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勇者の兜を取りに行こう

まだ朝は寒いですね

皆さん体調に気をつけてくださいね


 フラミンゴ山それは、かなり傾斜が鋭く、なかなか登り辛い。


 山道は、サマーソルト士の足腰を鍛える場所としても有名であった。


 しかし、勇者パーティは馬車で向かう。

別に筋トレしに来た訳ではないからね。


 時折出てくる魔物を討伐した後は、

フラミンゴ大洞窟がある。


 フラミンゴ洞窟は、道に迷うと出られないとも言われている。


 前回の時は、道案内人をつけたが、

運悪く道案内人が魔物にやらせてしまい、

迷ってしまったのである。


 今回は、ユウトの記憶頼りである。

方角さえ間違わなければ大丈夫だという怪しげな言葉を信じたメンバーは後悔していた。


 フラミンゴ大洞窟三日目、ユウトは座禅を組みながら、糸を揺らしている。


 出口から吹く風を感じているらしい。

思いっきり迷っていた。


「父様! やはり戻って案内人雇いましょ?」


 しかし、ユウトは告げる。


「どうやって戻るか道覚えてるの?」


「覚えてないんかい!」


 アホなやり取りが続く。


 フラミンゴ大洞窟の地上部分から降りていき、地下八階にある抜け道から別の山腹に出て、勇者の兜を護る一族の住まう村へ向かうのだ。


 現在地下五階である。

戻るにも大変であるし、向かうにもまだ先が長い。


 ユウトは多分こっちな気がすると言いながら進むが壁ばかりであった。


 ユウトは方向音痴だから前回大変な目にあったのではとユリウスもプリーモも思い始めていた。


 ユウトは、何かを見つけて喜びだした。


「この矢印を書いたのは私だ! 五階層は、方向感覚が狂うからと印をつけたのだ」


「では、下への階段は?」


「ーーわからない」


 わからんのかい! 

プリーモはユウトがボケ出した老人にしか見えなくなった。

ならばとユリウスは提案をした。


「なら右回りで調べていこう。ダンジョン攻略の基本だからな」


 ユウトは渋々了承した。


 ガタゴトガタゴト! 

馬車は進む。長期戦に備えて、勇者パーティは順番に休む事になった。


 プリーモは自分は若いからと、ユウトから休ませた。


 ユウトは夢を見る。

それは、糸で地層を斬り、洞窟を脱出するという夢であった。


 夢から覚めたユウトは、吟遊詩人から、死奏家に転職した。


 ユウトは馬車を止めさせると、床に向かい奥義の準備に入る。


「南斗のワルツ」


 シャシャシャシャ!

すると、地面が削れて、床に穴が空く。


「さぁ茶番は終わりにしよう」


 ユウトは坂道のような下の階への道を簡単に作ってしまった。


 ユリウスとプリーモはあまりの力技に、

脱帽した。


 すると、声が聞こえて来た。


「ちょっと! そんなズルは認められません」


 しかし、ユウトは反論した。


「君達が迷わせるからだろ? 洞窟の精霊達よ」


 どうやら、ユウトだけは気づいていたらしい。洞窟の精霊ピピンは姿を現した。


「ここは、勇者の資質が問われる神聖な儀式なのよ! ズルは駄目じゃない」


「もう今代勇者はレベルをカンストさせている。何か不満はあるのか?」


 そう言われたピピンはプリーモを鑑定し出した。


 その後ピピンは、溜息を吐いて、あっち行けのポーズをとる。


 どうやらもうピピンは洞窟を迷わせないらしい。


 フラミンゴ大洞窟の精霊ピピンは、勇者の資質を問うのと同時に、魔族から勇者の装備を預かる一族を護っていたのであった。

 


 勇者パーティ一向はその後は一時間かからず、フラミンゴ大洞窟第八階層の抜け道へとたどり着いた。



 勇者の兜を護る一族の村は、ピピン村と呼ばれている。


 ピピン村にやっとたどり着いた勇者パーティは、村長のゴンゾさんに料理をもてなしてもらう。


「いやあもう何十年ぶりくらいですね。ユウトさん! 二回目お疲れ様です」


「ああ! あの時は助かりました。私もまさか二回目があるなんて想像してませんでしたよ」


 ゴンゾ村長は温かな食事を振る舞ってくれた後に、立派な兜を持って来てくれた。


 プリーモは、唾を呑み込むと、勇者の兜を被ってみた。


 すると、兜は、光に包まれて、何と黄色いマフラーに変身した。


「いや兜じゃなくね?」


 ゴンゾの家は笑いに包まれたのであった。


 

 


 

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