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幼女の力

1週間あいてすいません。

3月は、週一投稿になるかもしれません。

ブクマと、評価お願いします。

「それじゃ。始め!」


見た目幼女な神、ユウリが闘いの合図をすると同時にその場から離れる。リリエルもレオも互いに駆け出す、その容姿からは想像もつかない速さでお互いぶつかり合う。


「幼女のくせに、やるじゃない!」


「あなたも、口だけじゃ無いようですね」


武器を使わない、ステゴロスタイル。己の速さと力だけで、もはや戦いと言うより、喧嘩に近い。

ぶつかり合う度、その衝撃が周囲にはしる。俺やローゼさんは、衝撃をものともしないが、この場で唯一の普通?の子供リアンは、そうじゃない。


倒れそうになる必死にこらえて、危ない時は俺の足にしがみついてくる、その仕草が可愛くてしょうがない。


「シオン君、もしかして君ロリ」


「違います、俺はノーマルですしルリの事を愛してます」


「おぉ、言い切るね」


「当然です。ルリの為ならどんな相手でも、戦います」


あらぬ疑いをかけられかけたので、しっかり言い切る。まぁ本心だし、なんの問題もない。間違っても、俺がロリコンという訳では無い。


「はぁぁぁ!!」


「いゃぁぁぁ!!」


俺とローザさんが、くだらない話をしてる間に、戦っている2人は、雄たけびに近い声を上げてた。だがなにせ幼女と少女だから声の迫力がない。

何度かぶつかり合い、いったん距離を取り合う。するとリリエルの方から魔力の流れを感じ始めた。


「本当は、幼女相手に使う気は、なかったんだけど...そうも言ってられないっぽいし使わせてもらうね〈身体強化〉」


リリエルが〈身体強化〉を使い再び構え直す。だが明らかに、先程までとは違う雰囲気に、レオも気が付き同じように構えなおした。


一瞬、その場に静寂がはしりお互い一歩も動かない。瞬きすら許されない空気がその場を支配する。

合図は一瞬だった。誰にでも聞こえるような風の音。次の瞬間には、リリエルの姿はその場にはなく、一直線にレオに向かっていった。


フェイントもない、ただ愚直に突っ込む、だが逆に言えば、歴戦の猛者には、そのやり方が通用する。戦い慣れしたものなら、その行動をただの突進と捉えず、その後の攻撃を予測したりする。でもリリエルの動きは、そんな事に頭を回していたら対処できない。


だがリリエルの相手は、戦い素人の幼女ではなく、逆に戦い慣れした幼女ではない。元討伐ランクSSSの【死を呼ぶ混合種(デスキマイラ)】だった幼女。現在の姿は確かに幼い女の子でも、半神の使い魔で、魔物の時の力も半分以上は受け継がれている。


突っ込むリリエルの動きに合わせてレオは、リリエルの懐に潜り込む、当然幼女が反応できると思ってなかった、リリエルの対処は遅れ、一瞬動きが止まる。だがその一瞬をレオが見逃すはずもなく。懐に潜ったまま、リリエルの腕と首もとの服を掴み、突っ込んできたスピードを利用し、俺も1度は見た事がある技を繰り広げた。


それは、一本背負い。完璧に決まったこの技は、一瞬の事過ぎて、リリエルには反応できない。受身も取れずコンクリの地面に強く打ち付けられ、カハァ、と痛ましい声を出して、悶えていた。そして追撃を加えようとしたレオは、いつの間にか、間に入っていたユウリに止められる。


「ストップ、ストップ。もう勝負付いてるから、それ以上はやめようね」


「ゴホ、ゴホ、まって。まだ勝負は終ってない」


「いいや、この勝負シオンの使い魔の勝ちだよ、だってあの子は、まだ魔力を使ってない。それなのにあの動き...多分これ以上やっても結果は変わらない」


「クッ」


そうして、この戦いに勝敗は決した。レオが俺のところに戻ってきたので、頭を撫でて褒めてやった。すると、さっきまで戦ってた幼女とは思えない、緩んだ顔を見せる。


ローゼは、負けたリリエルの所まで歩みより、そっと優しく抱きしめてあげた。リリエルも負けた事を認めたらしくすすり泣く声が聞こえた。


ここで俺は、余計な事を考えてしまった。(確かに俺の使い魔である、レオが実力を証明してくれたが、俺自身の証明には、なっていないよな)


「なぁ、リリエルちゃん」


「グス、ヒック、なんですか、私を馬鹿にしたいんですか?」


「シオン君、君って奴は...」


「違いますよ!!」


リリエルちゃんは、睨むように俺を見てきて、ローゼさんは、マジかこいつ、見たいな目で俺を見てきた。物凄く心外。そこまで少女を追い詰める趣味はない。


「いや、レオの力を証明できたけど、俺自身の力の証明になってないな~と思ってね、だからこの場で、少し力を解放するから、見ていて欲しいと思ってね。それでリリエルちゃんが判断してくれよ」


「ヒック、わかりました。それで判断しましょう」


少し、立ち直ったのか、リリエルちゃんは、目を擦って改めて、俺事をジッと見つめてきた。そんな気がないのは、わかっているがちょっと照れる。

もちろん、ローゼさんも、俺を品定めするように見てきて、ユウリも興味心身でこちらを伺っている。


(まぁ、魔王の娘だし証明するなら力の半分解放で、いいかな)


ほんの一瞬、時間に表すなら5秒に満たないぐらい。俺の力を解放して見せた。解放と表したが実際は少し異なる、ただ強化魔法を掛けただけ。ほんと軽いつもりだった。


もう充分と思って、元に戻るとそこは、カオスワールドが広がっていた。リリエルちゃんは泡を噴き気絶していて。ローゼさんもユウリも気絶していた。この状況を説明してもらおうとレオの方を見ると。


「主は、馬鹿ですか?いや馬鹿ですね」


と、罵倒されてしまった。結局気絶から、回復するまでその場で、レオとリアンと遊びながら待つ事になってしまった。

キャロ「私達の出番がないわ」


シャロ「しかたないね~」


ルリ「私、ヒロインなのに...ヒロインなのに!!」

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