30 常人であれば、心の折れる重症クラスの耐え難いダメージ
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「遅いし! 綾羅木氏! こっちは大変だったからね! ほんとコロす! ほんとコロす! 教育×死刑!」
「ま、まあまあ! そう怒るなって、理可氏」
開口一番、綾羅木定祐は上市理可に恨み言のように文句を言われる。
そのようにしながらも、ふたりは根占三四子のほうを指して、
「さて? これで、今度は貴女のほうが二対一だけど? 三四子たん!」
「そうだぞぉん、三四子たん! 観念して、お尻をペロペロさせるのだぁッ! ウィヒヒヒィィッ!!」
「は? それが何? ていうか、私の相方を解放してよね!! 変態コンビ!!」
根占三四子が、不快な表情をして声を荒げるも、
「はぁ、そしたら? もう観念してタイーホされなさいよ? 三四子たん!」
「そうだぞぉん! だから、観念して、お尻の〇をペロペロさせるんだって! ウェヒヒ!! ウェヒヒ!!」
「うっげぇッ!! それは流石にピー・ワードだって、綾羅木氏!! それはほんとにキモすぎ!!」
「ああ、もう!! うッるさいわね!! アンタたち!!」
とここで、ついに根占三四子がキレる!
その勢いのまま綾羅木定祐へと向かって突進し! 凶刃のようにアイスピックを振るいにかかる!
「うッ!? うおぉぉんッ!!」
綾羅木定祐も、その攻撃の速さと勢いに思わず驚く!
「ほらほらほらァァッー!! 貴方も穴だらけにしてあげるわ!!」
根占三四子が狂人の笑みで叫びつつ、目にも止まらぬ連撃を見舞う!!
その攻撃力は、たとえ異能力者であっても回避・防御は容易ではない!!
しかし、
「うっ! うわぁぁん!! 激しいんッ!! 激しいよォォン三四子ォッ!! もっと突いてもっと突いて!! もっと激しいのちょうだい!!」
「だあ”ぁぁ”ッ!! ほんッと!! キモすぎッ!!」
と、綾羅木定祐は全力でキモく振舞いながらも、何とかかわし、根占三四子をドン引きさせつつ苛つかせる!
なお、その綾羅木定祐の回避力であるが、達人の居合を避けることも余裕であり、少し頑張れば散弾さえも避けて見せるほどの力を持つという!
ただ、その綾羅木定祐の回避力を以ってしても、根占三四子は激しい連撃で圧す!!
そうして一突き、
「ほらッ!! これはどう!?」
と、より高速の、電光石火の攻撃を根占三四子は繰り出す!!
しかし、それを綾羅木定祐は見切った――
「お”っしゃぁぁ!! 三四子たんのお尻の〇ペロペロォォッ!!」
と、身を屈めたバックステップとともにかわした、その刹那――
ガツン――!!
「うぐぉっ!?」
と、綾羅木定祐は、恐らく小指と思しき箇所を、ナニカ角にぶつけた。
「ぐッ!? ぐわぁぁぁ!!!」
綾羅木定祐が、思わず叫び声を上げる!
常人であれば、心の折れる重症クラスの耐え難いダメージ。
だが、次の瞬間、
「がぁぁーッ!! 死ィィにさらせぇぇッ!!」
「ちぃッ――!?」
と、どこから出したのか、警棒を振り上げて反撃にかかり、根占三四子を驚かせて一歩引かせる!
「え!? 何その豹変!? さっきまでア〇ルペロペロとか言ってたじゃん!?」
「おいッ!! 完全にピー・ワード振り切ってるぞ!! 理可氏!!」
驚きつつも一発アウトなワードを出す上市理可に、綾羅木定祐が一喝する!
ただその間も、根占三四子はさらに次の攻撃をしかけてくる。
「ああ”!! ほんとッ!! いい加減にしなさいよッ!! アナタたち!!」
今度は上市理可にアイスピックの連撃を浴びせるも、
「ちょっと! もうこれで終わらせるよ! 綾羅木氏!」
と、上市理可は回避しつつ、ここでクソダヌキこと妖狐の妖具より、魔界植物を召還する!
――シュババッ!!
と、放たれる蔓バラのごとく、歪な魔界植物が根占三四子を包みこむ!
「うぐッ!? な、何よ!? これッ!?」
と、その根占三四子は回避することができず、魔界植物によって捕縛されてしまっていた。




