第93回東京優駿(日本ダービー)
第93回東京優駿(日本ダービー)東京芝2400M(左)雨 重
1 ヘルファイア 矢野裕太
2 ラバンダタイム 合田かのん
3 ラーゴムヘイル 久瀬優性
4 スターライトビート 武勇
5 ゴーイングメリー 祭田極方
6 ラストソング H.マスケ
7 ヴァイキングス O.テリエ
8 ノーストップデイ 吉田理人
9 グロリアドーロ 近藤流清
10 ゴドルフィンナイト 星野輝
11 ラスカルホクト C.ルメイラ
12 ファイナルハロン 田所裕二
13 イリーガルハイ 山本幹太
14 ドゥラチェスタ K.レーン
15 ライアンドーロ 河和田裕太
16 ロックトゥユー 出走取消
「三歳世代の頂点に、スターライトビートか、それ以外か、構図はまさに14対1。第93回東京優駿本馬場入場です。」
競馬の祭典の日とは思えないほどの土砂降り、グロリアは実はコレが初の重馬場で雨の日のレースだ。
「近藤さん、グロリアを頼みました!」そういうと厩務員は持っていた曳き手を取り外しコースへとグロリアが駆け出していく。
場内にはスターライトビートの2冠を見ようと18万5000人が駆けつけた。
「俺はやっぱりスターライトだわ。」「グロリアとかどうよw」「あいつはどうせ無理だろ、掲示板は行ったら奇跡だろwww」
河田はそんな声など聞き流しただ「頑張れ」と心のなかで念じていた。
国歌斉唱が行われついに拍手がだんだんと早まり陸上自衛隊のGⅠファンファーレが演奏されるにつれてそれと同様のテンポにまで落ち着き最後は大きな拍手へと変わる。
《競馬の祭典日本ダービー、今年は出走取消1頭で15頭で争われます、単勝一番人気はここまで無敗のスターライトビートが1.4倍です、2番人気は青葉賞の覇者ラバンダタイムで8.9倍で三番人気は朝日杯の覇者ノーストップで11.2倍です。さぁ今スターライトビートが収まって大歓声が湧きました、次にドゥラチェスタ、最後に13番のイリーガルハイが収まって、さぁ一生の一度夢舞台日本ダービースタート!!スターライトビートうまく出ましたおおっと1頭大きく出遅れ8番のノーストップデー大きく出遅れ最後方からの競馬です。さぁまず最初に行くのはゴーイングメリーが行きました!2番手にラストソングその外すぅ~とラバンダタイム。」
向正面に入ってグロリアドーロは中団の外側前から8.9番手につけている、そしてスターライトビートは思い切っていつもより前目の5番手を追走している。
「1000M60.9...かなり遅いタイムだ」
「1000Mの通過タイムは60.9秒かなり遅めのペース、さぁそして行った行ったスターライトビート遅いとみたか1頭ずつ交わして交わして早くも先頭のゴーイングメリーに並んだ!さぁ大欅を通過して4コーナーカーブ!先頭は2頭並んでスターライトビートとゴーイングメリー更にその外からラバンダタイムノーストップデイは依然として最後方!!!泥を蹴散らし三歳優駿が駆け抜けていく!先頭スターライトビートさらにはラスカルホクトも上がってきてヴァイキングスも来ている!ヴァイキングスが来ている!?しかし先頭スターライトビート!残り400!馬群が広がって後続が押し寄せる!外から上がってくるファイナルハロン!ヴァイキングが先頭に並びそうだ!さらにはなんと!!!!!」
河田は全力で叫んだ「行け!!!!!グロリア!!!!!!!」
しかし無常にもグロリアは動かない、やはり適性外だったか...............そう思ったのもつかの間
「外からグロリアドーロが来た!!!グロリア!?グロリア!?なんとなんとなんとグロリアが先頭に並んで交わした!!先頭グロリアドーロ!スターライトビートは現在2番手!!先頭は9番グロリアドーロ大波乱!大波乱になるのか!!!!」
河田は大絶叫、目の前が弾けた。しかしそれは長く続くものではなかった。
「しかししかししかし差し返す!!スターライトビートが内から伸びてくる!3冠に向けて流星がもう一度やってきた!これは一人旅!強い!!スターライトビート!!これが新たな歴史を作る馬、これがスターライトビートォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!」
最後はうちからスターライトビートが伸びてきて、ラスト100で一気に差し返される。
「1着は4番のスターライトビート!!3冠に向けて視界良し!!武勇馬上で大きくガッツポーズ!確定しました!1着4番スターライトビート!2着にはなんとグロリアドーロ三着にラバンダタイムです。やはり強かったスターライトビート!一度は先頭に立たれたもののとんでもない力で差し返しました!!!」
河田は一人顔を俯けていた、顔は見えないがきっと泣いているのだろう。
無常にも掲示板には1着スターライトビートの文字がくっきりと映し出されていた。