実際にやってみよう! キャラクター作成 相良絵梨の場合 その2
『固定値は裏切らない』
--あるTRPGゲーマーのつぶやき--
さて、ステータスを開けば必然的に多くの数字が並ぶことになる。
この数字の殆どは、俺Tueeeの為の装飾でしか無い。
だからこそ、読者がそれを嫌うのは分からないではないのだ。
だが、この数字の本質はそれとは別の所にある。
できる事の省略化。
これこそがステータスの本質である。
貴方が『交渉』スキルを持っているとしよう。
そのレベルである程度の成功が期待される場合、TRPGやゲームだとその揺らぎ--つまり失敗の可能性--にドラマを見つけることができる。
だが、なろうの世界において失敗はあまり好まれない展開である。
つまり、スキルを有している事=自動成功という事になる。
という訳で、相良絵梨嬢に再度出てきてもらおう。
彼女に持たせるスキルは『占い』。
これができるこという事は、これを使うシーンを前提に成り上がる物語を作らなければならない。
ここで重要なのは、スキルが成功前提なので成功したあとで第三者に、
「相良さんすごい!」
「絵梨すごいじゃん!」
と言わせれば、なろうでよく行われる展開のできあがりである。
せっかくだから数字ついての私の考えを文字埋めに出しておこう。
数字の本質は成功と失敗を分ける為にある。
だからこそ、本来は数字に意味は無いが、その数字の揺らぎは演出する事ができる。
レベルMAXを100にすると分かりやすいだろう。
レベル100=スキル成功確率100%
という意味だ。
このパーセンテージによってそのキャラクターの選択肢の選択をコントロールするのだ。
絵梨の『占い』の成功確率を100%にしよう。
じゃあ、絵梨に『誘惑』スキル、レベル90をつけてみよう。
という事は誘惑の成功確率は90%だ。
となれば、キャラクターとしての絵梨は交渉時に『誘惑』スキルを使うより、『占い』スキルを使うというキャラクター性が誕生する。
更に派生して、
なんで『誘惑』10%失敗するのか>ロリコンには無意味なわがままボディ
なんて深みを作ることもできるのだ。
貴方が貴方のキャラクターを作る時、そのステータスを読み込み、咀嚼すれば、キャラクター性は確実に『生えてくる』。
なお、 『荒木飛呂彦の漫画術』では、身上調査書を作れと言われて絵梨はきっちり作ったのに、アルフレッドは作らなかったので、『昨日宰相今日JK明日悪役令嬢 恋愛陰謀増々版』では、サイモンに出番を食われるなんて苦い失敗をバラしておこう。
ステータスを作る場合、作るキャラと作らないキャラで確実に『濃さ』が出る。
私が失敗して覚えた教訓である。