6. ゴブリン
「やべぇ、全然進めねー」
簡易鑑定が有用すぎました。
最初食べ物を集めると考えたとき、うさぎ肉やアボカドならばともかく、香辛料や薬味なんてそう都合よく見つかるはずがないと考えていた。
しかし、森を歩くと見つかる、見つかる、食べられるものが。
森の恵みってやつだな。
『ネギ』『生姜』『にんにく』『シナモン』『わさび』『ごま』『唐辛子』『胡椒』『玉ねぎ』『トマト』『ナス』『レモン』『バニラ』・・・っぽいものが。
どんな生態系してんだよ、この森。
流石異世界、さすいせ!・・・変だな、止めよう。
おそらく、このバラエティに富んだ森の恵みも、ゲームの売りだったのだろう。
どうも簡易鑑定というのは俺の知識に依存して説明できるものと、できないものがあるらしい。
俺が全く知らない植物に関しては、可食かどうかぐらいしか情報が出てこなかった。
「お、りんごだ、すっぺ」
食べ物の問題はクリアしたようなものだが、問題点が2つ。
1つは、想定以上に食べられるものが見つかるため、採取に時間が取られ、なかなか進むことができないこと。
ある程度採取したら、あとは無視して先に進めばいい?
いや、無理よ。
見つけたら嬉しいし、採れたら楽しいんだもん。
自然のトラップというのはこういうことを言うのかもしれない。
2つ目が食べ物が酸っぱいし、苦いし、辛いのだ。そしてたまに臭い。
日本の品種改良が繰り返された食べ物に慣れてしまった、俺のグルメタンには野生の食べ物は味が荒い。
加工されていない香辛料をバランスよく調理するスキルなんて俺にはない。
俺は、美味しいご飯が食べたいんだ。
これが2つ目の問題。
あ、あと背嚢がもう一杯。3つだったわ、ごめん。
「調合取得、シナモンを加工と。できたわ」
かなり素材としては荒いが、一応形にはなっている。
りんごにかける、なんかちょっと苦いけど、うまうま。
新しく取得した調合スキルで、主に香辛料を加工できないかと試してみたが、抽出と粉末化はどうにかできるようだ。
バニラを抽出した時は、甘い匂いのエッセンスがその場に垂れ流しになり、あたり一面に甘ったるい匂いが漂ってしまった。
「お、うさぎ」
投石、貫通、ドロップ。
まさか投擲無双の時代が来るとは、高校野球は裏切らない。
レベルも8になった。
左手でリンゴを齧りながら、視界に入ったうさぎをスナイプする。あ、右利きです。
もはや、雑魚と化したうさぎのドロップを確認する。
「また、肉か。おいていこう」
もったいない気がするが、肉と毛皮はもう十分持っているので、拾わないことにしている。
魔石だけを背嚢に詰め込むが、もう本当に一杯だ。
「工作スキルをとって籠を作る手もあるけど、これ以上荷物が重くなるのもなあ」
初期装備で持たされた背嚢だが、中身は大して入っていなかったが、容量はかなりのもので、既に重さは10kgを超えているだろう。
これ以上は本当に進行速度に影響してしまう。
「とりあえず、荷物を減らすために昼飯にでもするかな」
1食程度では誤差の範囲だが、もう太陽は真上に来ているし、かなりお腹も空いた。
夜の活動時間が短いことも考えて、昼飯は豪勢にしてしまおう。
火をおこし、うさぎ肉を枝にさす。
今日はこれにごまとローズマリーを潰して胡椒を混ぜたハーブもどきを揉み込む。
やっぱり塩が欲しいな。胡椒があったのはラッキーだけど。
さらにアボカド鍋を使いうさぎ、玉ねぎ、にんじん、ブロッコリーのトマト煮を作る。
大学生になって始めたファミレスのキッチンアルバイトのおかげで、それなりに料理はできる。
意味のわからない横文字食材を覚えたことが、簡易鑑定にも活きている。
「すげー、うまそーな匂い」
昨日とは全く違う、料理の匂いがあたりに立ち込める。
「・・・ィィ」
あと少しで完成というところで、遠くから何かの声が聞こえる。
急いで気配感知をその方向に向けると、はっきりと生物の気配が感じられた。
「これは、うさぎじゃないな」
これまで何度も戦ってきたうさぎの気配は、さすがにわかる。
この気配は多分うさぎよりでかい。
「それに一匹じゃないな」
まずいかもしれない。
気配は真っ直ぐこちらへと向かってきている。
間違いなくこの料理の匂いが原因だろう。
流石にサクラも森の中で料理を行うことのリスクは考えていた。
しかし、この周辺にはうさぎの気配しかなく、あまり匂いで獲物を探すタイプではないようだったので、軽く考えてしまっていたのも事実だ。
「初見の魔物を複数相手にはできないな」
ここは逃げるべきだろう。
しかし、せっかくこれまでみたことのない魔物との遭遇である。
それにこの魔物おそらくだが、そこまで強くない。
1匹程度ならば相手にしても問題がなかっただろう。
「この辺りなら、隠れられるな『クリーン』」
ちょうどいい茂みを見つけ、自分の匂いを消す。
近くには登りやすそうな木もあるため、いざとなれば上に避難して投石でやり過ごそう。
「そういえば、初めて使うな」
これまで一度も使ったことない消息だが、何もしないよりはましだろうと行使する。
消息を使った途端、感じられる気配に少し揺らぎが感じられた。
(危ない、相手もこちらの気配を感知していたのか)
相手の接近速度が少し上がる。
サクラが進んできた道を真っ直ぐとたどり、近づいてくる。
随分と前から追跡されていたのかもしれない。
それだけ優れた感知能力を持つ相手に、この消息がどこまで機能するか不安になる。
かなり気配が近い。
「ギギィィ」
(ゴブリンだ、あれ絶対ゴブリンだ)
簡易鑑定『ゴブリン:ゴブリンです』
現れたのは子供のような体格で、腹が大きく膨らんだ餓鬼のような姿をした緑色の化生。
腰に汚らしい布を巻き、毛皮を首にかけ、木の棍棒を持ったまさしくゴブリンといった出立ちをしている。
(なんだあいつ)
そのゴブリンたちの最後尾から、綺麗な衣服を身に纏い、豪華な装飾のネックレスと、立派な装飾剣をこれ見よがしにつけているゴブリンが現れた。
おそらくグループのボスにあたる存在だろう。
1匹だけまともなものを身に纏っているが、形だけ人間の真似をした姿はあまりにも怪奇で醜悪なものだった。
(6匹か、多いな)
武器を装備したゴブリンを6匹相手にするのは無理だろう。
このままやり過ごそうと思っていると、ボスゴブリンが他のゴブリンに指示を出している。
その指示されたゴブリンは抱えていた荷物を下ろし、サクラの料理に恐る恐る近づいていく。
(野生で生きているだけあって、警戒心が強いなって、あれ?)
ゴブリンたちの様子を観察していたが、ここで周りに甘い匂いが漂っていることに気づく。
『クリーン』で匂いを消しているはずだから、この匂いを発しているのはサクラではない。
このとても嗅ぎ覚えのある甘い匂いの発生源は、やはりあのゴブリンたちだろう。
よく目を凝らすと、先ほどおろした荷物の中身が見える。
大量のうさぎ肉。
ゴブリンを改めてよく見ると、首にかけている毛皮はうさぎのドロップ品だろう。
(狩りがとてもうまいゴブリンたち、なわけないよな)
頭を抱える。
もうもう、俺のバカ!
やらかした。そりゃ、そうだよな。
あんだけ甘い匂いが漂っていれば気づくし、肉が落ちてれば拾うよな。
ましてやその肉の進む方向に人の気配がすれば、魔物なら追いかけるか。
何が優れた感知能力を持つ相手だよ。
相手が優れてんじゃなくて俺がガバガバだったんじゃんバカバカ。
サバイバル舐めんな。
恥ずかしいやら、情けないやらで頭を抱えて悶絶する。
投石によってうさぎを楽に倒せるようになって、油断が生まれていたのだろう。
「ギィ、ギギィー!」
なんかゴブリンのハイテンションな声が聞こえてくる。
(あいつ、俺の肉串をっ)
サクラが悶絶している間にうさぎの香草焼きにかじりついたゴブリンは、そのうまさに驚き一瞬で全てを食べてしまう。
(あそこまでうまそうに食べられると、魔物相手でも不思議と悪い気はしない)
配下のゴブリンの様子をみて問題ないと判断したボスゴブリンは、残りの香草焼きに手を伸ばす。
サクラが用意した香草焼きは4本。
1本は配下が食べてしまったがまだ3本余っている。
そしてボスゴブリンは当然のように両手に1本ずつ香草焼きをとり食べ始める。
「「「「ギギィッ!?」」」」
驚く配下たちだが、ボスには逆らえないのか、最後の1本を4匹で奪い合う。
(リアルジャイアニズムだな)
結局その1本にありつけたのは3匹だけで、残りの1匹は殴り飛ばされてしまう。
殴り飛ばされた1匹だが、倒れたすぐそばにトマト煮があることに気づき、手を伸ばす。
しかし、その行為は既に2本の串を食べ終えたボスゴブリンに見咎められる。
「ギィ?」
鍋に手が触れる前に、ボスゴブリンに腹を蹴飛ばされ地面を転がる配下。
そして、ゴブリンは腰布に刺した立派な装飾剣を抜くと、力任せに配下の首に叩き込んでしまう。
(あのヤロー、血が鍋に入ったじゃねえか!)
かなりショッキングな光景だったが、サクラは配下の血がトマト鍋にも入ってしまったことに対して怒りを覚える。
これまでの印象でもゴブリンに対しては、人型であろうと魔物という印象が強かったが、その血液が緑色で、死んだ瞬間光になったところを見て、完全に別の生き物だと認識した。
ボスゴブリンは他の配下たちにも、この食い物は俺のものだと睨みを効かせる。
そして、トマト煮に近づき、アボカド鍋を掴み、熱さに驚き、悲鳴を上げて、ひっくり返した。
「「「「ギギィッ!?」」」」
(あんの、バカやろうっ!)
ゴブリンの知能レベルの低さに驚き、トマト煮をひっくり返したことに激怒するサクラ。
せめて食べられるなら、美味しく食べて欲しかった。
配下たちも流石にこれには我慢ができないのか、ボスに迫り文句を言う。
(やっちまえお前ら、殺せ!下克上だ、下克上)
配下ゴブリンたちに、なぜかシンパシーを感じ応援する。
部活時代の辛い先輩後輩関係を思い出しているのかもしれない。
(後輩だって人間だ!)
そんなことを考えるサクラだったが、ゴブリンはゴブリンだ。
ボスは最初は火傷の痛みに悶え、配下たちの怒りに狼狽えたが、すぐにそれらの感情が怒りに変わる。
剣を抜くと、配下を2匹切り捨ててしまう。
残る2匹の配下は、ボスの蛮行に怯えすぐに距離をとって、膝をつき妙な動作をする。
ゴブリンなりの謝罪なのかもしれない。
サクラはその様子を見て、
(ラッキー、減った。隙だらけ)
「ほい」
石をボスに向かって投げる。石はボスの腹を貫通する。
「「ギィッ!?」」
ボスは倒れ、配下二人は驚愕して敵の姿を探す。
サクラは茂みから身を起こして、配下の片方に投石を行う。
石は、まだ立ち上がる途中の配下の頭を貫通して、後ろの木にまでえぐりこむ。
その余りの威力を目にした最後の配下は、サクラに背を向けて走り出す。
「逃げるのかい、お前らは。やっかいだね」
そんなゴブリンの様子を見て、嘲るのではなく警戒心をあげるサクラ。
ボスの様子を見ていれば、ゴブリンという種族がどれだけ残虐で攻撃的なのかはわかる。
それにもかかわらず、勝てないと見ると一目さんに逃げるその姿勢は、サクラにとってはかなり脅威を感じるものだった。
一人で森の中を進む上で、サクラの存在を知る魔物を逃がすわけにはいかなかった。
そんな逃げるゴブリンに向かって、丁寧に、決して外すことがないように、投石を行う。
高速で木々を避けて進む石が配下の腹を貫通するのを見届ける。
もし、1匹でもゴブリンを逃せば、また群れをなしてサクラを襲いに来るかもしれない。
武器を持った相手に、どこまで接近戦で戦えるかまだ未知数なサクラにとっては、それは避けたい状況だ。
全てのゴブリンを始末できたことに安堵する。
ドロップアイテムを確認しようとサクラが振り返った瞬間、その身に迫る白刃に気づく。
「っ!」
サクラは衝撃を感じて、無様に転がる。
胸に痛みを感じる。胸当てを通して斬られたのだろう。
「お前・・・なんで」
痛みにうめきながら、自分を斬った相手を見ると、そこには腹に穴を開けながら、剣を構えるボスゴブリンの姿があった。
ボスも明らかに痛みを感じている様子だが、傷を庇いもせず今にもこちらに襲いかかってきそうだ。
「くそ、また油断だよ。俺は」
一体何回目だと、自嘲する。
こちらも武器を構えると、ボスもすこし警戒したようで、こちらの様子を伺う。
しかし、こちらの武器が木剣であることを確認すると、馬鹿にしたように笑う。
「うるせえよ、お前に笑われなくても、しょぼいのはわかってるわ」
クソ運営が、なんでゴブリンよりも武器がしょぼいんだよ。
ボスどころか、配下の棍棒と大差ねえじゃねえかよ、これ。
「はぁ、はぁっ」
胸の傷がかなり痛む。うさぎの時と違い完全に胸当てをつき抜けて、体の浅くないところを斬られた。
ボスゴブリンに比べれば、そこまで深い傷ではないのだろうが、こちとら日本育ちの大学生。
本当なら喚き散らしながら、地面にのたうちまわりたいのを、なんとか木剣を構えているだけで褒めてもらいたい。
ボスはもう攻撃を仕掛けようと装飾剣を振りかぶっている。
こちらも木剣を構えるが、真剣を手にした相手に戦う恐怖が傷を負った体を襲う。
そもそもで木剣での戦闘自体今日初めてだ。
なんでだよ、剣士だろおれ。
ボスがあと一歩進めば、剣の間合いに入るというところまで来てしまっている。
「あ、いける『スラッシュ』」
ボスにとってのあと一歩は、大きく体格に勝る俺からすると既に間合いのうちだった。
剣技『スラッシュ』 剣での攻撃時に魔力消費で威力を増大させる
剣術を2に上げた時に覚えた初めての剣技。
今日初めての剣での戦闘。
剣術のレベルも上がり、剣技が乗った一撃は、ボスゴブリンを装飾剣ごと叩き飛ばした。
後ろの木に叩きつけられたボスゴブリンの首は、明らかに通常とは異なる角度にへし折れている。
サクラは警戒して、ボスの様子を観察する。
すぐに光になって消えるボスをみてようやく体から力を抜き、その場に倒れる。
「いてぇよ、ちくしょー」
三下のような口調で苦しみながら、のたうち回る。有言実行。
ピコン『Lv.8→9↑』
「うるせえな、おい」
人が苦しんでいるってのに、能天気な電子音鳴らしやがって。
この痛みなんとかできるスキルなんか・・・あるわ。
すぐにステータスを開き、SPを4使い生活魔法を3に上げる。
「『キュア』『キュア』『キュア』」
生活魔法Lv.3で覚えられる魔法は『キュア』と『ドライ』であることを、簡易鑑定で以前確認していたのを忘れていた。
『キュア』はあくまで応急処置レベルの魔法だが、ゴブリンにやられた傷は胸当てが間に入ったこともあり、そこまで深くないものだった。
痛みに弱いヘタレ現代人が戦闘できる程度の怪我なら、回数を重ねれば問題がない程度には回復できる。
「助かった、生活魔法まじ神。運営唯一の功績」
これからは生活魔法を信仰して生きていこうかしら。
だいぶ塞がった傷に軟膏を塗りながら、体を起こすサクラ。
もう体はへとへとだ。
傷の影響もあるが、おそらく魔力の使いすぎだろう。
初めての剣技に『キュア』を重ねて使ってしまった。
今すぐ体を休めたい欲求に襲われるが、ここではいつまた他の魔物に襲われるかわからない。
「必要なドロップだけ回収して、すぐ移動しよう」
ゴブリンのドロップを確認するが、どうやらゴブリンは魔石以外は落とさないようだ。
その代わり持ち物がそのまま残されている。
棍棒も腰巻きも、俺が捨てた肉も毛皮もいらないが。
配下の魔石だけ回収して、ボスの死んだ場所に向かう。
ボスの魔石は意外にも配下と全く変わらなかった。
上位個体などではなかったようだ。
しかし、装飾剣に首飾り、綺麗な布は女物のポンチョだった。
どれもとても上品な作りで、おそらく身分のある女性からこのゴブリンが奪い取ったものなのだろう。
「安らかにお眠りください」
これらの持ち主の女性の末路を想像し、サクラは冥福を祈る。
首飾りは背嚢に、ポンチョは肩にかけて、剣を腰に帯びる。
「よし、ようやくまともな武器を手に入れた」
どれも高価そうなものだから、人に見つかれば問題が起こるかもしれない。
逆に考えると人に見つかるまでは、気にせず使っても良いだろう。
見咎められたら正直にゴブリンから取り返したと言えばいいのだ。
「あるかもわからない社会のリスクを、気に病めるほど余裕はない」
戦闘を行なった場所から急いで移動したい。
ゴブリンたちが運んできた、俺のうさぎの肉と毛皮をみる。
放置もできない。これがまた魔物に見つかり味を占められると、俺を追おうとするかもしれない。
「使えねえかな、あれ」
どうせ使い道のない代物だから、ここで処分してしまおう。
背嚢の中から、草の葉に包まれたスカベンジャーフィッシュの身を取り出す。
切り身はもうカピカピに乾いてしまっている。調合を使うとどんどんと身が崩れ、フレークのような状態になったので、肉と毛皮の山にふりかける。
装備も含めて体全体に『クリーン』をかける。匂いで追跡されるかもしれないからな。
「本格的に魔力がやばいな」
急いでその場を立ち去り、ただただ西に向けて進み続ける。
途中でうさぎが攻撃を仕掛けてくるが、装飾剣の具合を確かめるために、剣で斬り払う。
木剣とは違い、確実に相手を斬り、仕留める感触に興奮を覚える。
「安心感がまるで違うな、今までは一撃で倒せるか運任せだったからな」
木剣とはいっても、所詮は鈍器と変わらない。
クリティカルヒットでもしない限り、一撃で倒せることはそうそうない。
ようやく命を預けられる武器を手にして、体は疲れているのに、心が沸き立つという不思議な状態だ。
「これも置いて行けないよな」
肉以外のうさぎのドロップ品を脇に抱えながら、急いで森を進む。
結局30分ほど移動したところで、体が限界を迎える。
大きな木の根元に樹洞を見つけたので、そこで体を休ませる。
洞の中は寄りかかれば、体を横にできるくらいには広い空間が広がっていた。
入り口に葉のついた枝を重ねて藪に偽装して、消息を発動させたところでサクラの意識は途絶えてしまう。
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サクラ(男)
年齢:18 階級:自由民 レベル:11↑ 職業:剣士
筋力:6 耐久:5 敏捷:4 器用:5 知力:3 魔力:2
スキル
剣術:2 投擲:4 見切り:3 教養:2 生活魔法:3 簡易鑑定:1 気配感知:1
釣り:1 消息:1 採取:1 耐性:1 調合:1
魔法
『水生成』『着火』『クリーン』『ボイル』『キュア』『ドライ』
剣技
『スラッシュ』
SP:6
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