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それにしても腹が減った

推敲なしでの書き殴り、書き直しもあるかと思いますが勢いで行ってみます。

そこはよくアニメや特撮で見た様な空間だった。

背景は宇宙空間、淡く光るラインで区切られて作られた立方体の部屋。

そしてちゃぶ台と座布団、目の前には湯気の立ち上る湯呑みと大きめの皿に盛られた煎餅。

ちゃぶ台をはさんで向かい側には薄ぼんやりと発光する人型らしいなにかがぺったりと座布団の上に

広がっている? いや、これはもしかして寝てるのかな?


「申し訳ありませんっっっっ!!!!!」


いきなり頭の中に言葉が響いた、頭が痛いっての ボリューム下げてくれよ。

「え、えーっと、まずもうちょっと音っていうか声小さくしてもらっていいですか? なんかすごく頭に響いて物理的に痛いんです。」

「あああっ、すいません すいません、頭に響くのはまだ再構成したばかりで色々と繋がりが不安定なものでして。」

「再構成? よくわかんないんですが これって夢・・・・・・っぽくはないですよね。なんか変な空気感というか

現実感が半端にあるというか・・・・・」

「はい、!"#$%&'+*?><_|~=さんにとっては現実でありまた現実でないと言えますが夢などではありません。」

「ええと、あのなんか聞き取れなかったんですが私におっしゃってるのでいいんですよね?」

座布団の上の物体は震えながらさらにぺったりと座布団にくっついていく。


「すいません、名前という概念が上手く処理できなくて3次元人さんとお呼びしてもよろしいでしょうか?」

「は、はぁ・・・・・・」


そして緑の物体は座布団の上に伸び上がるように形状を変え、ちゃぶ台の上の俺の目の前の湯呑みを

にゅるりっと伸ばした腕? で掴むと頭らしき辺りのポッカリと開いた穴でコポコポと飲んで? しまった。

(俺のじゃねーのかよっ) 心の中でつっこんでいると 

目もないのっぺらぼうもどきの口の辺りにある穴から普通に耳で聞こえる音で話しかけてきた。

が、口らしき穴は開いたままで動いてもいない、(どうやってしゃべってんだろう?)


「まず、私は貴方の認識上で言うと異次元人というものになります。」

(ああ・・・・・神様とは思わなかったけど宇宙人あたりかな、なんて思ってたんだけどはずしたなぁ)

「で、ですね、簡単になるべくわかりやすくお伝えしますとですね。」

「俺って死んじゃってたりする訳ですか?」

「おおうっ、ご、ご存知でしたか?」

「まぁ、なんとなく・・・・・夢でもなさそうでこんな突拍子もない空間にいるなんて

死んで頭だけ機械に繋がれてるんじゃないかなんて思いもしましたけどね。」

(もしくは新手の三途の川原・・・・・・とかね)


「本当に申し訳ないです、貴方の認識でわかりやすく例えますと極々稀に発生する交通事故のようなものでして、はい。

「はぁ、交通事故ですか・・・・・」

「はい、私とある次元のとある場所から別の次元の別の場所に移動しようとしておりましてですね・・・・・」

申し訳ないという気持ちを表したいのか緑の異次元人は頭の前で両手らしきものを摺り合わせる様な仕草をするんだけど、それだと拝まれてるみたいで、死んだと言われた身としては仏様扱いされてるみたいで落ち着かないことこの上ない。

「中継地点としてある次元のある座標を通過したのですが、その際にですね 3次元人さんを引っ掛けてしまいましてですね・・・・・。」

「ほ、本来はですね、該当の座標に現実の物質が存在しても分子間をすり抜ける筈でして。」

「あのですね、確率的には数万那由他分の一以下という事故でして・・・・・。」


・・・・・・・なんか違和感があるなぁ。

「そういう高度な私なんかには想像できない様な移動手段なのに、極々低確率とはいえ

そんな事故が起きるってなんかおかしくないですか? 危険予防的な考え方がないとは考えづらいんですが・・・・・・?」


「は、はい、実は・・・・・・ 移動時の中継地点は予測計算して該当座標に現実物質が存在しない事を確認してから移動開始しないといけないのですが・・・・・・・。」

(ああ、なるほどねぇ・・・・・)


「その計算に貴方の認識で2~3分程かかってしまうもので・・・・・・・」

「はーん」

「その・・・・・つい、その2~3分が面倒に感じてしまいまして・・・・・・」

「ははーん」

「めったにある事でもないというか、確立上 ないと言って良いくらいの事ですので・・・・・」

「はははーん」

「すいませんっ中継地点の安全確認をせずに次元移動をして貴方にぶつかってしまいましたっ。」

「はははははははははっ」

笑うしかねぇよ異次元人の安全運転義務違反で交通事故死ですか、そうですか・・・・・・。


「あ~、でもこの身体? さっき再構成とか言ってたし生き返らしてもらったんでしょ、異次元人さんの超科学かなんかで?」

生き返らせてもらえるなら事故の痛みとかも覚えてないし、まぁそんなに怒るとこでもないかなぁ。


「あ、はい とりあえずですが、お話しするのに肉体がないと3次元の方は認識が狂ってしまう事がありますので。」

「で、ですねこれからの事なのですが」

「はいはい、元の所に戻してもらえれば私はそれで・・・・・」

そこで緑の異次元人はまたもや座布団の上に平べったくなっていく、もしかしてあれは土下座?

DOGEZAなのか?


「すいませんっ現状復帰は不可能なのでありますっ」

「へっ?」

「ええっとですね、貴方の居た場所ではデスね、!"#$%&'*+?~=さんは通勤中に突然爆発して死亡した事になってまして、昨今の世界情勢とやらで一人自爆テロ、もしくは無差別テロの被害者という扱いでけっこうなニュースになってまして、遺体も細切れではありますがきっちり検死されてまして、そのまま帰るという訳にも行かないのではないかと・・・・・・。」

「そ、そんなぁ・・・・・・」

「あとですね、決定的な事なんですが、中継地点あたりが事故のせいで{ゆらぎ}がひどくなってまして

無数にある平行世界のどれが貴方のいた世界なのかが特定できないんですよ。」


「・・・・・・・・・」

(えーっと、つまりアレだ)


「・・・・・・・・・・・・あの?」

「一発くらい殴っても全然問題ない様な気がするんだけど、どうなんだろう?」

「すいません すいません すいませんんんんんんっっっっ」




「はぁ~・・・・・・・・・、まぁ しゃーねーかぁ・・・・・・・」

今更どうこう出来るもんでもないみたいだし、それよりこっからどうなんのかだよなぁ。


「すいません すいません すいません すいません・・・・・・・・・」

「まぁ、頭? 上げてよ。一応生き返らせてもらったんだし、どうしようもないってんなら、それはそれで諦めるけどさ。俺どうすりゃいいの? このままここにずっと居るとかは流石にちょっと・・・・・・・」


「すいません すいません すいません それでですね、3次元人の方は同種の生命体と共同生活をしていないと精神的に変調をきたすと認識しておりますデス。」

「ああ、まぁそうですねぇ。」

「それでですね、貴方の居た惑星の平行世界のうちで適当な所に転生するか転移するというのはどうでしょうか?」

「んっ? んんっ?平行世界って? あと転生と転移ってどう違うの?」

「平行世界というのは貴方の居た次元の惑星で別の歴史を持っているものと思って下さい。ほんの少しだけ

違っている、ほとんど同じ世界もあれば、進化の結果別種の人類が存在している世界もあります。」

「それって、もしかして定番ファンタジーみたいな・・・・・」

「語彙から推測しますと貴方の世界でのエルフ、ドワーフ、獣人といった種族ですか? そういう世界もありますよ。」

「おうふっ、それでお願いしますっ!」

「はい、それと転生と転移ですが、現状の!"#$%&'*+?~=|さんはデータ上で身体を再構成しているだけでして

本体というか、ええと・・・・・・そちらの理解しやすい語彙ですと・・・・・、ああ魂でわかりますか? それだけなんですよ。」

「えっ!? これってデータなんですか? 触ってても違和感ないんですけど・・・・・」

ペタペタと身体を自分で触ってみるが普通に感じる、すげぇな 異次元超科学。

「それでですね、転生ですと貴方の魂を自然死した乳幼児に移し変えて奇跡的に生き返ったように見せるっていう方法があります。これですとその世界に対する影響が少ないという点でお勧めです、私達、異次元人の道徳的にも干渉はあまり良い事ではないのですが許される範囲なのです。」

「えーっ、でも自然史する乳幼児って・・・・・」

「ああ、無論転生の時に病気とかは対策しておきますのでその辺はご安心下さい。」

(ふーむ・・・・・もともと死ぬというか死んだ子供の身体を使わせて貰うっていうのなら元の人格に罪悪感を持たないで済むか・・・・・・)

「転移の方ですが、こちらですとまず肉体を物質的に再構成してから、その世界に遅らせて頂きますが、

いくつか問題がありまして・・・・・・。」

「問題?}

「はい、言語と種族因子の問題です、転生ならば乳幼児からの生活で時間をかけて習得が可能ですが

転移の場合は・・・・・・・。」

「言葉がわからずしゃべれず、書けない成人としてスタートするってことか、それはきっついなぁ。」

「種族因子は転生ならばその世界の人間ですので何も問題はありませんが、貴方の肉体を再構成して転移した場合、最悪子供が作れないとか子供の子供が子孫を残せないとかの可能性が極低確率であるかもしれません。それと貴方はその世界で唯一人の種類の人間という事になります。」


今の身体に愛着は無論ある、そこそこの身長と顔だけど長く付き合ってきた一品ものだ、

・・・・・・・けど、どうせ人生やり直しというのなら一からスタートのほうがスッキリするな、よしきめた。


「おっけ、わかった転生でお願いします。」

「ああ、ありがとうございます。それではすぐに調査して対象を絞り込み・・・・・・」


そこで俺は初めて緑の異次元人の手を取って言った。

「現状復帰についてはこれで納得して手を打ちましょう、・・・・・で、精神的肉体的もろもろに関しての

賠償についても納得のいくお話が聞きたいのですが・・・・・。」


「ふぇっ?」





交渉の結果、転生先を貴族の次男にする事(それなりの容姿である事)、魔法の存在する世界を選び

魔力的な資質にめぐまれるように転生時に手を加える事、そして対象の世界の情報を一通り聞き

その世界にあるという魔法以外の特殊な点、[ギフト]について調べた所 魔力を消費して使用する

特殊な能力とわかり、俺はどうしても気になっていた問題が何とかできないかと考えてある[ギフト]

使える様にして貰う事にした、アポーツ、物質引き寄せとも呼ばれる超能力の一種だ。

千里眼や透視、念動といったものたちと同様に一時期は見世物としても有名だったらしい。

もっとも俺が知っているのはコップの中に水や塩の結晶を出してみせる、といった手品と区別がつけにくい物だけど。これで条件はつけられたものの日本の食い物が手に入るという訳だ。

他の事が我慢できても、おそらく俺は日本食が喰えない生活が我慢できないだろう、記憶を持ったまま

転生するデメリットともいえるそれが解決できた事で安心して転生できる。



愚かにもその時の俺はそんな風に安易に考えていたのでした。


そして俺は乳幼児のオムツプレイとおそらくそんなに美味しくないであろう離乳食と

面倒くさい言語の習得をスルーするために7~8歳になるまで記憶を封印して、まぁ言ってみれば

グースカ寝かしといてもらって適当なとこで起こしてもらう様に頼んでいた訳で・・・・・・・。


記憶が一瞬の間に脳内を走り抜け、頭痛がいまだ続く中、俺は自分の名前を思い出し、

そして捨てると決めた。

俺の事をあの痩せ細った女の人はアレクと呼んでいた。だから俺の名前はアレク。


頭痛は酷いし、額からは血が流れている、服なんてボロ布まとって紐でしばってるだけ。

髪はボサボサで立とうとしたら足首を捻ったみたいで四つん這いで這う事しか出来ない。


生まれたばかりのアレクにはお似合いか。


ああ・・・・・・・・それにしても腹が減ったよ、かあさん。





次は果ての森のおっさん魔法使いの続きか、こちらの3話目です、時期不明なのは

お許し下さい。

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