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第16話 魔王城。

そうだ。風魔法を使って飛んでいけば、間に合うかもしれない。


俺は手を横から前に振った。

すると、嵐のような勢いの風が吹き始める。


美月はそれを見てなんでこんなことができるんだろうとでも言いたそうに、ぽかんとした表情をしていた。


「美月、後で追いついてくれよ」


それを最後に言うと、風に乗り空を飛んだ。


上から見ると、様子がよくわかる。


あ、ライカを見つけた。

俺はそこに向かい、徐々に降りていった。


そしてライカのすぐ近くまで来ると、後ろからチョップして地面に着地した。

ライカはチョップしたことで正気を取り戻したのか、落ち着いたように大人しくなった。


「ここは…」

「お前覚えてないのか?さっきまで狂ったように走っていたるところに攻撃してたぞ」

「えぇえ!?私が!?」


俺はライカを見て、力強く頷く。



それから数分経つと、美月が息を荒くしながらこっちに走ってきた。


「ハァ…ハァ……やっとついた…でござる」


息を荒くして頬を赤らめながらこっちを見るな。

変な気分になる。



「そういえば、よく俺たちがいる場所わかったな」

「ああ、それなら輝殿が向かっていったところを見て、そこに向かって走ってきただけでござる」



「魔王城ってどこにあるのよ?」

「あそこに城が少し見えるだろ。あそこだ」


俺たちはそこに向かって歩き出した。

そこまでの道には魔物の死体が転がっていた。

ライカ、どんだけ攻撃したんだよ。たくさん死体作ってんぞ。


でも、まだ魔物はいるけどな。

ゴブリンが木の陰から顔をひょっこり出してこっちを見ている。

顔は醜いが、なんかちょっと可愛らしい。


俺たちはそんなゴブリンたちを無視して魔王城に向かった。


すると、水色のドラゴンがこっちに向かって飛んできた。


「避けろ!」


俺たちはバラバラに避けた。

すると、ドラゴンはライカの方を向く。


多分あれは水龍だな。

俺が火魔法で攻撃すれば一撃で死ぬんだろうが、それじゃ楽しくないし、こいつらも強くなれない。

ここは一旦こいつらに任せて、死にそうだったら俺が攻撃しよう。


「こんな魔物、拙者が一撃で倒すでござる!」


美月はドラゴンの頭のとこまで飛び、刀を抜いて振りかざし、首を切った。

ドラゴンの首がポトンというような音をたてて落ちる。

美月も結構強いんだな。


「ライカ、お前魔法が使えるんだからちゃんと戦えよ」


俺は少し呆れ気味に言う。


「わかってるわよ、そんなこと。ほら、行くわよ」


ライカは立ち上がり、いきなり仕切り出した。

勝手に仕切るなよ。


俺は内心そう思いながらライカが向かったところに着いていった。





そしてなんとか魔王城の手前までたどり着いた。


「ふぅ、ようやくここまで来たな」

「何かっこつけてんのよ」

「いいだろ、別に!」


「二人とも覚悟は決めたか?」

「拙者はもうできてるでござる!」


美月は刀を抜く構えをしながら言った。


「……ふぅ…私もできたわ」


ライカは一度深呼吸をすると、落ち着きを取り戻したようにそう言った。

本当だろうな。


「じゃあ……行くか!」


俺たちは魔王城の扉の前まで走り、扉は俺の斬撃で破壊した。


そして中に入ると、そこにいた雑魚キャラが一斉にこっちを向いた。

襲い掛かってきたから俺が全員剣で切ろうとしたら、


「私だってやればできるのよ!」


ライカがそう言いながら手から吹雪を出し、そこにいた魔物は全員氷で凍り付いてしまった。

なんだ、やればできるじゃねえか。


「魔王ってどこにいるんだ?」

「きっと最上階にいるわ」

「なら階段を上らないとでござる」


階段は、目の前にあった。

俺たちはその階段まで走り、上った。


「あれ、おかしいな」


俺がそう呟いたのも、階段が二階までしか続いていなかったからだ。

外から見たとき、四階くらいまでありそうだったぞ。


上に続く階段はなかったが、代わりに扉がポツンとあった。


「この先って…部屋だよな」

「うん、そして絶対中ボス的な人がいると思う」

「もしかしたら、この部屋の奥に上に続く階段があるかもしれないでござるよ?」

「多分四階まであるだろうから中ボスは二人いるってことか」


「仕方ない。魔王を倒すためだ」


俺は勢いよく扉を開けて、中に入った。

そこには銀髪のロングヘアの女の人が立っていた。

俺たちが来たのが気づいたのか、こっちをに振り向く。


可愛い。めちゃくちゃ美人だ。


ライカたちは俺を見て、頬を膨らませている。

俺はそんなこと知らずに、ずっと見つめていた。


俺たちはこんな人と戦わないといけないのか。




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