第4話 悲しみの先に
第4話 悲しみの先に
(ね):貴哉先輩……。(ぎゅっ。)
(貴):おまっ……。
(ね):しばらくこのままでいて下さい。先輩の
ためです。(これ、私も嬉しいんだよね。)
(貴):はぁ。(何故だろう、泣きそう。
あと、ドキドキしてる。)
(ね):(あ、先輩ドキドキしてる。やばい、
私もドキドキする。)
(ナ):そのまま2人は10分程抱き合っていた。
(貴):ねね、ありがとう。
(ね):先輩…。(やばい、カッコいい…。
やっぱり、貴哉先輩は貴哉先輩だ。)
(ナ):それから2日程経ち、2人は戸坂らと合流
した。その2日間何があったのかそれは、
私も知りません。……ん、ん。(咳払い)
さて、合流したところに戻ります。
(貴):やあ、皆、心配かけて悪かった。
(戸):おお。よかった。立ち直ったみたいだ。
(愛):たかちゃん、良かった。
(紗):たか兄…。
(の):(ねね、これはやったな。なんとなく
分かってたけど、凄いな。)貴哉先輩、本当に
良かった。
(彩):(なんかあの2人いい雰囲気ね。
まさか…。)良く戻ってきたわね。良かった。
(貴):皆、大丈夫だった?俺がいなくても
ゾンビにやられなかった?
(戸):おじさんがいるから大丈夫だったよ。
(彩):(たまたまゾンビが来なかっただけ
じゃない。)
(貴):そうか。良かった。次ってどうするの?
(戸):ああ、それなんだけど、こっから
ちょっと行った所にあるんだけどね。
(貴):それじゃあ行きましょう。
(ナ):ねねの励ましのおかげで親の死から立ち直った貴哉。2日間、何があったか
気になる…。…はっ!失礼しました。
それでは続きをどうぞ。
(貴):あとどのくらい先ですか?
(戸):あと500mくらいかな。
(貴):分かりました。
(ゾ):ウォー!グォー!
(戸):き、来た!あ!ねねちゃん危ない!
(ね):きゃぁぁぁぁ〜!
(ゾ):ガブッ!
(戸):あ。
(彩):え。
(の):貴哉先輩……?
(愛)(紗):え?
(貴):ねね、大丈夫か?
(ね):え?……貴哉先輩!か、噛まれてる!
(貴):ああ、確かにな。それより怪我は
ないか?
(ね):私は大丈夫ですけど、先輩が!先輩、
噛まれてるんですよ!
(貴とね以外):(お、終わった……。ゾンビに
なるんだ……。)
(ゾ):バタッ。
(貴以外):え。(ゾンビが倒れた…?)
(貴):やっと離れたか。全く。
(ね):え、先輩。大丈夫なんですか?
(貴):ああ。大丈夫だよ。どうした?
(ね):そ、そうですか。なら良かったです。
(戸):お熱い所失礼、貴哉くん、本当に
大丈夫?
(貴):全然大丈夫ですよ。初めてじゃあり
ませんし。
(戸):そ、そうか。なら良かった。あ、
そろそろ日が落ちる。何処かに入って。
(皆):はーい。
(ナ):時刻は丑三つ時、貴哉は1人夜道を
歩く。
(貴):確かここら辺だったな。……あった。
(彩):(こんな時間に何してるんだろう。
もう暗いから室内にいないと危ないのに。)
(貴):バクバクモグモグ!
(彩):(え?貴哉くんが、ゾンビを食べてる?
一体どうゆう事?前も夜中に出てったけど
まさかこれをしてたの?)
(貴):今回のは上手いな。ムシャムシャ。
ふぅ。
(彩):(あ、終わって帰るのか。バレないように戻らなきゃ。)
(貴):?……気のせいか。
(ナ):夜が明け、再び出発した。昨夜の貴哉の行動が意味するものは何なのか。そして、
次なる場所は何なのか。次回、2115年に
生きる者たち。第5話、研究の面影。
第4話 完