第2話 再開と驚き
第2話 再会と驚き
(ナ):貴哉との再会と別れから1週間後。
彩華らはとあるデパートの一角で2日ぶりの
ご飯を食べていた。
(皆):モグモグ、パクパク。
(戸):さて、次は何処に向かうか。
(彩):とりあえず、大きな施設に
行きましょう。
(愛):そうだね。何かあるかもしれない。
(ね):行きましょう。
(戸):そうだな。ここから1番近いのは……。
(愛):波原遊園地。
(戸):あ、そうだな。じゃあ、そこに行くか。
(紗):遊園地?やった〜!
(戸):はぁ、子供は自由だな。
(彩):とにかく行きましょう。
(ナ):波原遊園地。波原町最大のアミューズ
メントパーク。波原っ子は1度は行った事が
ある大人気スポット。
(戸):着いた。
(紗):うわぁ。前とは全く違う景色ですね。
(彩):まあ、こんな状況ですからね。
(の):分かっていたけど嫌な景色ですね。
(ね):まあ、確かに。
(戸):とにかく入るぞ。警戒しとけよ。
何処にゾンビが潜んでるか分からない
からな。
(戸以外):はーい。
(戸):(ゾンビは居ないみたいだな。
まだ見てないのは……。お化け屋敷か。
嫌だな。こんな所にゾンビがいたら。)
ほら、行くぞ。最後はお化け屋敷だ。
(紗):うぅ。お化け屋敷嫌いなんですけど。
行かなくて良いですか?
(戸):うーん。分かるけど、あまり1人に
ならない方がいいと思う。
(愛):私も残ります。さきちゃんの為に。
(戸):……。愛奈ちゃんがいるならまあ、
いいか。気をつけるんだよ。2人とも。
(愛)(紗):はい。
(戸):(暗いな。お化け屋敷だから仕方ない
けど。)大丈夫か?ついていけてるか?
(彩):私は大丈夫です。お化け屋敷怖く
ないので。
(ね):うぅ。うわぁ。怖いよぉ。暗いよぉ。
(の):ねね。落ち着いて。のの姉がいるから。
(戸):(割と大丈夫そうだな。)
(戸):よし、ゴールだ。何もいなかったな。
大丈夫か?
(彩):大丈夫です。
(ね):怖かったぁ。
(の):こ、こっちも大丈夫です。
(戸):よし。入口に戻って2人と合流するか。
おーい。大丈夫だったか?
(愛):あ、戸坂さん。こっちは大丈夫です。
(紗):どうでした?
(戸):何もいなかったよ。ここにはゾンビ
どころか人っ子1人いないみたいだ。
(愛):良かった。安心してこの場所に居れる。
(彩):待って。ゾンビが入って来てる。
(戸):え?……、本当だ。みんな!離れて!
(ゾ):ウォー!グォー!
(戸):(……多いな。対処しきれるかな。)
おりゃ!それ!(多い。まずいな。)
(貴):おりゃ!たりゃ!よし。全員倒したな。
(戸):た、貴哉くん?
(貴):あ、戸坂さん。皆は中に?
(戸):ああ。来るかい?
(貴):いえ。この見た目では皆理解して
くれないでしょう。
(戸):いや、来なよ。皆、多分大丈夫だよ。
今はまだ理解しにくいけど、その内。
貴哉くんが今の皆には必要だよ。
というか、僕が1番必要としてるよ。
このグループ、男は僕だけなんだよね。
(貴):……分かりました。行きます。
(戸):助かるよ。ところで、その見た目、
何か分かるかい?
(貴):ああ、分かるのはゾンビに似てる事、
身体能力が大きく向上した事、ゾンビが
あまり襲って来ない事ぐらいですね。
何故こうなったのかは分かりません。
(戸):そうか。話してくれてありがとうね。
(貴):いえいえ。
(彩):あ、戸坂さん戻ってきた。
(ね):あれ?誰かいる?
(の):あれって………。
(愛):たかちゃん?
(紗):たか兄?
(彩):と、戸坂さん?何故ゾンビと?
(戸):何か思うかもしれないが、彼は正真正銘
真田貴哉くん。少し怪我してるように
見えるだけ。なんて事ないでしょ?
(彩):………。信用できない。どう見ても
ゾンビじゃない!
(ね):彩先輩、貴哉先輩ですよ。酷い言い方
しないでくださいよ。
(の):そうですよ。
(貴):あれ?ねねが2人いる?
(彩):あ、ゾンビが喋った。
(ね):ずっと隠しててすみません。私達は
双子です。
(の):私が姉のののです。
(貴):へ〜。凄いな。こんな状況でも双子を
見ると感動するな。
(ね)(の):エヘヘ。
(愛):たかちゃん……。
(貴):まな姉、生きてたの?
(紗):たか兄!
(貴):紗季も生きてたのか!
(ナ):再会、良いですね。………おっと失礼。
貴哉は家族、友達、後輩、知り合いの
おじさんと再会を果たした。ここから先、
何があるか分からないが仲間がいることは
大変に心強い。
(戸):そういえば、さっきのゾンビ軍団は
殆ど貴哉くんが倒したんだよ。
(戸と貴以外):え!そうなの!
(愛):たかちゃんそんなに強かったっけ?
(紗):たか兄、帰宅部だよね?
(彩):貴哉くんって運動音痴だったよね?
(ね)(の):流石貴哉先輩!
(貴):まあ、運動はあまりしてなかったんだ
けどね。この見た目になったらなんか
動けるようになったんだよね。
(愛):たかちゃん、その傷痛くないの?
(左の額の傷に触れる)
(貴):ああ、痛くないよ。多分、この部分は
ゾンビなんだと思う。
(紗):たか兄……。
(ね):先輩だけど少しグロい。
(の):ねね…。
(彩):貴哉くん、なんでそうなったか
わからないの?
(貴):それが全く……。
(彩):そっか。仕方ないね。
(ナ):貴哉が仲間に加わり、かなりゾンビに
対抗しやすくなった。しかし、貴哉の身に
何が起こって現在に至ったのか。
その現象は遺伝なのか。まだまだ謎は
解けない!次回、2115年に生きる者たち
第3話、大きな悲しみ。
第2話 完






