3
かくれがには、むせんがありました。かくれがのそとの、ノネズミのチータカとれんらくをとるためです。
「まあちゃんにこん太くん、大丈夫?」
「大丈夫です!チータカさん。」
「それはよかった…そこの冷蔵庫に、1週間分の食料がある。足りなかったら持ってくるよ。これで当分は生き延びられる。」
「ありがとうございます」
「あと、万が一のために、明かりのマッチと護身用の銃がある。注意してお使い。」
「ありがとうございます!」
「いえいえ…あれ…なんか音がする…羽音…あ、あれは!」
バッタたちが空からせまってくるのをチータカさんは見ました。
「大変だ!敵襲だ…うがっ」
バッタはチータカをひといきでやっつけてしまいました。バッタは言います。
「二かいのカーペットの下を調べよう!」
それをむせんできいたふたりは、なぜかバレてしまったことをさっし、びくびくとおびえました。このままだとつかまります。だからにげるしかありません。
「行こう!まあちゃん!」
きつねのこん太はうさぎのまあちゃんの手をひき、じゅうとマッチをもち、ぬけあなへとむかいました。まあちゃんは、あのひろったおかねをもっていました。ぬけあながだんだんくらくなるので、こん太は、マッチをすり、あたりをてらしながらまっすぐすすみました。
まあちゃんはいいました。
「本当に逃げ切れるの?」
しばらくして、こん太は言いました。
「逃げるしかないじゃないか。」
なぜ、そもそもにげるしかないのだろう…と、ふとまあちゃんはふしぎにおもいましたが、しかし、いまはにげるしかありません。
「あ、光だ!」
こん太はさけびました。たしかにあかりがあります。もうすぐでぐち。ふたりはわくわくしながら、ぬけあなをとおりました。
やがて、とうとうそとにでました。
「わーい!」
よろこぶのはまだはやいです。あなたたちのいばしょなぞ、わたしのちからをつかえばかんたんにわかります。みなさい、バッタたちがあなたのまうえからおりてきています。
「わあ!」
「覚悟しろ!」
覚悟なさい。
ところが、こん太はなにをかんがえたか、マッチをふたたびすり、まあちゃんのもっていたおかねをよこどりしました。
「何するの?」
こん太はなんと、マッチのほのおを、おかねにつけてしまいました。さつたばはもえて、あっというまにちりました。
バッタたちはおどろきました。こん太はいいます。
「見ろ!お前らに返されるべきお金が、灰になったぞ!目的の一つが完全に失われた今、もうお前らの役目はもうない!」
すなわち、このものがたりもやくめをうしなったのですね。
「作者め!このまま物語を終わらせる気か?終わる事はできないだろう。なぜなら前提が崩壊し、それにより当初の目的が崩壊した今、作者にできることは中断、それのみだ!だがいくら貴方が描写を中断しても、成り行きがまだ不完全である以上この世界は決して終わらない!皆、続きが気になるからだ!つまり続きがあるからだ!どうだ?作者め、今終わらせても、僕らの勝ちだ!」
おろかしい。
「それとも、皆の不評を買うべく、強制的に終わらせるか?やれるものならやってみるが良い!」
わたしがなんでもできる、というのをかれはすっかりわすれているみたいです。まあ、しかし、このままおわらせるわけにはいけませんが、でも一かいこわしましょう。はかいのあとのさいせい。はかいはさいせいのためにある。そう、せかいはゆれました。ゆっくりとくうかんがゆがみ、まあちゃんはじぶんが、じめんからあしがはなれていることに気づきました。
「こん太くん!」
「またやりなおすつもりだ!気を付けろ!」
「こん太…く…」
せかいはきりのようにかすみ、まあちゃんはそのまま、とびつづけました。