28 尻フェチであるのか、定かでない
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そのようにして、場面は再び変わる。
綾羅木定祐が上のほうを、上市理可が下を調べることになった。
その綾羅木定祐だが、先と同じような形で、上階の屋根裏というか天井裏という天井裏を縦横無尽にめぐり、根占三四子を追跡していた。
「まったく、めんどくさいことしおって。絶対、お尻ペロペロしてやっからな、三四子たん」
と、匍匐前進の形をしながら、真顔で綾羅木定祐が言う。
それは、ふざけて言っているのか、はたまた多少変態の気が入った尻フェチであるのか、定かでない。
ただ、傍から見たら、たぶんヤバいヤツだろう。
そのようにして、しばらく調べてみるが、
「しかし……、全然、いる気配がないな。三四子たん」
と、綾羅木定祐は呟いた。
確かに、根占三四子がいる気配を感じない。
そうしていると、また妖狐からの通信が繋がる。
『――たぶん、下だぞ、ゴミ芥』
「ああ”? 何で、分かんだよ? ドラ〇もん野郎」
『ふむ。“葛葉”と、建物のあらゆる配線や配管、鉄筋を接続してな。それを、特別調査課のコンピュータを拝借して可視化している調べているのだ』
「先に言えってんだよ! このクソボケポンコツクソダヌキ!」
『フハハ』
「フハハじゃないが! 真面目にやれってんだよ! クソが! 三四子たんのお尻ペロペロできないじゃないか!」
綾羅木定祐が、苛立ちつつ、
「ちっ、無駄骨だったでないか、クソダヌキ」
『まあ、そう言うな。いま、分かったことだから、仕方ないだろう』
「そう言いながら、何食ってんだよ? この、ドラ〇もん野郎」
と、テレビ電話のように映る妖狐であるが、優雅にコーヒーと、ドラ焼きを喰っていた。
「まあ、そうすると、根占三四子は下にいる可能性があるということでOKなんだな?」
『ああ、そうだ。早く、貴様も下へ行くのだ』
そうして、妖狐からの通信は切れる。
「まったく。何が、下へ行けだ、あのクソポンコツダヌキ」
綾羅木定祐はイライラしながらも、
「まあいい……、とりあえず、のんびり行くとするか。ある意味、このまま面倒なことは理可氏に任せて、少しラクさせてもらおっと」
と、打って変わったように開き直り、ニヤニヤしながら独り言を言う。
そんな、サボりモードをあらわに、綾羅木定祐は急ぐことなく、敢えて時間をかけて下へ向かうことにした。
***
そういうわけで、場面は、上市理可のほうへと変わる。
「ま、みぃ、むめ、みぃよこぉぉ……。ハァ、ハァ……、疲れるし」
上市理可は、天井裏を屈むスタイルで、根占三四子を追っていた。
そんな中、
「――んっ!?」
と、これは先ほどと同様――
爆弾の気配に、上市理可は気づく。
刹那、
――ボ、ンッ!! ボン、ッ!! ボンッ――!!
「おわっ!」
と、一瞬慌てる声が出るも、炸裂する爆弾の間隙を縫うように回避する。
そうして、受け身の体勢をとった。
しかし、まだ仰向け状態から復元していないところへ、今度は、
――ポワ、ンッ――!
と、上から開いた空間の穴から、例のキツツキが現れ、
ーーザシュッ――!!
と、鋭く突きしてくるように、襲いかかってくる!
「ううッ!? こ、ここでキツツキ!?」
上市理可は不意打ちされながらも、寸でのところでそれをかわす!
そのまま、
「くっ! ここじゃマズいし!」
と、このまま狭い天井裏では分が悪いと判断し、下の階へとすり抜けて降りる。
そうして、
――シュタッ……!
と、上市理可が研究室の一室に降り立つ。
だが、その刹那、
――シュッ――!!
「――!」
と、ナニカ小さいものが、すなわち小型爆弾が数個ーー! 自分を囲うように放たれる!
またそれだけでなく、
――バサバサ!!
と、またしてもキツツキが、上市理可の頭部を突き刺そうと襲ってくるという!
「ちょっ!! 何でさっきから!!」
上市理可は叫びながらも、何とか連続的な攻撃をかかわす。
そんな上市理可の前に、白衣姿の根占三四子が再び現れる。
「何? 貴女のほうが、私に追いついたのね?」
根占三四子が、聞く。
その目つきは先ほどより鋭く、攻撃的な顔になっているのが分かる。
対して、
「はぁ? ――てことは、私の追跡ルートのほうが当たりだったってこと? 何? そうすると、私ばっか大変だったことになるんだけど? ああ、ムカつく。綾羅木氏コロす、綾羅木氏コロす」
と、上市理可だが、怒りの矛先を目の前の根占三四子でなく、綾羅木定祐に向けていた。
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