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「いやいやいや、そんな、まさか?」
そんな事ってある?
いや私、このセリフ嫌いだけどさー。
わりとレアだけど、試行回数的に考えて発生率はむしろ普通な事に対して、そんな事ってある?
とか言ってるの聞くとイラっとするんだよねー。
それくらい、稀によくあるじゃん?
「じゃなくて、私だけとか、さすがにそれはない!・・・よね?」
いやでも、超越的な看破を防げるのはおかしい・・・。
「そっかー、困ったなー。私しか使えないとか、無双ってレベルじゃないよねー。」
でもしょうがないよねー。私以外は誰一人使えないんだからねー。
「いよーっし!堪能するぞー!」
「飽きた。」
レベル上げくらいしかする事が無かった。
お金はあるし、男はゴミだし、行きたいところも無い。
面白そうな事を思いつくまで金竜狩ってたらいつの間にかレベルが1万を超えていた。
アホみたいな数の分身を使ってアホみたいな数の金竜を倒してたら馬鹿みたいに上がったんだよねー。
「いくふぁあせふぁさだるくふあおじゃずごのぎえ」(鑑定)
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加宮 由香 Lv.12295 強さ:圧倒的(神々しい) スキル:詠唱 改善 虚弱 不幸 偶然 真実
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スペースとMP回復的な都合で世界各地の不人気エリアを利用させてもらったけど、誰一人文句を言ってこないんだよ?これもう、絶対私しか魔法使えないよね?
「唯一無二の魔法使いっていうのはもう飽きたし、次の段階に進んでもいいよねー。」
せっかく魔道具っていう便利な物が作れるんだし、なんちゃって魔法使いを増やそう!
ショボい魔道具だけ渡して、私が無双するんだー。
うんうん、なんだか面白くなりそー。
「でも、どうやって渡そう?」
ネットで売りさばくのはなんか違うし、どうしよっかなー。
魔物っぽいのを召喚して持たせる?
悪くないけど、なんかちょっと足りないなー。
「そもそも、誰に渡すのがいいかな?クズに渡って調子乗られたらうざいし、細工もしないとなー。」
まず、渡す相手かー。
とりあえず、日本人限定かなー。
外国とか、治安悪いイメージしかないよね。
「日本人の・・・適正のある人は使えて当たり前が理想かなー?」
でもなー。
最近の政治家のニュースって汚職ばっかりだし、なんだかなー。
「最終的に、政府の価値が下がるからいっか。」
ついでに、政府関連の人だと適正が下がるようにしよっと。
「じゃあまずは、出力の調整ができるようにする?」
なんか違う気がする。全然ちがうなー。
「超すごい魔導コンピューターを作ろう。」
これだ!
全部の魔道具に、調節機能や識別機能にMP関連スキル、さらには本体のスキルに補助スキル、オプションなんて付けだしたらもう、とんでもない手間になるよねー。
本体スキルだけ付けておいて、適正に応じてMPを供給してやればいいんだよー。
これなら所有者は魔道具を使ったつもりになっているだけ!
誰でもボタン一つで指定したスキルを使用できるようにしてあげる必要もない!
魔道具に付呪しても、所有者が使えないと意味なさそうなー・・えっと、なんて言えばいいかなー。
「とにかく、発動者問題だよ。問題が見つかるたびに、世界中にばらまかれる予定の魔道具をアップデートするわけにもいかないし、統括機を作った方がなんだかんだでうまくいくはず!」
てきとーな思い付きだったのに、なんだか本当にいい感じのが作れそう!
「統括機の本体、何にしよう?一見パソコンが良さそうだけど、パソコンは良くないかなー。」
パソコンは高性能だけど、拡張力が足りないんだよねー。
通信部分とか、CPUだとか、メモリーやらに分けて付呪しても、足りないんじゃないかな?
「あ、思いついた!家にしよう、一軒家!扉や家具、天井それぞれ付呪すれば凄い数に出来るし、足りなければ増築すればいいよねー。」
さっそく中古の家を買おう!
建売でもいいけど、新しく建てて完成は来年ですなんて言われたら待てないからね!
「もーいいじゃん、いいじゃん!超おもしろくなってきたー!!」
由香さん、レベルが1万を超える。
面白そうという理由で仲間を増やすことを決意。
やっとタイトル回収できそう。
ちょいちょい影竜が放置されているので既にファンタジー状態だけど。




