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俺の妻が、近所のスーパーに買い物に行ってくると言って! 10年以上も、まだ家に帰って来ない!

作者: 七瀬






俺の妻が、近所のスーパーに買い物に行くと言って、

10年以上帰って来ない!

妻が居た時の子供達も今では長男は12歳、次男は10歳になった。

何故妻は? スーパーに買い物行ってくると言って帰って来ないのか?

最初は俺は、妻が連絡もなくスーパーから帰って来なかった為、

てっきり“何らかの事件に巻き込まれたと思い直ぐに警察に連絡した

のだが、どうにも事件性はないと言う話で終わってしまった。”




・・・だとしたら? “妻は自分の意志で家を出て行ったのか?”

まあ、100歩下がって俺の事はまだいい!

でも? まだ幼い息子達を置いて妻はこの家を出て行った事に未だに

俺は妻に対して腹が立っている!

子供を置いて出て行く“母親”なんてこの世の中に居るのか?

自分がお腹を痛めて産んだ子供に、愛情は感じないのか?

この家を捨て、今何処で妻は何をしているのか?

でも、俺はまだ諦めてはいない!

いつか妻はまた、この家に戻って来ると信じている!

息子達の為に、俺の為に。

妻の帰りを俺はいつまでも待っている。







 *






・・・でもそんな俺の淡い想いをこの家を捨てた妻が、“また裏切る!”

俺は偶然! 家を捨てた妻を見つけてしまった。

そして俺は咄嗟に妻に話しかけたんだ!




『・・・お、お前! 今まで何処に行ってたんだよ!』

『えぇ!?』

『“この男性ひとは?”』

『“俺の妻です。”』

『あ、あなた!』

『・・・前の旦那さんとは、もう別れたって、』

『ごめんなさい、籍はまだ入ったままで、、、。』

『じゃあ、今も未希の旦那さんなんだね。』

『・・・あぁ、ううん、』

『家に帰ろう! 息子達もお前に会いたがっているんだよ、

俺もずっとお前に会いたかった。』

『“ごめんなさい、もう家には帰らないわ、この男性かれと一緒に

生きていくと私は決めたの!”』

『・・・男性かれ?』

『私はあの家を出て、彼と8年以上一緒に暮らしているの。』

『・・・こ、この男性ひとと?』

『えぇ!』

『“スミマセン、何も知らなかったとはいえ、僕は彼女を心から愛して

います! だからこの先は彼女と一緒にささやかでも幸せに暮らして行け

たら、それでいいと思っているんです!”』

『ミツさん、そんな風に私の事を想っていてくれたんですか?』

『勿論だ! 僕は君をどんな事より大事に想っているんだよ。』

『ありがとう。』

『・・・もう家には帰って来ないという事か?』

『ごめんなさい、』

『でも? “息子達はどうするんだ! 母親が居なくて寂しい想いを

させてる事をお前は、なんとも想わないのか?”』

『“子供の為に、彼女の人生を犠牲にさせるおつもりですか?”』

『あんたは黙ってろ! “これは! ウチの家族の問題だ!”』

『彼女はもう僕と生きていくと誓ってくれたんですよ、それでも

他人だからと言えるんですか?』

『・・・・・・』

『“息子達には、たまに会いに行きます! それならいいですか?”』

『何故、家に帰って来れないんだ? 急にスーパーに買い物に行くと言って

10年以上も、な、なんで、、、?』

『“あの時は、もう限界だったんです! 子育てに追い込まれていて、

あなたに話そうと何度もしたけど? 仕事で疲れた、また今度にしてくれと

言われて、私は益々、子育てに疲れて、だから、”』

『仕方なく、子供や家を捨てたのか? それが言い訳になるのか?

もう一度! ちゃんと考え直してほしい! 息子達は大きくなって

きっとお前の力になってくれると俺はそう信じてるんだ!』

『“一層の事! もう私と離婚してください、私はあなたとは二度と一緒

にはやっていけない、”』

『な、なんでだ? 何が理由なんだよ! ちゃんと理由を言えよ!』

『仕事、仕事と言って! 私の話を何一つ聞いてくれなかった、当時の私は

子育てのストレスで髪が抜け、円形脱毛症にもなっていたの、あなたは私の

何を知っているの? 何も見てくれてなかったあなたに何が分かるの?』

『じゃあお前は息子達の何を知ってるんだ? 長男が幼稚園にあがった時や

次男が初めて立った時もお前はいなかっただろうが、、、!』

『やめてください、もうこういうのはやめましょう。』

『・・・・・・』

『また連絡をしたいから、連絡先を教えてくれないか?』

『“僕のでいいですか? 何かあったら僕から貴方に連絡します。”』

『・・・あぁ、分かった、それでいいよ! また連絡する。』

『えぇ!』

『では、失礼します。』

『あぁ、』







・・・こんな俺でも一つだけ分かった事がある。

妻と改めて話した時に分かった事だ!

“当時から既に妻は俺への愛情はなくなっていたのだと知った。”

育児ストレス、円形脱毛症、妻はもう心も体も限界だったんだと。

だから家を出て行く選択しかできなかったのだろう。

“ただ、息子達の事は今でもずっと置いて出て行ってしまった事を後悔

している事も知った。”




全ては俺が何にも妻にしてやれなかった事が原因だったと俺も後悔している!

俺はあの日の夜、妻と付き合っている男性に連絡を取り、妻に息子達と会って

ほしいと頼んだら? 妻は息子達に会いに久しぶりにこの家にやって来た。

大きくなった息子達を見て、妻は泣き崩れてしまう。

息子達もそんな妻にどうしていいのか分からず、冷たくあしらってしまうが、

そこは父親の俺が中に入り、妻と息子達の仲を取り持った。




・・・そうすると? 不思議なモノだな。

自然とやっぱり親子だなと、“母と息子達の関係が出来ていったんだ。”

その様子を俺は見て! 妻に離婚届を出し、たまにこの家に帰って来て

息子達との時間を取るように言ったら? 妻は俺に何度も感謝の言葉を

言って泣いていた。


“今は別々のお互いの幸せを重視するようになった。”

妻には男性(かれ)が居る!

俺には息子達が居る。


そういう関係性も俺は悪くないと思うようになったのかな。

幸せのカタチは、“決して一つではないのだろうなと俺はそう

思うようになったからだと思うんだ。”



最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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