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【シン屋根裏の散歩者】  作者: 石田ヨネ
第七章 決着

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28 尻フェチであるのか、定かでない


          ***


 そのようにして、場面は再び変わる。

 綾羅木定祐が上のほうを、上市理可が下を調べることになった。

 その綾羅木定祐だが、先と同じような形で、上階の屋根裏というか天井裏という天井裏を縦横無尽にめぐり、根占三四子を追跡していた。

「まったく、めんどくさいことしおって。絶対、お尻ペロペロしてやっからな、三四子たん」

 と、匍匐前進の形をしながら、真顔で綾羅木定祐が言う。

 それは、ふざけて言っているのか、はたまた多少変態のが入った尻フェチであるのか、定かでない。

 ただ、傍から見たら、たぶんヤバいヤツだろう。

 そのようにして、しばらく調べてみるが、

「しかし……、全然、いる気配がないな。三四子たん」

 と、綾羅木定祐は呟いた。

 確かに、根占三四子がいる気配を感じない。

 そうしていると、また妖狐からの通信が繋がる。

『――たぶん、下だぞ、ゴミ芥』

「ああ”? 何で、分かんだよ? ドラ〇もん野郎」

『ふむ。“葛葉”と、建物のあらゆる配線や配管、鉄筋を接続してな。それを、特別調査課のコンピュータを拝借して可視化している調べているのだ』

「先に言えってんだよ! このクソボケポンコツクソダヌキ!」

『フハハ』

「フハハじゃないが! 真面目にやれってんだよ! クソが! 三四子たんのお尻ペロペロできないじゃないか!」

 綾羅木定祐が、苛立ちつつ、

「ちっ、無駄骨だったでないか、クソダヌキ」

『まあ、そう言うな。いま、分かったことだから、仕方ないだろう』

「そう言いながら、何食ってんだよ? この、ドラ〇もん野郎」

 と、テレビ電話のように映る妖狐であるが、優雅にコーヒーと、ドラ焼きを喰っていた。

「まあ、そうすると、根占三四子は下にいる可能性があるということでOKなんだな?」

『ああ、そうだ。早く、貴様も下へ行くのだ』

 そうして、妖狐からの通信は切れる。

「まったく。何が、下へ行けだ、あのクソポンコツダヌキ」

 綾羅木定祐はイライラしながらも、

「まあいい……、とりあえず、のんびり行くとするか。ある意味、このまま面倒なことは理可氏に任せて、少しラクさせてもらおっと」

 と、打って変わったように開き直り、ニヤニヤしながら独り言を言う。

 そんな、サボりモードをあらわに、綾羅木定祐は急ぐことなく、敢えて時間をかけて下へ向かうことにした。


          ***


 そういうわけで、場面は、上市理可のほうへと変わる。

「ま、みぃ、むめ、みぃよこぉぉ……。ハァ、ハァ……、疲れるし」

 上市理可は、天井裏を屈むスタイルで、根占三四子を追っていた。

 そんな中、

「――んっ!?」

 と、これは先ほどと同様――

 爆弾の気配に、上市理可は気づく。

 刹那、


 ――ボ、ンッ!! ボン、ッ!! ボンッ――!! 


「おわっ!」

 と、一瞬慌てる声が出るも、炸裂する爆弾の間隙を縫うように回避する。

 そうして、受け身の体勢をとった。

 しかし、まだ仰向け状態から復元していないところへ、今度は、


 ――ポワ、ンッ――! 


 と、上から開いた空間の穴から、例のキツツキが現れ、

 ーーザシュッ――!!

 と、鋭く突きしてくるように、襲いかかってくる!

「ううッ!? こ、ここでキツツキ!?」

 上市理可は不意打ちされながらも、寸でのところでそれをかわす!

 そのまま、

「くっ! ここじゃマズいし!」

 と、このまま狭い天井裏では分が悪いと判断し、下の階へとすり抜けて降りる。

 そうして、

 ――シュタッ……!

 と、上市理可が研究室の一室に降り立つ。

 だが、その刹那、


 ――シュッ――!!


「――!」

 と、ナニカ小さいものが、すなわち小型爆弾が数個ーー! 自分を囲うように放たれる!

 またそれだけでなく、

 ――バサバサ!!

 と、またしてもキツツキが、上市理可の頭部を突き刺そうと襲ってくるという!

「ちょっ!! 何でさっきから!!」

 上市理可は叫びながらも、何とか連続的な攻撃をかかわす。

 そんな上市理可の前に、白衣姿の根占三四子が再び現れる。

「何? 貴女のほうが、私に追いついたのね?」

 根占三四子が、聞く。

 その目つきは先ほどより鋭く、攻撃的な顔になっているのが分かる。

 対して、

「はぁ? ――てことは、私の追跡ルートのほうが当たりだったってこと? 何? そうすると、私ばっか大変だったことになるんだけど? ああ、ムカつく。綾羅木氏コロす、綾羅木氏コロす」

 と、上市理可だが、怒りの矛先を目の前の根占三四子でなく、綾羅木定祐に向けていた。



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