第三部 月景石
前回の続きの話となります。
第三部 月景石
さて、自分の魔法を知った二人だったが、この先、自分の属性魔法の精度を上げるために、週一ではなく、週三でここに通うことになる。それを知らされたうえで、こう言われた。
「玲衣、蕙。今までは属性を伴わない魔法__すなわち一般魔法の使い方を教えてきた。これから教える属性魔法は使用する魔力の量・難易度が一気に上がる。今までよりも思うように魔法が使えなくなると思うが、そこは理解してくれ」
それと同時に魔法を使うための杖が渡された。
「玲衣。お前の杖は、氷雪と言う名でな、氷や雪の魔法を使うのに適している。次に蕙。お前に渡したのは、月景という名の杖だ。この杖はちょっと特殊でな。代わりは無いと思え。」
なんか蕙の方だけ圧が強い気がするのは触れてはいけない。
蕙に渡された杖__月景
この杖の材料になっているのは、月景石。通称_月景色_________
その石の一部から作られるとても貴重で、かつ特殊な杖だ。
玲衣に渡された杖__氷雪
これはその名の通り、氷や雪の魔法を得意とする魔法使いに渡される、ありがちな杖だ。
現在では、魔法使いでも刀や薙刀といった武器を所有しているが、この時はそもそも戦闘というものが全くと言っていいほどなく、なんなら自分たちも魔物の一部であると考えていたため、刃を持つ必要もなかったのである。たまに魔物が暴走してくることもあるが、すぐに収まるようなものばかりな為、杖だけで十分らしい。
一応、学校の方では木刀で対人の模擬試験はやっているが、師弟関係で魔法を習っている方に関しては、師にもよるが、基本は木刀などは持たせないようにしている。
「慧。これから頑張ろうね」
簡単に魔力の動かし方を学び終わったある日の帰り道。
玲衣はふと、前を向きながら言った。
「なんだよ玲衣。急にそんなこと言いだすなんて、玲衣らしくねぇな。」
「何言っても良いでしょ?」
「まぁ。それもそうだな!んじゃま、早いところ帰ろうぜ?明日もあるし。あ。明日も同じ時間な。」
「全く。いつまで迎えに行かなきゃいけないのやら。」
すっかり暗くなった魔界の空に2人の見習い魔法使いの笑い声が吸い込まれていく。
2人の頭上では家へと向かう2人を空いっぱいの星々と満月が優しく照らし、静かに見守り続けていた。
何気にずっと更新してなかったですねw
久々に小説を書いて、おかしな部分もあると思いますが、あまり気にせず見て貰えたら嬉しいです。