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【シン屋根裏の散歩者】  作者: 石田ヨネ
第二章 調査、刺青のローションの恐怖

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5 【ムワ、ァリオの床】




          (1)




 その日の夜。

 綾羅木定祐と上市理可のふたりは、とりあえず、怪人に関して調べることにした。

 しかし、怪人たちの気配を探るといったものの、あろうことか――、そこは新宿のラブホテルだという。

 スタイリッシュかつ歌舞伎な和室スタイルの部屋には、【歌舞伎町】をイメージしてか――? 【一番街アーチのように空間造形された赤い実、赤い花の活け花】――

 それから、ハジケた盆栽と――

 また、それら活け花の背景には、こちらも新宿を象徴するホテル――【幾重にもなって天へと伸びる、青いLEDの水平線が特徴的なアレ】――をイメージしたのだろう、茶室のような土壁に、線状の青いガラスが水平に何本も埋め込まれるというガラスアートが、何とも洒落ていた。

 まあ、そんな、【歌舞伎でスタイリッシュなラブ・ホ】のインテリアについてはそこそこに、



「――と、いうわけでだ、このドラえもん野郎」



『はぅ、』

 と、綾羅木定祐は、妖狐の神楽坂文と電話をしていた。

 なお、テレビ電話で様子を見るに、やはり妖狐は【箱根】に小旅行中だった。

「いまから、この【ラブ・ホ】で調査をするわけだが、屋根裏、天井裏を調査するのに、何か都合の良い妖具を出してくれよ? あ、タケノコ、忘れてないよな?」

「そっすよ。ずいぶん、いい温泉に入ったんでしょ? それくらい、出してよね。あっ? ちゃんと、タケノコ掘ってきてよね」

 と、ふたりは念を押しつつ、

『ふむ? 何だ? 貴様たち、ラブホテルにいるのか? いや、なかなか良いラブホテルではないか? どうだ? 色んなプレイも――、ソフトSMや医療プレイ、それこそカンチョープレイも、やりたい放題だぞ?』

「だってさ、綾羅木氏? どうする?」

「どうするじゃねぇよ。てめぇら、頭の中ドラ焼きでできてんのか?」

 と、綾羅木定祐だけが、つっこんだ。


 本題に戻って、

「で? 何か、良い妖具があるのか? どうなんだ? この、くそドラ焼き野郎」

『屋根裏・天井裏を調べるのに、妖具がいるだと? 貴様たち、いちおう異能力者だろうに?』

「まあ、そうだが、……しかし、この狭い天井裏をどうやって異能力で調べればいいのだ? 入って、動くだけでも大変だぞ」

『ふむ』

 と、妖狐は電話越しから、ラブ・ホの天井の方を透視してみる。

 天井板とコンクリートスラブの間の空間は一メートルもなさそうで、なおかつ、配線や配管の多い空間。

 綾羅木定祐の言うように、狭く、移動しにくいのは間違いない。

「それか、何か、魔界植物とか、ちっちゃい魔獣でも召喚してくれないか?」

「それ、良いし。それだと、私たちが天井裏に入らなくて済むし」

『また、ラクすることばかり考えおって、この怠け者ども』

「フン、呑気に箱根に行ってるお前に、言われたくないんだが」

 綾羅木定祐が、嫌味を言う。

 すると、


『やれやれ、仕方ないな……。【ムワ、ァリオ】の床――!!」


 と、妖狐が言うと同時、

 ――ホ、ワンァッ……!!

 と、仄かな光のオーラのようなナニカが――、綾羅木定祐と上市理可のふたりの下から、まるで、コピー機をスキャンするかのように走った。

「「【マリオの床】――、とな?」」

 ふたりが、声を揃える。

『ふむ、そのとおりだ。妖具を出すでのなく、貴様たちに、妖力を掛けさせてもらった。ある種の、【空間変化型の異能力】とでもいうべきか――』

「【空間変化型の異能力】、だと? それで、どうなるわけだ? クソダヌキ」

『まあ、簡単に説明する。この能力をかけた貴様たちに対する、空間の、あらゆる【水平物】がな――、【ファミリコンピュータ】の、【マリオの床】のような【判定】に変わるのだ。天井であれ、床であれ、ぶつからずに、すり抜けたりすることが可能になる――』

「ああ……、何となく、イメージできる、かも」

 と、上市理可が確かに、ファミコンもしくはスーパーファミコン版のマリオを思い浮かべる。


「何だ? すると、ここからジャンプすることで、天井板をすり抜けて侵入でき……、なおかつ、上のコンクリートスラブに、頭をぶつける心配もないのだな?」

『そのとおりだ。まあ、ものは試しだ。とりあえず、私は箱根でのんびりしているから、あとは、貴様たちで何とかしろ。カスども』

 と言って、妖狐は、そのまま電話を切った。

「ちっ、切りやがったし、あのクソドラ焼きポンコツダヌキ」

「ああ、ムカつく。こっちは、これから調査だってのに」

 と、ふたりはイラつきながらも、

「まあ、仕方ないな。とりあえず、試してみるか? 理可氏」

「はぁ、仕方ないわね……」

「しかし、ラブ・ホで皆が盛り合ってる中、我々は仕事をしているんだよな?」

「そう考えると、やっぱ、ムカつくね。あぁ~あ……、あったかい、お風呂で、エッチするん、だろな♪」

「僕も帰ろ、お家へ帰ろ……、ああ、帰りて」

 と、【昔話のようなナニカ】を口ずさむ上市理可に、綾羅木定祐も続きつつ、

「とりあえず、いくか」

「「せぇーのぉ……!! 暖かい・お風呂で・エッチするん、だ!! ろ!! な!!」」

 と、ふたりは勢いよく、ベッドから天井に向かってジャンプした。




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