表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第三話:フェンリルって犬?……シロ、君に決めた!

「もぐもぐ……ふぅ、食った食った。異世界松茸、おそるべし……」


お腹いっぱいで満足感に浸りながら、尻尾をパタパタさせていたその時。

「気配察知」がビビビッ! と反応したのだよ。ちょ、便利・・・なのか?


ガサガサッ! と茂みを割って現れたのは……。


「……デカい。狼? いや、犬?」


そこにいたのは、雪のように真っ白で、私の背丈を優に超える巨大なワンコ……じゃなくてオオカミ。

冷たい青い瞳が私を射抜いて、なんだかすごく強そう。

でも、その鼻先はクンクンと、私がさっきまで食べていた松茸の食べ残しを必死に追っている。


「……君も、お腹空いてるの?」


私が思わず、一切れの焼き松茸を差し出すと、その巨体はピクッと震えて……。

パクッ! と一口で飲み込んじゃった。

すると、信じられないことが起きたの。


『……うむ、美味。このわれにこれほどの供物を捧げるとは、殊勝な小娘よ』


「……しゃべったぁぁぁ!? ワンコが喋った!?」


『ワンコではない! 我は誇り高き伝説の魔狼、フェンリル……』


「はいはい、わかったよシロ。おかわりいる?」


『……シロ? 我、そんな安直な名前……?』


「えー、だって白いじゃん。分かりやすくてオッケー! 嫌なの?」


上目遣いで、ネコミミをちょっと伏せて聞いてみる。

あ、肉球ぷにぷにしながら。

すると、その伝説の魔狼(自称)さんは……。


『……くっ。……まぁ、呼びたいなら呼ぶが良い。シロ……悪くない響きだ(ボソッ)』


「あ、今『悪くない』って言った! 返事したね! よし、君は今日から私の忍犬にんけん第一号だよ!」


その瞬間、なんだか私の胸の奥と、シロの体がキラキラした光で繋がった気がした。


『……な、何!? 我としたことが、この小娘にテイム(従属)されたというのか!? 名前を受け入れて返事をしたばかりに……!』


「えへへ、私って万能? 火球が使えて、今度はテイマー? もしかして私、異世界でめちゃくちゃ勝ち組なんじゃ……」


しゅんとして座り込んでしまった巨大な白オオカミ(シロ)の背中に、私は「えいっ」と飛び乗ってみた。

おぉ……毛並みが最高。モフモフ。ミスリル鎖帷子の冷たさが気にならないくらいあったかい!


「よし、シロ! 忍者の相棒はワンコって決まってるんだよ。これからよろしくね!」


『……あるじよ、我は犬ではないと言っておろう……。はぁ、まぁ良い。これも何かの縁、この森を抜けるまで付き合ってやる』


「あ、シロ、そっちじゃないよ。あっちに『美味しそうな気配』がするから! 突撃ー!」


『……やはり食い意地か……』


私は日記帳を取り出し、揺れる背中の上でさらさらと書き込む。


*『○月×日。伝説の魔狼をゲットした。名前はシロ。モフモフで乗り心地最高。これで移動も楽ちん! 忍犬がいるなら、次はやっぱり……里とか、街とか、行きたいな!』*


---


「ねぇシロ、この先に人が住んでる場所ってある?」


『……ふむ。数里先に、人間どもの小さな集落があったはずだ。だが、その手前には厄介な縄張りを持つ連中もいるがな……』



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ