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第十二話 見知った顔
「な。なんで千晶が…?」
「千晶ちゃん…よね?」
そこには楽しそうにはしゃぐ千晶の姿があった。画面に向かって笑顔で話しかけている。残り三人のメンバーの一人に話しかけているようだが会話は聞き取ることができない。
「そーだ。お主達にはこれを渡さなくてはな」
いつの間に取り出したのか、紙パック牛乳にストローを刺してチューチューやっているスピカは二人にチェーン型のブレスレットを投げ渡した。
「まぁ、騙されたと思って腕にはめてビジョンを見てみるがよい」
しぶしぶブレスレットをはめ、大型ビジョンを見る二人。
「な、なに!?」
『神納千晶
クラス(クリエイター)
レベル1
HTP5000』
赤い文字で表示されたクラスと白文字のレベル、HTPが二人の視覚に入ってきた。また、千晶達の会話がまるでイヤホンをつけているかのように聞こえて来た。
「どうじゃ?凄いじゃろ?これさえあれば…」
「あのー、二人ともスピカさんの話を聞いていないみたいですけど」
控え目な生徒会会計の福井は呟いた。




