第3話 大きな悲しみ
第3話 大きな悲しみ
(ナ):貴哉の合流から3日後、遊園地から
離れ、廃コンビニにいた。雨を凌ぎ、少しの
食料もある。この世界において割と
良い場所である。
(貴):今日はあいにくの雨だな。
(戸):雨は移動しにくいから嫌だね。
(ね):凄いジメジメする。やだなぁ。
(の):ちょっとねね!近過ぎ!あつい!
(愛):双子なのにあんまり仲良くないの?
(ね)(の):そ、そんな事ないですよ。
(愛):ふーん。……、さきちゃんあつい?
(紗):まなお姉ちゃん、あついけど心配
しなくて大丈夫だよ。
(彩):双子とか、姉妹とか気にし過ぎじゃ
ないですか?
(ね)(の):…………。
(愛)(紗):…………。
(貴):(なんかやばい雰囲気だな。)
(戸):あれ、いつも通りだから。気にしなくて良いよ。
(貴):はぁ。そうですか。(まな姉、性格
変わったかな?)
(ゾ):ウォー!グォー!
(戸):来た!皆逃げろ!
(ね):ぎゃぁぁぁ〜!
(の):いやぁぁぁ〜!
(愛):さきちゃん、行くよ!
(紗):うん!
(彩):全く…ねね!のの!行くよ!
(貴):さてと、今回は何体かな……!!
え……。母…さん?父…さん?
(戸):え!真田さん!
真田貴文ゾンビ:ウォー!ウォー!
真田紗智ゾンビ:ウォー!グォー!
(貴):そ、そんな……。
(戸):(まさか、お二方ともゾンビに
なっていたなんて……。)と、とにかく
やらないとこっちがゾンビになるぞ!
貴哉くん!
(ゾ):ウォー!
(貴):(このまま何もしなきゃ父さんと母さん
だけじゃなく、他のゾンビにやられかね
ない。……うぅ。やるしかないのか。)
うぉぉぉぉ〜!
(貴):はぁ……はぁ…………。
(戸):貴哉くん……。
(戸):皆!大丈夫かい?
(彩)(愛):こっちは大丈夫!
(ね):ガタガタガタガタ。
(の):お、落ち着いて、のの。もう大丈夫
だから。
(紗):たか兄、どうしたの?
(戸):紗季ちゃん、あまり聞かないであげて。
(戸と貴以外):(え……。絶対何かあったんだ。)
(貴):ごめん、1人にしてくれないか。
(ナ):貴哉はどこかへ歩き出し、すかさず
ねねが追いかける。それを見る彩華は
何を思っているのだろうか。
(戸):あ、ねねちゃん!
(の):行かせてあげて下さい。
(戸):お、おう。わかった。(少し落ち込んで
いるけど、貴哉くんならねねちゃんを
守れるよな。)
(愛):たかちゃんに何があったの?
(紗):たか兄に何があったの?
(の):たしかに何があったか気になります。
(彩):貴哉くんがいないと困るし、知って
おきたい。
(戸):う〜ん。(言っていいものだろうか。)
貴哉くんにはくれぐれも黙っといてくれる
かな?多分触れられたくないと思うから。
(愛)(紗)(の)(彩):分かりました。
(戸):よし。じゃあ、話すぞ。それがな………。
(ナ):貴哉の悲しみを知り、驚愕する愛奈、
紗季、のの、彩華。驚きのあまり、
その場は静まり返った。泣き出す紗季。
そして、貴哉を追っかけたねね。ねねは貴哉をどう悲しみから乗り越えさせるのか。
次回、2115年に生きる者たち。第4話、
悲しみの先に。
第3話 完