クラブに行こう
もう55話まで来たんですね。読んで下さる視聴者の皆さんに支えられてるのを感じます。
これからもよろしくお願いします。
チャンチャンチャンチャチャチャチャララ〜ラン♪
「よしクラブ討伐だな! 踊り倒そうではないか」
ユウトとユリウスはノリノリで入っていく。プリーモはやれやれといった表情である。
父のユウトが煩いからクラブに来てみたが、眩しく煩い場所である。
プリーモは勇者の剣に夢中である。
マイアヒもなんのそのであった。
この光沢! 貴賓さ! 奥深さ!
どの角度から見ても最高である。
ニヤケがとまらないプリーモだったが、
やはりクラブは煩い。ふと、振り返って見る。
すると、見物人が出ていた。
何だろうか見てみると、
うさぎの天使と悪魔のジジとバニラが可愛く踊っていた。
物珍しいさからか、可愛いからか、女性から特に黄色い声援が飛んでいた。
ユウトとユリウスは、そんなジジとバニラを餌に巧みにナンパしていた。
歳を考えろと言いたかった。
孫に会わす顔はあるのかい?
すると、やけに人気が出た為に、ジジとバニラはお立ち台に上がる。
クラブはヒートアップする。
クラブこそ人生と言っていたユリウスの言葉を思い出して、プリーモはこの先の旅を懸念したのであった。
クラブを出ると、皆晴れやかな表情である。もう何か一つのダンジョンをクリアしたかのような顔つきである。
「それより、勇者の装備は次どこに行けば良いのですか?」
「サマーソルト王国の山に勇者の靴を代々護りし一族がいる。そこにいこう。道中は、魔物も出るから気をつけるように」
「結構な難所から攻めるね?」
ユリウスが不思議そうに聞いてきた。
「前回、冬に行って凍え死にそうな目にあったからな! なるべく暖かい季節に行きたいのだよ」
ユウトの導きで一向は北上したのであった。
サマーソルト王国、フラミンゴ山の麓。
魔物達は元気いっぱいである。
「おりゃ〜」
「どりゃ〜」
プリーモは勇者の剣を得て張り切っていた。どんどん魔物を葬る。
ユウトは少しきな臭い雰囲気を感じていた。
なぜなら、フラミンゴ山は前回、登るのが大変であったが、そこまで魔物は多くは無かったのだった。
もしかしたら、魔王軍も色々動いているのかもしれない。
この先注意をしよう。
ユウトはハンドサインを送る。
プリーモだけは、首を傾げていた。
ハンドサインを知らないらしい。
ジジから耳打ちで意味を聞く!!
「魔王軍がいるかもですって〜〜ッ!?」
「声がでかいわ!」
プリーモは口を塞ぐ。
すると、森から笑い声が聞こえた。
「フハハハハ! なかなか勘の良い奴らめ! この地に何をしに来たのかはいらないが、魔王軍特殊部隊隊長 オニオンキング様とは私の事である」
ユウト達はあたりを見渡すが、敵の姿が見当たらない。
なかなか隠れるのが上手い敵らしい。
固まって行動をする。
しかし見えない。姿を表さない。
「さ! 早く収穫してくれ〜」
どうやら、地中からの救助待ちの哀れな、魔王軍だったらしい。
ユウト達は華麗にスルーをしようとした。
「いやいやいやいや! 何でやねーん! 収穫して戦わんかーい」
オニオンキングは地中から現れた。
自分で出られるなら出てきて欲しいものだ。
仕方ないので、勇者パーティは迎撃態勢に入る。
「必殺! 玉葱の汁ブシャ〜」
勇者一向は涙が止まらなくなる。
ユウトはバフとHP徐々に回復の曲を流した。
プリーモは目が開けられず、攻撃が当たらない。
「甘い! 甘い! 甘すぎる! 玉葱汁ブシャ〜」
オニオンキングは回避力に自信があるらしく、プリーモを翻弄している。
ユウトはまだまだだなと感じた。
ジジが魔法の準備に入る。
うさぎとは、目が悪く耳が良い生物である。
目が開けられないくらいではうさぎを止められる訳がない。
「ファイアドン」
オニオンキングは炎と衝撃波ですっ転んだ。
ユウトはチャンスとばかりに滅多刺しにする。
「あーちょっ! ちょたんま〜」
「煩い敵だなぁ。観念しろ!」
ユリウスがトドメの微塵斬りを行なった。
今夜のご飯は、ミートソーススパゲッティだ!!
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