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法科大学院に貼り出された入学者への警告書き

作者: 八剣
掲載日:2026/08/03

これは、ある法科大学院に貼り出された「警告書き」です。法科大学院の新入生に宛てられたものだと思いますが、内容は企業法務に従事する弁護士を目指す者一般への警告だと思われます。

以下本文



この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ。


この門を叩く理由は様々だろう。しかし、多くの者は、社会的強者になるため、法曹という是認を得ようとしている。言い換えてみれば、ここにくる者は自らの手で強者にならず、国家的制度により法曹となり、自らを証明することを試みるのである。それゆえ、彼らは自らの肉体で荒野を切り拓く勇気を持たず、爪の間に絶望が入り込むのを病的に恐れて、都会にある清潔なガラスの塔へ逃げ込もうとする。


だが、自ら傷つくことを拒み、他者の痛みに共感できぬ知識など、インクの匂いしかせぬ無味乾燥な記号に過ぎない。彼らが貪る社会的是認は、先人が血を吐く思索で築いた遺産の残滓であり、それに便乗する大量採用の群れに未来はあるか。魂の響きを持たず、ただ法解釈を喋々するだけならば、いずれAIに駆逐されるのは歴史の必然である。


ゆえにこの門は存在する。


国家的権威に隠れて自己を証明しようとする者、ガラスの塔へ逃げ込もうとする仮面の強者に対して、この門は決して開かない。ここで求められるのは、泥濘に自らの手を汚し、血の滲む痛みに耐えながらも法という刃を握りしめる、精神と肉体の凄絶な覚悟のある者である。


この門を出た時、清潔なガラスの塔はもよや形もない。それは陽光を浴びてギラギラと身をよじる、冷徹な硝子の要塞であり、容赦なき白兵戦の戦場と化しているはずだ。


この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ。

この執筆者は、特定されていませんが、有力な容疑者として噂されている人物がいます。彼女自身、「清潔なガラスの塔」(俗にいう五大事務所)での勤務が内定しているようです。これは夢見る後輩への警告でもありつつ、彼女自身の抱負なのでしょうか。

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