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第10話 只今、航海中Ⅰ

「じゃあ、十時らしいし、そろそろ寝るか」


「おっさんも、ちゃんと寝ろよ?」

「ああ、そうだな。俺もそろそろ寝よう」


俺は部屋に戻って、ベッドの横になった。


「横、寝ていいでござるか?」

「ああ、ごめんな。いいよ」


俺は少し横にずれて、美月をベッドに寝かせた。



やばい。これ、いい。

さっきまでは一緒に寝るのは、普通だと思ってたけど、意外と恥ずかしいな。

なんか、美月、良い匂いがする。

どんなシャンプー使ってんだよ。

そもそもシャンプーとかこの世界に存在するのか?

まあ、そんなことは今はどうでもいいか。

とにかく可愛い!


最初見てたときは普通だと思ってたけど、近くで見ると、めちゃくちゃ可愛いな。

まつ毛も長いし、肌の色も透き通るように白い。

それに、この黒くて長い髪もサラサラでいい匂いがしそうだ。


ハッ!

危ない危ない。

このままだと襲ってしまう。

平常心を保たなければ。


なんか、鋭い視線を感じる。

視線を感じるところを見たら、ライカとエリカがこっちを睨んでいた。

俺を睨んでるのか?

俺、なんか嫌がることしたっけ?


……してない……よな…?

うん、してない。絶対してない。

胸をチラ見しただけで何もしてない!


じゃあ、なんで睨んでるんだ?


やっぱり、いくら考えてもわかんないものはわかんないな。


「何してんだ。お前等も早く寝ろ」

「わかってるわよ!早く寝てこんな時間速く終わらせるわ!」


ライカはそう大声をあげると、ベッドに潜って、寝ようとしていた。

それに続いて、エリカもベッドに横たわった。


「じゃあ、おやすみ」






気がつくと朝になっていた。


「もう朝か」


みんなの方を見たけど、まだ誰も起きてなかった。


「まだ、誰も起きてねえのか。俺が早すぎるのかな」


俺は朝の空気を吸うために、外に出た。


「すぅ~、はぁ~。うん、うまい」



今、この船動いてるのかな?確かめるか。

俺は確かめるために運転席のところに向かった。

あ、まだ、寝てるな。


外で寝てると風邪ひくと思うんだけど、大丈夫か?

俺は部屋から小さな毛布を持ってきて、寝てる船員にかぶせた。


「ここにいたのね、ニシカタ」

「ん?なんだ、ライカか」

「なんだとはなによ」

「エリカとか美月も、もう起きてるのか?」

「いや、あの二人はまだ寝てるわ」

「そろそろ朝ごはんを食べようと思ってるんだけど。なあ、ライカ」

「ん?」

「あの二人を起こしてくれないか?」

「えぇ~?なんで私が?」


ライカはあからさまに嫌そうな顔をして、そう言った。


「いいから、いけ」

「人使いが荒いわね、本当に」


ライカはぶつぶつと愚痴をこぼしながら、いやいや二人を起こしに部屋に向かった。


そういえば、食べ物ってどこだっけ?

そうだ、思い出した。

エリカに持っておくように、食べ物が入った袋を渡してたんだった。


俺は食べ物をとりに部屋に行った。

部屋の中に入ると、ライカがエリカを起こしてるところだった。


「おはようでござる。輝殿」

「あ、美月は起きたんだな」


「もう、いい加減起きないと氷魔法で凍らすわよ?」


と言っても、エリカはずっと寝ていた。


「いい?するわよ?するわね」

「フローズン・ウィ――」

「やめろ」


ライカが手をエリカに向けて、冷えた風を放とうとしてたから、俺はライカの頭を殴った。


「痛っ!何すんのよ?」

「お前、バカか!実の妹に何しようとしてんだ」

「だって、起きないから」


どうやら、エリカは中々起きないらしい。


「仕方ない。エリカが起きるまで待つか」

「えぇ!?私、お腹空いてきたわよ?」

「我慢しろ」



そういえば、食べ物をとりにここに来たんだった。

袋どこだ?

エリカどこに置いたんだよ。

食べ物がどこにあるかもエリカが起きないとわからないようだな。


それから約一時間が経つと、ようやくエリカが起きた。


「はぁ~はぁ、あれ、みなさんもう起きたんですか?」

「もうとっくに起きて、あんたが起きるのを待ってたのよ」

「お、お姉ちゃん、なんで怒ってるの?」

「あんたが早く起きなかったからご飯が食べれなかったじゃない!」

「ご、ごめんなさい。お姉ちゃん。許して」


エリカは涙目になりながら、ライカを見つめた。


「そ、そんな顔されたら、許せないじゃない!」



「ところでエリカ、食べ物が入った袋ってどこだっけ?」

「ああ、それならここにあります」


すると空間に波紋が出て、それに手を入れると、袋を出した。

こんな感じってわかってたけど、実際見るとやっぱりすげえな。


「何不思議そうに見てるのよ」


あ、いけない、いけない。無意識のうちに目をキラキラさせていたようだ。


袋を開けて中を見ると、りんごがたくさん積まれていた。

りんご以外に食べ物たくさんあるだろ。缶詰とか、ってそれは前の世界にしかないものか。

まあ、いいや。何もないよりよっぽどマシか。


「じゃあ、食べるか」


俺はみんなに一個ずつりんごを渡した。


「「「いただきます!」」」

「でござる」



うまかった、けど腹はあんま満たされんな。

でも、すぐなくなるかもしれないから、我慢するか。


すると船が動きだした。

起きたのか。


そうだ、多分まだ何も食べてないだろうから、これを持っていこう。

俺はりんごを持って、船員のところに行った。


「おっさん、まだ何も食ってないだろ?りんごしかないが、我慢してくれ」

「ありがとな」

「ここに置いとくから好きな時間に食べてくれよ」


俺はりんごを船員の近くに置いた。


「じゃあ、しっかり運転してくれよ」


俺はその後、部屋に戻ってベッドに横たわった。



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