表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
学園英雄記譚 - Lenas (レナス)-  作者: 亜未来 菱人
ライフサーガ編
175/290

魔道士

前回のあらすじ


立石達レナスメンバーはカイザル城内へ向かう回廊において、あろうことか栞の体を奪い魔女王となった紫苑に遭遇。


紫苑が魔界から呼び寄せた炎の壁が、先行した立石と響子を襲う。

(くそっ! こうなったら、やるしかねぇ!)



立石は右手の拳に力を込める。彼の右腕をゆるやかな風が取り巻く。それは次第に強くなり、まるで小型の竜巻を巻きつけたようでもあった。



「こんな炎、俺のハリケーンクラッシュで吹き飛ばして……」



スパーンッ!



電光石火のハリセンが立石の後頭部にスパークした。



「っ! てぇなぁ! 何しやがんだよ!」



「あなたバカですの!? こんな狭い場所で竜巻なんかを出したら、炎が消えるどころか、炎の渦に巻き込まれた私達が丸焼けになるのは目に見えてますわ!」



「そ、そうなのか? すまん。んじゃ、生徒会長はなんか策があんのかよ?」



暫しの沈黙。迫りくる炎の壁。流れ落ちる天然サウナに汗を流す二人。



「ないに決まってるじゃありませんの! 私の能力は敵を倒す為にあるんですのよ! 消防士の方と一緒にしてもらっては困りますわ!」



「策がないのに上から目線なんて、流石生徒会長様々だぜ」



「何ですって! あなたも八方塞がりのくせによくがそんな口がきけますわね!」



再び始まる口論(バトル)



だが、炎の壁は着実に二人を焼き殺そうと言わんばかりに灼熱の黒い炎がまるで生き物の如く蠢き迫っていた。



立石は額から流れ落ちる汗を拭いながら唾を飛ばす。


「前から言いたかったんだけどよ! 生徒会長だからっていつもハリセンで殴るのは てか……おい!?」



ふっと響子が足元から崩れ落ちた。あまりの熱気にあてられ、体の自由が効かなくなったのだろう。しかも、酸素は限りなく減少している。立石自身も気がつけば呼吸が乱れていた。



「ちくしょう! なんとかならねぇのかよっ!」



気を失った響子を抱え、立石は喉奥から呻くように声を上げた。



万事休すのその時、後方から男の声が上がる。



「光符フラッシュボム! 続けて氷符アイスウィンド!」



その声の主は、倉前であった。






魔道士とは、魔法、魔術を極めるべき道に進む者である。



魔導士とは、魔法、魔術により正しき未来へと導く者のことを指す。



ライフサーガのヘルプ画面ある職業(クラス)説明には、そのような表記がある。



正直、彼はゲームの中でそんな無駄な知識は必要ないとさえ思っていた。自分は仕事で溜まったストレスを解消する為にゲームをやっているのだからと。



だが、異変が起き、彼が魔道士となるきっかけを作ったプレイヤーの坂本は行方不明となった。花音の話によると新米勇者に雇われ、魔王ジャガミラの攻略に向かったとの事であった。



(また金づるを見つけたな)



花音から話を聞くなり、倉前はまたかと呆れていた。



実は倉前も坂本に金を払ったプレイヤーの一人であった。ライフサーガ内の通貨でなく、現実(リアル)世界の円である。



それは、倉前が初めてライフサーガにログインした時の事であった。

万事休すの立石達を救う倉前の魔法……魔符術が炸裂する。


魔符術とは?


そして、彼にその秘術を与えた坂本なる人物とは?



次回 天才ゲーマー坂本の正体



今回もご覧頂き、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ