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戦士には名前が無かった。
産まれた時から奴隷の身で、物心が着いた頃には既に拳闘奴隷として毎日のように大人に混ざって闘っていた。
幼い子供が痛めつけられるのを観るのが好きなスキモノも多く、負ける度に痛む全身を押さえつけられ、相手戦士に犯された。いわゆる闇闘技場だ。
自由なんて知らないし、男が男に犯されることも当たり前だと思い込んでいた。
戦士が12歳になった頃、見知らぬ貴族の未亡人に買われた。そして飼われた。
その女は戦士を縛り付けて獣と交尾させたり、戦士と交わりながら別の奴隷に戦士を犯させたりしたが、1番好きなのは乗馬用のムチで戦士を打ちながら自身が上に乗り戦士を犯すことだった。
しかし1年も経つと戦士にも飽きたらしく、今度は剣闘奴隷として売り払ったのである。
今度は一歩間違えただけで、大怪我どころでは無く死が待っている。極限の環境で、戦士の五感は獣のように研ぎ澄まされて行った。
生きる喜びを何一つ知らないままに、生きるためだけに、彼は相手を打ちのめし、切りつけ、殺し、屍の上に立ち続けた。
17歳になる頃には、戦士に勝てる者は裏闘技場には居なくなった。
それから約1年後、18歳になった頃に聖女の神託が降りた。
戦士が勇者一行の一人であるというのだ。
この神託を機に闇闘技場は一斉検挙され、どれ位の所有が本来禁止されている国なため、奴隷達はみな、国の就労支援などを受けそれぞれの道を歩み始めた。
自由を知らなかった戦士が自由になった。しかし、次は国という檻に閉じ込められ、兵士達よりも数倍厳しい、まさに地獄のような訓練、扱きに身を投じさせられたのだ。
そんな中での戦士の唯一の心の支えは、聖女の存在であった。
城で顔を合わせると花のような笑顔で戦士に笑いかけ、傷ついた身体をその都度治してくれた。それは、今まで傷つけられ、虐げられ続けてきた戦士が聖女に初恋をするには充分な理由であった。




