった時の緊張感と、別の客からの視線。
「最高ッス!!最高ッスよ二人共‼︎なんだったら、そのまま熱いヴェーゼをしちゃってくださぁぁぁぁい‼︎」
由美の奴、一体何を言って…⁉︎
俺が正気に戻った時、浩寺の手が、俺の顎を持ち上げていた。
なるほど…由美が興奮していた理由はこれだったか。
いつの間に、こんな状況になったんだ。
あと浩寺、頬を染めるのをやめろ、気持ち悪い。
「どうしよう春魔…緊張して来た…俺、頭がおかしくなりそうだ」
「落ち着け…頭の中に、お前の好きな幼女を浮かべろ…そして冷静さを失うな」
とにかく、まずこの撮影を乗り切ることが大切だ。
次のポーズは、もう少しマシな物にしてもらえばいいだけだ。
「今度は徳江先輩が四つん這いになって、拓魔先輩が覆い被さってください‼︎そんで次は、徳江先輩が拓魔先輩を押し倒して、力づくでいく感じで‼︎」
テメェ!完全に調子に乗ってやがるな!
「ふむ…これが日本文化の一つ、ボーイズラブと言うものか」
「なんだか…いやらしいけど…大丈夫かな?」
「男なのに、違和感がないのが悔しい…あの立場が私だったら」
おい、約1名、心の声がだだ漏れだぞ。
確かに…この写真を販売するのは、学校的に大丈夫なのだろうか。
ほとんどアウトのような気もするが、男同士だから引っかからないような気もする。
裸なら完全にアウトだろうが、まだ服を着てる分、大丈夫か。それと狂子、なんでそういう事に関しては知ってんだ?
色々と危険なラインを知らないで、変なところだけ知ってるのが不思議だ。
ああ…あの人の影響か。
「二人の絡みは十分撮れたッスね。お次は、拓魔先輩はナースで、徳江先輩はオスカルをお願いするッス!今度はソロ撮影ッスよ‼︎」
なんか浩寺だけズルくね?俺も宝塚風のほうがやりたい。
俺、ただのコスプレイヤーと化してる。
ただ嬉しいのは、白じゃなくて黒いナース服というところだ。
黒い服ならまだ我慢ができる、白やピンクより断然良い。
あとはマスクさえ付けちまえば、完璧だな。
「はいそこ!マスク外して!せっかくの綺麗な顔が台無しッス‼︎」
「確かに、私もマスクは反対だ」
「マスクつけられたら、私がメイクした意味ないじゃん!」
はい、大不評でした。
結局マスクを外して撮影をしたわけだが、ついでに小百合と、解放された桜さんにメイクを変えられた。
なんでも黒いナース服を着るなら、少しダークで濃いメイクにしろと言われたが、濃すぎだ。
だがこのメイクは、蘭華から大好評だった。
本人曰く、悪魔的な雰囲気でかなり好みだったらしい。
まるで死を呼ぶナースの様だと言われ、しばらく撮影の妨害をされたが。
まさか由美が蘭華に対してのガチギレは驚いた、流石カメラマン。
「凄いね、春咲君は男の子なのに、私たちより女子力高いから」
「男の俺からしたら、結構複雑な気分だよ…普段は鍛えてるが、あまり筋肉がつかなくてよ…あっても腹筋…と言っても、力を入れないと出てこないんだけどな」
何を話してるんだろうな…俺。
あまり男らしくないから、話したのか。
それとも、ただ単に、誰かに聞いて欲しかったのか。
実際のところ、俺本人ですら、分からない。
「ねぇ、つまんないんだけど、てかタクばっかりズルくない?私も写真撮って欲しいんだけど」
俺、事前に話したはずなんだが。
今回の撮影は、うちの高校の学園祭で使う物の為だと。
やっぱり人の話をまともに聞いてなかったな。
夏美の悪い癖だ、本当に直させないと。
「夏美さんでいい?今日は付き合わせてしまってごめんなさい、今回は私たちの都合のせいで、ご迷惑をおかけしてしまって」
三門さん、かなり出来るな。
あの我が儘大王の夏美が、恐縮している。
うちの姉貴以外には、誰に対しても我が儘スタイルを崩さないのに。
意図も簡単に、崩壊させやがった。
まさかこれは…唯一夏美に対抗出来る、同年代(天敵)の登場か?
今夏美の中では、姉貴が一番上に君臨していた。
そして次に本人で、次に親たちが偉いと考えていただろう。
もしかすると、立場が崩れるかもしれない。
「拓魔!次はこれを着てみてくれ!このドレス、きっと似合う筈だ!」
「それよりこっちが似合います!この黒いローブを着て、蝋燭を持つんです!そうすれば魔女教団みたいでもっと綺麗になれます!」
お前ら…楽しんでやがるな。
つか狂子が持ってるドレス、あれって確か、コルセットを使うものだったような。
あと蘭華が持ってるローブって、俺のイメージだと、中に何も着ていないイメージがあるんだが。
だって前に見た映画、全員ローブの中に何も着てなかったら!
「ならこれも着なさい。着物は日本の文化でしょ?着付けをしてあげるから」
姉貴まで要望を出してくるのかよ。
おい待て、何故にまたミニスカを選んでくるんだよ。
浩寺を見てみろ、羨ましそうな顔してるじゃねぇか。
せめて誰か、気を利かせてやれよ、可哀想で見ていられないぞ。
「お二人さん、とっておきのコスプレをさせてあげるからこっち来て」
今度は桜さんか、忙しいな。
だがこれが間違いだった、本当に大間違いだった。
まさか…まさかだ…女子高生の格好をさせられるなんて。
よりによって…夏美の制服に激似の奴をだ。
お互いに新しく化粧をし直されたが、流石有名コスプレイヤーなだけある。
小百合も凄いのだが、レベルが違いすぎる。
特に浩寺に関してだが、元々が整った顔をしているから、モデルみたいになってやがっる。
あと結構似合ってる…身長高いけど。
「これが…本当に俺なのか?春魔…俺の頬を打っで見てくれ」
「構わないが、同時に感動が消え去る覚悟は出来てるのか?」
そこまで青ざめるなよ、ただの冗談だろうに。
とりあえず、打ったらメイクが落ちるから、尻に蹴りを入れとくか。
「良かったな、現実だ」
「ああ…まさしく現実だ…この蹴りはまさしく現実の痛み」
さてと、撮影現場に戻るとしますか。
夏美から何を言われるか、恐ろしくて考えたくもない。
何かしら文句を言われる事は確定してる、パチンコのボーナス確定ボイスが合うくらいに。
「アンタ達…私の事、馬鹿にしてんの?」
ほら、やっぱりキレてる。
だって夏美のところの制服に激似だから、ところどころ細かいところは確かに違うが。
遠くからみたとしたら、もう同じ制服にしか見えない。
あとなんで浩寺のサイズがあったのかが、一番の謎だ。
「二人とも…ナイス‼︎桜さん!他の制服もあったら用意してください!あと真手場先輩!お願いしてたのも頼むっすよ!」
由美の声と同時に現れた狂子、その姿はとてもきわどい水着を身に纏っていた。
一体何をさせる気だ⁉︎馬鹿カメラマン!
「テメェ!一体何を考えてやがる⁉︎狂子も早く、上に何か羽織れ」
「コラ画像を作るに決まってるじゃないッスか‼︎お二人は男だからどうしようもないんッスよ!買う人はエロスを求めてるんッスよ‼︎」
確かにエロスを求めてるだろうよ!
だがな!狂子の体を易々と売り物にするわけにいわいかねぇんだよ!
学校的にアウトだろうが!あとなんか他の奴に見られるのが無性に腹が立つ。
理由は分らないが、腹が立って仕方がない。
だって今も、無意識に狂子にタオル掛けてる。
「やっぱり二人は付き合ってるの?真手場先輩の裸を見られたくないのは分るけど、これはあくまでビジネスだから」
お前は何を言ってんだ、この女。
たとえこの状況が狂子じゃなくても、同じ事をしていただろうな。
ただし、由実と遠藤だった場合は知らないが。
「真手場先輩の水着写真を売るのはダメだと思う…それに、他の学年やクラスの人を利用するのも、クラスの出し物と言えるのかな?」
「バレなきゃ問題ないでしょ。雫は心配症なんだから、特殊メイクしたとか言えば大丈夫」
普通にバレるだろ、どう考えても。
特殊メイクで色々と出来ると言うなら、自分でやってみろて話だ。
絶対に水着写真は撮らせないからな、これだけやってんだからよ。
その後も撮影会は続き、かなりの種類の写真を撮らされてしまった。
途中楽しくなって来てしまって、色々なポーズをしていたのは
、しまっておくとしよう。
写真の現像は、桜さんの家でしてくれるらしい。
代金の支払いに関しては、今度のコミケの手伝いで帳消しにしてくれるそう。
大丈夫なのか…ここの店。
「ところで、この超可愛い子って誰⁉︎さっきからずっと気になってたんだけど⁉︎」
桜さんがそう叫ぶと、姫華を抱きしめはじめた。
今度はそっちに目をつけたかと言う、姉貴の視線を無視して、浩寺を交互に見始める。
その二人、確かに兄妹にも見えるかもしれないが、違うんですが。
現在、俺の腰に張り付いてるのが、実の姉ですが。
言っても信じられないだろうがな。
「分かった!アナタの妹でしょ⁉︎なんだか性格とかが似てる気がする!」
残念、夏美の妹でもありません。
「違うわよ、その子は」
「じゃあアッキーの子?」
なんでその結論に到達した⁉︎
一体全体何があって、謎の結果に到達できるんだ⁉︎
とうとう姉貴も唖然としてるぞ、恐ろしすぎる。
どう考えてもありえないだろ、姫華は小5だぞ、無理がありすぎる。
「桜…私に喧嘩を売るだなんて、いい度胸してるわね?」
「ここで喧嘩はやめとけ姉貴。桜さん、姫華は、今俺の腰に現在進行形でへばりついてる蘭華の妹ですよ」
まぁ驚くよな、結構似てないから。
というか、雰囲気が思いっきり違うからな。
俺も最初は本当に姉妹か疑った。
疑われる気持ちもわかるが、同じことが頻繁に起こるから。
ただ桜さんの場合は、事前に姉貴が写真を見せてくれていた事で、その心配はなかった。
「結構意外…それより、拓魔君になんでしがみついてるの?コアラの真似?」
コアラの真似なら、背中に張り付くだろ。
それより、早くメイクを落としたいんだが。
蘭華が離れてくれないことには、何も出来ない。
ただでさえ猫耳メイドなんだぞ。
この格好がどれほど恥ずかしいか、お前にはわからないだろうな。
ずっと人のことを可愛いを連呼しやがって、屈辱以外の何モノでもないわ。
しかもよぉ、三門と遠藤の間で、俺が猫耳を着ける話が持ち上がってるし。
「離れろよ!着替えられないだろ!」
「いいじゃない、そのまま家に帰りましょ」
冗談きついですぜ、姉貴よぉ。
確かに現在は、姉貴に似てるが、カツラで雰囲気は多少違うだろうよ。
面白いのは伝わってくる、自分そっくりで嬉しがってたもんな。
この姿を見た日には、買い物にまで連れ出そうとしたからな。
そのあとに風呂にまで乱入してくる始末だ、妹が出来たみたいだといいながら。
とにかく、この格好で外を歩きたくはない。
「春先君、あれやってあげなよ、お姉さんの真似。あれ超似てたじゃん」
遠藤ぉぉ、余計な事を喋るんじゃねぇぇぇぇ‼︎
「私の真似?面白いじゃない、やってみなさい、見ててあげるから」
うへぇぁ…皆興味深々の顔をしてるよ。
三人は見たことがあるが、ほかの連中には見せた事がないからな。
夏美とかに関しては、スマフォのカメラを構えてやがる。
ビデオに残す気か、最悪だ。
この場はもう、やらないと収まりそうにないか。
「いくぞ…笑うなよ…」
「いいから早くやりなさい、気になって仕方ないのよ」
分かったよ、やりますよ。
やればいいんでしょ、はいやりますよ。
「ふぅ…全く、なんで私がこんなことをしないといけないのかしら?」
ヤバイ…場が静かになってる。
これは完全に滑ったか…あるいわ、あまり似ていなかったか。
だがあの時と同じやり方でやったぞ、何がまずかったんだ。
俺が頭を悩ませてる間に、突然周りが笑い始めた。
特に姉貴と桜さんに関しては、笑いを堪えてる。
夏美と姫華に関しては、大爆笑してるだと?
クラスではなかった反応に対して、俺は戸惑う事しか出来なかった。
背中には、蘭華が笑ってるのが伝わってくる。
そして、狂子に関しては、もう腹を抱えて床を叩く始末だ。
小百合はもう涙目になってやがる、皆笑いすぎだ。
「ま…まさかここまで…アッキーそっくりなんて…ブフゥ‼︎」
「ちょっと桜…吹かないで…私まで…くぅ!」
それからと、全員が身動きが取れない間に、着替えを済ませることに成功した。
あとからメイクを落とした事に不満を言われたが、俺は男だ!
V系バンドとかじゃないんだよ!
撮影も終了し、順調に準備が進んでいく。
次回、ついに学園祭が開かれる‼︎
学園祭で拓魔は、何事もなくメイド喫茶を乗り切れるのか?または、トラブルの連続に見舞われてしまうのか?




