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勇者パーティの一次帰還

明日から第5章に入ります。

エピローグを入れちゃうので、面白い話ではないですが、申し訳ないです。


 引き締めるとこは引き締めて、笑いを取る所はしっかり笑いをとるメリハリが大事ですからね。


 では皆様よい日曜日を!


「はっはっは! なかなか、美味な味わいであるぞ!! この超絶にして、究極の美貌の持ち主であるナルシスが、お土産のワインを頂いている!!」


 一番に、旅の戻りを祝ってくれたのは、

何故か、我が国の御神体である、ナルシス神様であった。


 正直、久しぶりに会うとやはり、濃い人である。


 ていうか、土産の酒をナルシス神様、飲み過ぎ!!


 私は居城に戻り、マキと熱い抱擁を交わした。


「私の旅行中、大丈夫であったか?」


 マキは、概ね大丈夫だと答えてくれたから、安心した。


 しかし、庭を見た所、思わず叫んでしまった。


「なんじゃこりゃ?」


 確か、バラで埋め尽くされていただけなのに、小さな石の祠が建てられ、ナルシス神様の像が置かれ、小川まで流れていた。


 アイリスが、あの神様はちょっと...

と言った意味がわかった気がする。


 ナルシス神様に、国を任せていたら、破産しそうである。


 これからは、気をつけようと思う。







 ユウトは、各国から集められた、猛者達の暮らす、宿舎に赴いた。


 鑑定石で一人一人、職業レベルを見ていく。


 LV69、LV73、LV84、LV79...


 正直言って、ナルシス王国の、数年前の兵士レベルである。


 新魔王を見た後では、非常に心細く感じた。


「みんな!! 遠路遥々、ナルシス王国に来て貰い、レベル上げを、二年やって貰って来たが、レベル上げを継続して欲しい。目標は、MAXを目指して欲しい。最低レベル90以下は連れて行かない」


 すると、皆に動揺が走る。

厳つい男が反論してきた。


「何でなんすか? 俺達はレベル80以上になれば、本作戦をスタートするって聞いたから、頑張って来たのに! びびってるんすか? 前回の英雄だかなんだか知りませんが、俺は死ぬのなんか怖くないですよ」


「君、名前は?」


「シンヤっす」


「レベル80の聖騎士か! 因みに、俺は職業レベルMAXを十は持っている。前回の魔王とも戦った上で、新魔王は、前魔王より強いと言ったらどうする?」


「関係無いですね! 私は聖騎士として、悪を討ち滅ぼすまで、倒れません」


 ユウトは、木刀を握る。そして、シンヤにも木刀を握らせる。口でわからないなら、実力差を見せつけてやればいい。


 スタートの合図と同時に、ユウトは、木刀をしまい、抜刀の構えをとる。


 シンヤが突きの構えから、突っ込んできたが、瞬足でかわす。再び、シンヤは上段から袈裟斬りをしてくるが、残像しか斬れない。


 すると、ユウトは電光石火の早業で、抜刀した。


 周りの猛者達も、いつ抜刀したのか、わからないまま、シンヤは、倒れ込んだ。

 

 ユウトは喋りだす。


「いいか? こういう死にたがりから、真っ先に死んでいくんだ。私に一撃も入れられないのに、魔王に攻撃が当たると思うな! そんな甘い戦いじゃないんだよ」


 ユウトは、シンヤに水をかけて起こす。


「いいか、シンヤ! お前は聖騎士だから、チームの壁役だ! それなのに、一撃で意識を失ってどうするんだ!」


 シンヤは俯き出した。


「はっきり言う! 俺は吟遊詩人だから、攻撃力は然程高くない! そんな俺の一撃が、魔王の一撃より強いと思うか? そんな攻撃を口笛を吹きながら、喰らい続け、生き延びるのが、お前達の役割だ。なら、わかっただろ? レベル上げが足りないのだと...」


 一部始終を見ていたユリウスは、シンヤと自分の過去を重ねる。


 ユリウスは、徐に話し始める。


「俺もユウトから、昔、同じ様にお叱りを受けた。実際魔族と、戦ってみて、レベル上げしてて、良かったと思う場面は、数えきれないくらいある。兎に角、ユウトを信じて、レベル上げをしろ!」


 そう言うと、お土産の与作の剣とお酒を渡す。


「よく遊び、よく戦え!!」


 ユリウスもユウトに似て来た。

もう長い付き合いであるユリウスは、ユウトの気持ちをちゃんと理解していたのだ。


 もう誰も死なせたく無い...

この一言に尽きるのである。


 ユウトは多くを語らず、ユリウスに任せて、執務室へ入る。


 中には、エドガー内務卿が待っていた。


「うちの兵士は、育っているか?」


「平均すると、職業レベル90弱程度ですね」


 ユウトは、何かを考えながら、天井を見る。すぐに、魔王討伐作戦に移れると思っていたが、当てが外れて、作戦を練り直す必要が出てきたからだ。


「レベル90以上でパーティを作るとしたら、何パーティーできる?」


 エドガー内務卿は、紙の資料を見ながら、数え始める。


「三十パーティ程なら...」


「兎に角、うちの兵士もレベル上げを急がせろ! 新魔王は、前魔王より強いぞ!」


 エドガー内務卿も、眉間に皺を寄せた。

エドガー内務卿は、前回の魔王討伐における死者の弔いをして来た為に、過酷さは理解していた。


「ユウト王! くれぐれも無茶はしないようお願いしますね」


 ユウトは不敵に笑い、土産のワインを呑む。


「まだまだ、死ねるかよ! 俺が死ぬ時は、奴が死ぬ時だ」


 そう言うと、サスケと呼ばれる、ナルシス王国最強の忍びに毒針を渡す。


「俺に何かあったら、例の件は頼んだぞ!」


 サスケは、お辞儀をした後、消え去ったのであった。






 


 ユウトは、魔法王に手紙を書いた。


「親愛なる、魔法王殿へ

勇者パーティは、勇者装備を見つけ出して、ナルシス王国へ、帰って参りました。

つきましては、花畑王国への、道案内の者を、一年後、ナルシス王国へ、連れてきて頂けないでしょうか? いよいよ、新魔王攻略を徐々に、始めて行きたいと、考えております」


 ユウトは、世界中から集いし、猛者達のレベルから、一年後くらいには、仕上がると計算した。


 実際は、もっと早めに動きたい所であった。


 前魔王は、攻め込んで来た過去があるからだ。

今代魔王が、攻め込んでこない保証がないのである。


 あまり悠長にはしていられなかった。


「レベル90以上の暗殺者及び忍びを、花畑王国の領内で見張らせろ!」


 ユウトは、まず警戒策をとったのであった。




 

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