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ただの本選じゃないのかもな

私は、感想が好きだ、評価もブクマも全て好きだ。

と言う事で、お願いします。

空は晴れて、太陽の光で世界を照らしている。こんな日は最高の戦い日和になる。白熱する試合を、夢中になれる戦いを、意地と意地がぶつかり合うバトルを、みんなは、もとい見ている人達は求めるだろう。


「さぁ、やって来ました、名誉ある戦い(ドュエルグランツ)。本日は新人戦!実況は、ステラ学園2年。情報部のカスミです!そして解説は、この子です」


「初めまして、ステラ学園1年。解説をします、シオン・フォールです。よろしくお願いします」


カスミ先輩が言ってくれた様に今日は、名誉ある戦い(ドュエルグランツ)の新人戦。ステラ、シューラ、プルーラ、ヒメラ、イリトヒラ、この五つの学園から各代表3名そして、去年の優勝学園からもう1人の計16名によるトーナメント戦。ベスト8までを決める日と、優勝まで決める日と、新人戦は2日間に分けられている。


この大会は、一斉に五つの学園が集まるほど規模が大きな大会になっていて、試合会場も五つの学園の生徒、教師、そして観客が入りきるほど大きなドーム上になっている。そして俺と、カスミ先輩はその会場の特別室と言われる。実況、解説室にすでにスタンバイし終えていた。


「いやぁ。それにしても凄い盛り上がりだね、まだ選手も登場してないのに」


「そうですね、数千人も見ている中で戦う選手には、緊張しすぎず、いつも通りの戦いをして欲しいですね」


選手が来るまでの間、適当な会話で場を繋ぐのも実況者達の仕事。そういう風に散々カスミ先輩に言われたので、なるべく自然に会話する。


そんな適当な会話をしてる中、選手達が登場し始めた。今日は新人戦しかないため、選手は各学園の1年生しか登場してない。ステラ学園からは、ルリ、キャロ、シャロ、アレスの4人が登場している。

いろんな所から、声援が送られ選手達も気合ばっちりと言った表情をしている。


「それでは、トーナメントを決めてもらう。箱に手を入れ番号の書いたボールを取り出しなさい」


「では、僕から引かせてもらう」


ボールが16個入っている箱が用意されて、アレスから順番にいろんな人が引いていく。これによってトーナメントが決まる。問題の番号だが。アレスが9番、キャロが1番、シャロが8番、ルリが12番だった。全員が勝ち進んでいけば、アレスとルリがベスト8を決める試合で、キャロとシャロがベスト4を決める試合で当たる事になるだろう。

そして、試合の順番が決まるとさらに会場が盛り上がる。とにかく会場は盛り上がっていた。


その後、選手達は控え室に戻っていき。直ぐに試合のキャロと2番を引いた選手が会場に上がった。


「さぁ。これが名誉ある戦い(ドュエルグランツ)新人戦の第1試合、ステラ学園キャロ選手と、イリトヒラ学園バッシュ選手だ!」


カスミ先輩が選手の名前を言うと同時に、バッシュと呼べれる少年は右腕を大きく上に上げ観客を魅了した。大してキャロの方は特に何もせずいつも通りに会場に上がった。


「では、知ってる人もいると思いますが、ここで改めて、実況のカスミがルールを説明をします。この試合には制限時間はありません。勝敗の決め方ですが、この大会専用の服に掛かってる付与魔法(エンチャント)〈防壁〉の第一段階を壊された方の負けとなります。基本的に、持ち込みの武器などは、審査が通ってる物であれば問題なく使用できます。また魔法も制限はないので、思う存分使う事ができます。ただし〈付与魔法(エンチャント)〈防壁〉の第一段階が壊れたのに、その選手に過度な攻撃を加えた時点で、勝利は取り消し、速攻敗退扱いになるので注意してください」


「カスミ先輩、長い説明ありがとうございます。どうやら試合も始まるようですよ」


カスミ先輩が話してる間に、準備が整ったらしくお互い向かい合い握手を握手をし終えた所だ。そしてお互いに距離を取り、今まさに試合が始まろうとしている。


「では、始め!」


「さぁ、審判の合図があり試合が始まりました。この戦いどうなるでしょうか。シオン君どう思う?」


試合が始まると同時に、カスミ先輩が解説を求めてくる。台本などはないので、思った事をそのまま言ってしまう形になる。


「そうですね、バッシュ選手は剣を持っていて、綺麗な構え、流石イリトヒラ学園の学園順位2位と言った所でしょう、対するキャロ選手は腕に篭手を付けた格闘家スタイル。速さを生かすのには良いかも知れませんが、体格差の問題もありますから、押し切れない可能性もありますよ」


「なるほど、お互いまだ様子見と言った感じで、動いてませんが。今の状況だとキャロ選手の方が分が悪い感じなのですね」


そう、試合が始まって数十秒。キャロも、バッシュ選手も一切動いてない。それはまるで時が止まったかと錯覚するぐらい。その様子に会場もどんどん静かになっていく。数十秒、さらに数十秒、どんどん時間は流れていく、そこでようやくバッシュが片足を動かした。見てる者は、先に動いたのはバッシュだ。と思っただがその瞬間、バッシュの〈防壁〉は割れる音と共に消滅していった。


「しょ、勝者ステラ学園、キャロ選手」


審判の宣言により呆然となっていた会場は、言葉の意味を理解する。そして大歓声がキャロに送られる。それを受けながらシャロは、控え室に消えていった。


呆然と立ち尽くすバッシュ。彼は小さな声で「これは、ただの本選じゃないのかもな」と呟いてるのが俺には聞こえた。


「いやぁ、凄かったですね、いったい何が起こったのでしょうか?」


「キャロ選手の〔縮地〕と〈瞬間移動(クイックテレポート)〉です」


「はい?なんですかそれは?」


「キャロ選手は、〔縮地〕を使い一瞬にしてバッシュ選手の裏を取り、最大の一撃を入れた。そして〈瞬間移動(クイックテレポート)〉で、元の位置まで瞬時に戻った。それも何事もなかったかのように。バッシュ選手はおそらく動いた事に気が付いたんでしょう。踏み込もうと足を出した瞬間には、全てが手遅れだったわけです。まさか〈防壁〉が壊れる前に元に位置に戻るなんて。今回の優勝候補かもしれませんね」


『ウォォォォォ!』


『スゲー!』


『これは、優勝決まったか』


『と言うか、全て見えてた解説もやばくないか?』


俺の解説でまた観客が賑やかになった。

こうして、新人戦の第1回戦が終り、ここからさらに、白熱した試合が繰り広げられるのだった。

キャロ「本当の武器は、この後!」


バッシュ「本編で一言しかセリフもらえなかった」

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