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合わせ鏡が描く天弓(にじ)~卵から憧れのイケメン先輩が生まれちゃったんだけど、セーカクサイアクで困ってます  作者: 東條零
第一章 錬金術師の卵

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第7話 秘密の告白

 翌朝。


 あまりに緊張していたのか、素奈多は目覚まし時計が鳴るずいぶん前に目が覚めた。

 枕元には、なんの変哲もない卵がころんと転がっている。


 ふとんの腰のあたりが暖かくて手を伸ばすと、そこで丸くなってぐるぐるいっているのは、猫だ。


 素奈多はなぜだかほっとして、ゆったりと朝食をとり、猫が起きたときのためにミルクを皿に置いて、学校へ向かった。

 帰りに、猫用のカリカリを買って来なきゃ……と思った。



 学校で、花南に卵から猫が生まれた話をした。


「えー。じゃあ、その猫、おへそないかもよ?」


 もちろん、花南は、茶化すように大笑いした。


「猫のおへそって、どこにあんのよ?」

「そりゃあ、おなかでしょう」

「う……」


 花南はお嬢さん育ちのくせにドライなリアリストなので、はなっから、そんな漫画みたいなことは信じない。

 どちらかといえば、夢見がちな素奈多でも半信半疑なのだから無理もなかった。


「まあ、猫はともかくね……。ちょっと、試してみたんだ……」


 素奈多は声をひそめた。

 そして、もうひとつの卵に、九嵐先輩の髪の毛を入れてみたと告白した。


「先輩の髪の毛、入れちゃった」

「あらー……」


 花南は最初、驚いて目を丸くしたが、すぐに悪戯っぽく言った。


「もし、先輩が生まれたら、見に行くから教えてね」


 面と向かってそう言われると、素奈多もさすがに自信がなくて、「ははは」と乾いた笑い声をあげるしかなかった。


「そもそも、人間が卵から生まれるわけないじゃない? もちろん、おへそのない猫もね」

「ですよね~……」


「てか、先輩の髪の毛大事に持ってるとか、普通にキモいから」

「うっ」

「あんたの根性は認めるけど、ストーカーにだけはなんないでね」


 花南はドライに言って、次の授業の準備を始めた。


「ですよね~……」


 もう一度、小さな声で言って、素奈多は深いため息をついた。


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