第二部 月魔法~数千年ぶりの適合者~
二人の魔法が分かる回となっています。
まだまだ続きますよー!!
第二部 月魔法~数千年ぶりの適合者~
「危なーい。ギリギリ間に合ったー。」
玲衣は、集合時間にギリギリ間に合った。一方蕙は.............
~~数分後~~
「ゼェゼェ.......早すぎだろ..ゼェ...」
「全く。蕙が遅すぎるだけだよ。ほら、師匠来たよ?」
これはいつものことだ。玲衣と蕙は同時に出発するのだが、蕙は数分遅れて着く。
そして、
「蕙。またお前は遅れたのか」
師匠に怒られる。
「師匠が早すぎるだけっすよ(あと玲衣が)」
「蕙が遅すぎるんだよ。何考えてんのよ。(こっちはもっと早く出発してゆっくり行きたいのに...)」
「二人ともそういうのをここでやらないでと何回言ったか.........」
この会話も、彼らにとっては慣れたものだ。
「さて、本題に移ろう。玲衣、蕙。手を出してみろ」
「え。あ、はい」
「へーい」
そう言って渡されたものは、透明で、小さい水晶だった
「し、師匠......これは?」
「これは普通の水晶だが、これにある呪文を唱えると自分の魔法が分かる。ただ、一回しか使えない。
そこは気をつけろよ」
「呪文ってなんだ?早く知りたい」
蕙はワクワクしていた。ようやく自分が使うことのできる魔法が分かるのだから。
一方、玲衣は少し緊張していた。自分の魔法が分かるのはうれしいが、元々使いたかった魔法があるのだ。自分はその魔法を使うのができるのか........そういう緊張だ。
「呪文は『光れ水晶。我の魔法に導け。』だ」
「よっしゃぁ!光れ水晶!我の魔法に導け!」
その瞬間。蕙の持っていた水晶が紫と黄色のグラデーションになって光り、砕けてしまった。
それを見ていた師匠は唖然としている。
「師匠。俺の魔法は?俺が使えるのは何の魔法なんだ?」
師匠は、ゆっくりと話し始めた。
「蕙。お前の魔法は月だ。月の魔法は数千年に一度しか生まれない子供に与えられるものだ。」
それを聞いた蕙は
「うおぉ!マジか!」
「ただ、扱うのが難しいうえに、恐ろしい事が起こるとも言われている魔法の一つだ。」
「ねぇ、師匠。なんで蕙はその月魔法に選ばれたの?確か、月魔法は日の魔法と同じで、家系では生まれないんでしょ?」
ー日の魔法ー それは、数年に一度生まれる子供に与えられる魔法。日の魔法使いとなった者は、魔法使いたちが普段過ごす町「日の國」の国王にならなければない。
「それは俺にも分からない。条件が無いからこそ、分からないんだ。」
「それもそうだけどよぉ、玲衣は何の魔法か分かってないだろ?やらないのか?」
「や、やるよ。ただ....心の準備ができてないだけ。」
_______数分後________
「ふー。光れ水晶。我の魔法に導け...」
その時、玲衣の水晶は、薄い水色に.....
水晶は氷のようになり、雪のように砕け散った。それを見た玲衣は
「氷の魔法.......よかった....」
玲衣が望んでいた魔法。それは氷である。
「玲衣。お前はずっと氷の魔法が良いと言っていたよな。おめでとう。」
そう言われた玲衣は半分泣いていた。
「はいっ!ありがとうございます!」
この時蕙は、未来にあんな悲劇を起こすことを知る由もなかった.......
蕙が起こす悲劇って何でしょうねー?