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―静岡県警察署本部―
「突然の地震に津波、謎の建築物の出現に異形人型生物。静岡県はいったいどうなってしまったんだ。」
「本当ですよ先輩。対応に出た人たちに怪我人まで出たらしいじゃないですか。あと、あれ絶対ゴブリンですよね。」
「明言は慎め。まだ断定されていない。」
「みなさん、お聞きください。」
壇上に数名の警官が現れた。
「まず、突然現れた未知の建築物ですが、重機を用いても傷つけることが出来ず、未知の物質で出来ていると判断されました。同時に、一般的な手段により建築されたものではないという見解となっております。」
「構造上の支えとなる柱が不十分であり、一般に使用されている建材で同様の建築物を建築すれば瞬く間に倒壊するでしょう。すなわちこれらは自立または浮遊しており、極めて不自然な力によって支えられており、移動させることすらままなりません。」
「この建築物は地下へと続いており、地上1階、地下1階、地下2階まで確認済みで、それ以降も続いております。しかし、これ以上の捜索は危険であり、一時撤退を余儀なくされております。」
「この建築物をSCP-5001-JP、SCP-5001-JP内で発見された未確認生物をSCP -5001-JP -Aと呼称します。」
「SCP -5001-JP -Aのサンプルを3体確保に成功。外見や能力、知能などは一般に流布されている創作生物であるゴブリンに酷似しており、遺伝子調査は今のところ人とは全く違う遺伝子配列であることが確認されています。」
「SCP -5001-JP 内でしか存在が確認されていない貴重な生体サンプルではありますが、好戦的であり、時間が経過すると減った分だけ突如別個体が再出現する生体を持っているため、必要であれば殺傷行為を許可いたします。」
「SCP -5001-JP 内へ突入する際は、指定された武器を携帯してください。この指定内容は調査結果により変動する可能性があるため今は指定できません。出動時に都度確認してください。」
「SCP -5001-JP -Aについての詳細について説明いたします。」
「SCP -5001-JP -Aの身長は130cm前後。毛むくじゃらの手足に腰ミノを着ています。サンプル数が少ないので断定はできませんが、オス個体が多いようです。」
「きわめて好戦的で、接近を認識されると襲い掛かってきます。その身長に対して腕力が強く、単身で挑むのは危険です。必ず複数人、出来れば5人以上で相対してください。」
「スタンガンの有効性が確認されたため、現時点での初動はスタンガンの使用を推奨しています。さすまたの様なものを用意できる場合は、これらで取り押さえた後、スタンガン等での拘束を行ってください。」
「SCP -5001-JP -Aの生態は未知な部分が多く、積極的な殺傷は禁止致します。この決定は以降の調査で覆る可能性があります。」
「SCP -5001-JP -Aの生体サンプルから採取された皮は対刃、対衝撃性に優れ、有用であるとの見解があり、無許可での殲滅は厳に禁止致します。」
「えー、これ以降は君たちを信じて言おうと思っているのだが・・・どうしても口外しないという自信が無いものは、今のうちに退室してくれたまえ。」
「ん・・?」
「十分機密情報と言える内容だったが、それ以上の物があるのか・・・?」
「どうします?先輩。」
「お前はしゃべりそうだから帰れ。」
「いやいや、ちょっと待ってくださいよ。」
「なら静かにしていろ。」
「・・・」
「SCP -5001-JP と同一の物質で作られていると思われる建築物を発見した。」
「!」
「なんと・・・既に他にも・・・。」
「所在は滋賀県の震源地の近くだ。」
「まさか、地震の原因は」
「今すぐ調査に」
「待て、落ち着け。この建築物の調査を行ってはならない。」
「なんでですか!」
「管轄か・・・」
「管轄の件もあるのだが、この建築物・・・呼称はSCP -5000-JP となるのだが・・・住人がいる。」
「住人?」
「星か?」
「恐らく星だろうと目星をつけているが、証拠が無い。いや、それ以上に問題なのはSCP -5001-JP -A以上に危険と思われる未確認生命体が複数確認されている。」
「いやもう、それ星でしょ。」
「SCP -5001-JP -Aより強い・・・?」
「十分証拠でいいんじゃないか?強いったって、数揃えて乗り込めば」
「確認されているのは、住人加宮 由香。形式上SCP -5000-JP-A。スズメにしか見えない危険生物SCP -5000-JP-B。シジュウカラにしか見えない危険生物SCP -5000-JP-C。メジロにしか見えない危険生物SCP -5000-JP-D。影のような未確認生物SCP -5000-JP-Eだ。いずれも航空撮影により発見されている。」
「影のような生物SCP -5000-JP-Eが最も数が多く、他は1体づつだが、任務を受けた偵察部隊は全てSCP -5000-JP-Eによって排除されている。」
「侵入等は不可能と判断し、後日、SCP -5000-JP-Aに対して狙撃を行う。」
「それで極秘ですか。」
「明らかな非常事態だ、やむを得んだろう。」
「非難はどうなっていますか?」
「近隣の家は空き家だ。SCP -5000-JP-Aが個人で外出している時を狙う。」
「SCP -5001-JPはなにやっても無傷らしいですからねぇ。」
「SCP -5000-JP-Aが元凶だとして、狙撃、効きますかねぇ?」
「効く効かない以前に、一発勝負でしょ?暗殺失敗時のプランは?」
「訪問してお伺いをたてるほかあるまい。」
「なんじゃそりゃ。」
「核ミサイルを撃ち込むわけにもいかんだろう?そもそも、日本には無いのだし。」
「はいはい。終わらない会議地獄が待っているんですね。」
由香さん、あっさりバレる。
警察サイドっぽいの書いてみたらめっちゃ読みずらい感じになった。
21話まで読んでくれた人たちなら我慢して読んでくれるだろう…!!