第2話 そして転生。
…………ハッ!
目を開けると周りが光った雲で包まれていた。
「ここは…」
「目覚めましたか」
声のした方を向くと美少女が舞い降りていた。
可愛い。
こんな激カワの女の子にあったのは初めてだ。
しかもまるで女神のようなしかも容姿をしている。
「私は希望の女神、レナです。死亡したあなたを次の世界に送ってあげましょう」
死亡……そうか、思い出した。
俺、事故で死んだんだ。
……本当、短い人生だったな。
でも、こんな可愛い人に会えたから結果往来だな。
「へえ、じゃあ次の世界はどれだ?」
「この中であなたが決めます」
レナが手を広げると、たくさんの映像が映し出された。
「へえ~、数えきれないほどあるんだな」
「は、早く決めてください。これって結構疲れるんです」
「あ、はい」
この世界は人間と魔人が戦争している世界か。
人間のほうが負けて生活が不自由か。自由を奪われるのは嫌だな。
でも、魔人として転生すればいいだけの話じゃないか?
でも結局、戦争って怖そうだから、パス!
これは魔法が存在する世界か。
魔法が使えるだけで前の世界と同じような感じだから、これもパス。
この世界は魔王と勇者が存在し、魔法も使えるのか。
これがいいかもしれないな。
俺が勇者になって、魔王を倒してみんなにちやほやされるハーレムライフ、うん、いいな。
後これもいいな。
俺が魔王になって、世界を支配して奴隷をたくさん手に入れてハーレムを作る。
どっちもいいな。どれにしようかな。
まあ、それは後に決めるとして、とりあえず、この世界にするってことは確定だな。
「じゃあ、これにするよ」
「き、決まりましたか。わかりました」
レナは映像を消すと、俺の下に魔法陣を出した。
「ちなみに前世の記憶は継続しますか?それとも記憶は消しますか?」
「いや、継続する」
「わかりました。では……あ、体も継続してあの世界に行きますか?」
「ああそうしてくれ」
「わかりました」
「世界に行く前に、一つ願いを叶えることができます」
マジか。何にしよう。
「そうだな………じゃあ、世界最強、俺の力をチートにしてくれ」
「わかりました。では最後に、スキルを選んでください」
するといきなり黒い板状のものがブワッと表示された。
スキル一覧とかかれてる。
いろいろあるな。
「これって全部選べるのか?」
「いえ、残念ながらスキルは一つしか選べません」
「えぇ?チートなのに?」
「はい」
「それじゃ他のスキルを使えないじゃないか」
「大丈夫です。あなたが行く世界でスキルを得られることができます」
「どうやって?」
「それは…魔物を倒すと得られます!」
なんか適当っぽそうだな。
少し不満を抱きながらスキルを一つずつ見ていく。
結界に浄化、精神強化とか気配感知とか、他にも色々ある。
…ここはやっぱり鑑定かな。
俺は人差し指で鑑定をタッチした。
「鑑定ですね。それでは、良い旅を」
すると下の魔法陣が光り出してあっという間に視界を真っ白に染めた。
光が落ち着いてきた。
目を開けると、そこには新しい世界が広がっていた。
まさに異世界。
テンション上がってきたー!
服は俺が死んだときに着てた服なんだな。
魔王になろうとも思ったけど、やっぱり勇者になって正義のヒーローになろう。
ん?なんだ、これ。
視界の右下にアイコンのようなものがある。
そこに意識を集中すると、黒い板状のものが出てきた。
ステータスか。
―――――
西加 輝
職業:勇者
属性:火、水、風、氷、雷
レベル10000
HP:1000000
MP:∞
攻撃:500000
防御:300
知識:5
スキル:鑑定
―――――
もう勇者ってなってる。
産まれたときから職業が決まってる的な?
それにMP無限ってどういうことだ?
さすがチートだな。
後、HPと知識の差が大きすぎな。
俺が今いる場所は見た感じ、街か。
ここがどこの国なのかも知らないから、勇者になる前にまずは情報収集だな。
俺はとりあえず、道を歩いた。
どこを見ても新鮮だな。
これぞファンタジーだ。俺、本当に異世界に来たのか。
そんなことを思いながら歩いていると、路地裏で人が見えた。
あいつら、何やってんだ?
俺はそいつらのところに行った。