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【シン屋根裏の散歩者】  作者: 石田ヨネ
第六章 対決、シン屋根裏の散歩者

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24 パチンコのハンドルを握って絶命する時の手

 そうして、振り返るところ、話の内容はこうである――


         ***


 ーー日付が変わるより、少し前のこと。 

「「郷田が、狙われるだって?」」

 声をそろえた綾羅木定祐と上市理可のふたりに、

「ああ」

 と、妖狐の神楽坂文が、ドヤ顔で答えた。

 ふたりが面喰らったような顔している中、妖狐は続けて、

「そこでだ、“それ”を逆手に取るのだ」

「“それ”を逆手に取るって、どういうことよ? ドラえもん野郎」

「そうよ。具体的に、何をどうするわけ?」

「ふむ。もし、郷田が狙われるとすれば、先ほどのヤタガラスの調査で浮上したキツツキが、犯行現場の屋根裏・天井裏に現れるだろう。そして、その現れたキツツキをさらに追跡すれば、キツツキを操っている主――、すなわち、真犯人に辿りつけると思われる」

「「まあ、そうだねー」」

 と、そろって相槌するふたりに、妖狐はさらに続けて、

「ただ、その際に問題なのは、もし郷田が爆殺されるのを防げば、さすがにキツツキの主は警戒するだろう。そうして、真犯人が、妖狐の存在に気がついてしまったら、これ以降の犯行で尻尾を表わしにくくなるかもしれないし……、もっといえば、今後しばらく犯行を行わなくなり、真犯人にたどり着けるチャンスが激減してしまう可能性がある」

「何? そしたら、逆にいえば、郷田を爆殺すれば、犯人は油断してくれる可能性があるってことよね?」

 と、上市理可が聞き、

「そうだな……、じゃあ、このまま、郷田を見殺しにするか? 理可氏」

「そうですねー。いやはや、この度はご愁傷様でした」

 と、ふたりは、郷田を見捨てる方向で考える。

 そんなふたりに、

「ほんと、お前ら、ゴミだじょ」

 と、妖狐ですら、軽く引いた。

「何だよ、その『じょ』って? ああ”?」

「ちょっと、ウザすぎるんですけどー、ドラえもん」

 ふたりは妖狐の「ゴミだじょ」に微妙にイラつきつつ、続けて、

「じゃあ、聞くが、クソダヌキ……、何か、良い手でもあるのか?」

 と、綾羅木定祐が、改めて聞いた。

「ふむ……?」

 妖狐は、空を仰ぐようにして、少し考える仕草をしながら、


「ある――。そいつは、『郷田が死んだ』と、偽装するのだ」


「「死んだーーと、偽装するとな?」」

 と、一呼吸あけて言った妖狐に、再びふたりの声がそろう。

「ああ。ある妖術を使えば、完全に、郷田の爆殺が成功したように“カモフラージュ”することが可能でな。そうして、気分よく帰ったキツツキをひそかに追跡することで、キツツキの主ーー、つまり、真犯人に辿りつけるだろうと思われる」

「「はぁ、」」

 と、ふたりは相づちしつつ、

「それで、その、郷田に向かって穴から爆弾が投下される際の死亡の偽装――、そいつは、お前がやるんだよな? クソダヌキ」

「まあ、そうだろうな」

「え? そしたらさ、ドラえもん? その、キツツキを追跡して、真犯人を捕まえるのも、ドラえもんがやってくれるの?」

「お、そうだ。お前、やれよ? クソダヌキ」

 ふたりは、当たり前のように、妖狐に求めるも、

「ん? 何を言っているんだ、お前たちは? そんなの、お前たちがやるに決まっているだろうが、このゴミ芥ども」

「「はいぃ?」」

 と、妖狐の言葉に、ふたりは某特命課刑事のようなイントネーションで反応して見せた。


          ***


 ――と、ここまでが回想である。

 そうして、研究室の、根占三四子と対峙している場面に戻る。

 

「――で? 要するに、私を、捕まえるってこと?」


 と、確認するように聞く根占三四子に、

「うん。この手で、つかまえさせてもらうぞ」

「それ、おっ〇いを鷲掴みの手の形じゃなくて、パチンコの手だね」

 と、綾羅木定祐は、何かエッチな形の鷲掴みの手、もといパチンコのハンドルを握って絶命する時の手の形を作ってみせる。

 そして、

「そういうわけで、だ――、三四子ぉ。貴様を、捕まえにかかるぞ、うぃひひひ……!」

「テンションあげて、捕まえるからね、三四子。うぇひひ」

 と、迫る綾羅木定祐と上市理可のふたりに、根占三四子が動く。

「しゃあないね……。それじゃあ、いっちょ! 捕まえてみて!」



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